この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論:債務整理にかかる費用は「手続きの種類(任意整理・個人再生・自己破産)」「依頼先(弁護士か司法書士)」「案件の難易度(債権者数・債務総額・過払い金の有無)」で大きく変わります。一般的な相場や内訳(着手金・報酬・実費)、弁護士と司法書士の得意分野の違い、費用を抑える具体的な方法(無料相談・法テラス利用・分割交渉)まで、実例とチェックリストつきでサクッとわかります。この記事を読めば「自分にとって現実的な選択肢」と「実際に何を聞くべきか」がはっきりしますよ。
債務整理(弁護士/司法書士)と費用シミュレーション — まず何をすべきか、どう選ぶか
借金の問題は早めに適切な方法を選べば負担を大きく減らせます。ここでは、主な債務整理の種類、弁護士と司法書士の違い、費用の目安(シミュレーション付き)、事前準備と相談の流れを、わかりやすくまとめます。最後に「無料相談」を活用する理由と、相談時に必ず確認すべき点もお伝えします。
1) 債務整理の主な方法と向き不向き(先に押さえるべきポイント)
- 任意整理(債権者と個別交渉)
- 概要:将来の利息カットや分割払いの再交渉で毎月の返済負担を下げる手続き。
- 向いている人:収入があり、長期にわたって分割返済できる見込みがある人。住宅ローンを残したい場合に適することが多い。
- 手続きの特徴:裁判所を使わない。弁護士・司法書士が代理交渉可能。
- 個人再生(民事再生、住宅ローン特則あり)
- 概要:裁判所を通して借金の元本を大幅に減らし、原則3~5年で分割返済する制度。住宅ローンを残す「住宅資金特別条項」も使える場合がある。
- 向いている人:借金額が非常に大きいが、ある程度の安定収入があり、住宅を残したい人。
- 手続きの特徴:裁判所手続きが必要。弁護士が代理人として必須。
- 自己破産
- 概要:裁判所で免責が認められれば原則として借金を免れる。資産の一部は処分される場合がある。
- 向いている人:返済の見込みがなく、生活の立て直しを図りたい人。
- 手続きの特徴:裁判所手続き。免責不許可事由など確認が必要。弁護士による対応が基本。
(補足)上のうち「個人再生」「自己破産」は裁判所での手続きが必須のため、弁護士の代理が必要になります。司法書士は裁判所での代理権が制限されているため、これらの手続きの代理はできません。
2) 弁護士と司法書士の違い(重要な判断材料)
- 代理できる範囲
- 弁護士:裁判所での代理、交渉、書類作成など全般を扱える。破産・再生など裁判所手続きの代理が可能。
- 司法書士:登記や書類作成、債権者との交渉(任意整理)は対応可能。一方、裁判所での代理権には制限があり、一般民事訴訟の代理や破産・再生の代理はできない(ただし、少額裁判など一定範囲の代理権はある)。
- 費用の違い(概念)
- 一般に司法書士は弁護士より費用が安めに設定されることが多い。
- ただし、手続きの性質上「裁判所手続きが必要」な場合は弁護士に依頼する必要があり、司法書士に頼めないケースもあります。
- 実務上の違い
- 借入額が大きい、複雑な訴訟リスクがある、財産の扱いや免責可能性の検討が必要な場合は弁護士の経験や判断が重要になります。
(ポイント)「借金の額が少なく、任意整理で解決できそう」か「裁判所手続きが必要か」をまず確認しましょう。後者なら弁護士一択です。
3) 費用の目安(相場)と具体的なシミュレーション
費用は事務所によって大きく差があります。以下は「一般的によく見られる料金例」をもとにしたシミュレーションです。実際の見積もりは相談先で必ず確認してください。
※表示は税込でないケースもあるため、見積もり時に消費税や実費(裁判所費用、郵送料、官報掲載料など)を確認してください。
A. 任意整理(例:債権者数で費用が決まるパターン)
一般的な料金例(事務所A:弁護士、事務所B:司法書士)
- 弁護士
- 着手金:3万円/社
- 解決報酬:2万円/社
- 減額成功報酬:減額分の10%(事務所による)
- 司法書士
- 着手金:2万円/社
- 解決報酬:1.5万円/社
- 減額成功報酬:減額分の5–10%(事務所による)
シミュレーション(借金合計100万円、債権者5社、交渉で合計20万円減額できた想定)
- 弁護士の場合
- 着手金:3万 × 5 = 150,000円
- 解決報酬:2万 × 5 = 100,000円
- 減額成功報酬:20万 × 10% = 20,000円
- 合計(概算):270,000円
- 司法書士の場合
- 着手金:2万 × 5 = 100,000円
- 解決報酬:1.5万 × 5 = 75,000円
- 減額成功報酬:20万 × 5% = 10,000円
- 合計(概算):185,000円
※司法書士は、相手との交渉で合意に至れば非常に有効で費用も抑えられます。ただし次項で触れる制限(裁判所案件など)がある点に注意。
B. 個人再生(弁護士に依頼する場合の一般的な目安)
- 着手金(基本):30万~50万円
- 成功報酬:10万~30万円
- 裁判所手数料・予納金・書類作成実費:数万円~数十万円
- 合計(概算):おおむね40万~100万円程度(状況により変動)
シミュレーション(借金500万円を個人再生で減額、住宅ローンは残す)
- 弁護士費用(中間値)
- 着手金:40万円
- 成功報酬:20万円
- 実費等:10万円
- 合計(概算):70万円
C. 自己破産(弁護士に依頼する場合の一般的な目安)
- 同時廃止(事案がシンプル):20万~40万円程度
- 管財事件(資産がある場合など):40万~80万円以上
- 裁判所費用や予納金、管財人費用など別途必要
- 合計(概算):ケースにより20万~100万円超
シミュレーション(資産ほぼなしの同時廃止の場合)
- 着手金:25万円
- 成功報酬:なし~10万円(事務所による)
- 実費等:数万円
- 合計(概算):30万前後
(重要)上記はあくまで目安です。なかには「着手金無料で成功報酬のみ」とする事務所や、分割払いに対応する事務所もあります。複数事務所で見積もりを取り、契約書(委任契約)で費用明細を必ず確認してください。
4) 「弁護士に無料相談」をおすすめする理由(早めの相談が得策)
- 初期判断が重要:任意整理で済むか、個人再生・破産が必要かの見極めは専門家でないと難しい。誤った自己判断で手遅れになるリスクがあるため、早めにプロに相談するのが得策です。
- 相談で得られるもの:想定される手続き、期間、費用、生活への影響(職業・資格、住宅の可否)などの具体的な説明を受けられます。
- 無料相談の価値:初回無料相談で現状把握と「どの手続きが現実的か」を確認できます。費用の見積もりや分割払いの可否も相談しましょう。
(注意)無料相談の範囲は事務所によって異なるので、「何分・何回まで無料か」「相談でどこまで踏み込んだアドバイスを受けられるか」を確認してください。
5) 事務所を選ぶポイント(失敗しないために)
- 手続きの専門性と実績
- 取扱件数、得意分野(任意整理・個人再生・自己破産など)を確認。
- 明確な費用提示
- 着手金、成功報酬、減額報酬、実費を明確に説明してくれるか。
- 支払い方法の柔軟性
- 分割払いや後払い(成功報酬で賄えるか)に対応しているか。
- 対応の丁寧さ
- 初回相談での説明がわかりやすいか、想定されるリスクまで説明してくれるか。
- コミュニケーション
- 進捗報告の頻度や連絡手段(メール・電話・面談)を確認。
- 口コミや評判(ただし過度に鵜呑みにしない)
- 具体的な対応が評価されているかをチェック。ただし宣伝情報だけで判断しない。
選ぶ理由の例(あなたが選ぶべき理由を整理)
- 借金が多く「裁判所を使う可能性が高い」 → 弁護士を選ぶべき
- 借入先が少数で「任意整理で解決できそう」かつ費用を抑えたい → 司法書士の選択肢も検討可
- 資産(住宅など)を残したい・法的な複雑さがある → 弁護士の経験が有利
6) 相談前に準備しておくもの(持参・提示資料リスト)
相談をスムーズにするため、以下の資料・情報を用意して行くと具体的な見積もりが出やすくなります。
- 借入先一覧(業者名、借入残高、利率、最終の取引日、毎月の返済額)
- 契約書・請求書・督促状などの書類(あれば)
- 給与明細(直近数か月分)または収入証明
- 預金通帳の写し(直近数か月分)
- 家賃・光熱費などの毎月の支出一覧
- 保有資産の情報(自宅、不動産、車、株など)
- 家族構成や扶養状況
(相談時に聞くべき質問例)
- 私の場合、任意整理で済みそうか?それとも再生・破産が現実的か?
- 費用は具体的にいくらか?内訳を教えてほしい。
- 分割払いは可能か?着手金を減らす方法はあるか?
- 手続き開始から終了までの期間の目安は?
- 手続き中・後に想定される生活上の制限やデメリットは?
7) 相談から申し込み(依頼)までの流れ(シンプル版)
1. 無料相談の予約(電話、メール、Webフォーム)
2. 初回相談(現状確認・資料提示)→ 事務所側が解決案と見積もりを提示
3. 見積もり・契約内容に納得できれば委任契約を締結
4. 着手金支払い(事務所により分割や後払い可)
5. 債権者への受任通知送付(受任で督促停止)
6. 交渉・裁判所手続き(ケースによる)
7. 解決(返済計画の開始、免責など)/支払い完了後のフォロー
(ポイント)受任通知を送ると、債権者からの直接の督促が止まる効果が期待できます。これで精神的負担が大きく軽減されるケースが多いです。
最後に — まずは「無料相談」を活用してください
借金問題は放置すると利息や督促の負担が増え、選択肢が狭まることがよくあります。まずは無料相談で現状を見せて、複数の専門家の意見・見積もりを比較するのが最も安全です。相談時には上に挙げた資料を持参し、費用の内訳と支払い方法を必ず確認してください。
必要であれば、あなたの状況(借金総額、債権者数、収入・家族構成、住宅の有無など)を教えてください。想定される手続きと簡単な費用シミュレーションを、この場で具体的に作成します。どちらに進めるか迷っている段階でも構いません。
1. 債務整理の基礎と費用の考え方——まずは全体像をつかもう
債務整理とは、返済が難しくなったときに「借金を減らす、免除する、支払い方法を変える」ための法的・交渉的手段の総称です。代表的なのは任意整理、個人再生、自己破産の3つ。簡単に特徴を整理します。
- 任意整理:裁判所を使わず、債権者と直接(または代理人を通じ)将来利息のカットや分割払いを交渉する手続き。原則として債務の元本を減らさず、利息をカットして返済しやすくするのが狙い。
- 個人再生(民事再生の個人版):住宅ローン以外の借金を大幅に圧縮し、原則3年(最長5年程度)で再生計画どおり返済していく手続き。住宅を残したい人向け。
- 自己破産:支払不能を裁判所に認めてもらい、原則として借金を免責(チャラ)にする手続き。ただし職業制限や財産処分などの影響あり。管財事件(財産がある場合)と同時廃止(財産がほとんどない場合)で手続きや費用が変わります。
1-1. 手続きの流れ(共通の大枠)
相談(無料含む)→ 面談で書類準備 → 着手(委任契約)→ 債権者への通知・交渉・裁判所申立(必要なら)→ 和解・再生計画・免責 → アフターケア(信用情報など)。
1-2. 費用の構成:着手金・報酬・実費
多くの事務所が費用を「着手金(開始時に支払う)」「報酬金(成功時に支払う)」「実費(郵送・裁判所納付金・通信費など)」の3つに分けています。任意整理だと「1社あたりの着手金+成功報酬」、個人再生・自己破産だと「事件全体での総額(パッケージ)」が普通です。
1-3. 費用と生活への影響(信用情報・利用制限)
債務整理を行うと信用情報に登録され、クレジットカードやローンの利用に制限が出ます(任意整理は和解内容や続く返済の有無で影響は変動、個人再生・自己破産は原則一定期間で登録)。生活設計と再スタートのスケジュールを考えて選ぶことが大切です。
1-4. 費用を左右する主な要因
- 債権者の数(多いほど手間増)
- 債務額と過払い金の有無(過払い金回収があると成功報酬が発生)
- 事件の複雑さ(商取引・保証人ありなど)
- 弁護士・司法書士の経験と事務所の料金体系(地域差あり)
- 書面作成量と裁判所への出頭回数
(ここまでで、手続きの言葉はシンプルに説明したので「まずどれが自分向きか」を次の章で具体的に比べていきます。)
2. 弁護士と司法書士の違いと費用のリアル——どちらに頼むべき?
2-1. 法的な役割と対応可能範囲の違い
- 弁護士:幅広く代理権を持ち、訴訟代理、和解交渉、再生・破産申立てまで一貫して対応可能。複雑な事案(事業債務、保証人問題、過払い金訴訟など)では弁護士の選択が安心。
- 司法書士:書類作成や交渉代理が得意。民事訴訟での代理権は「訴額140万円以下」に限られるため、任意整理や簡易な交渉は対応可能でも、総額が大きい案件や訴訟対応が必要な場合は弁護士を勧められることが多い(司法書士の代理権の上限は制度上の基準あり)。
2-2. 実務での選択基準:ケース別の目安
- 借金総額が比較的小さく(目安:消滅時効や過払い金請求、訴訟に発展しない見込み)、債権者対応が主な場合:司法書士でも対応可能。
- 債権者が多数、保証人問題、事業借入、個人再生や自己破産の可能性が高い場合:弁護士を選ぶのが安全。
2-3. 弁護士費用の構成と相場(目安)
一般的な市場感として(事務所により差あり):
- 任意整理:着手金(1社あたり0~5万円)、報酬(減額分の10%~20%または1社当たり2~5万円)、過払い金回収は「取り戻した金額の20%~30%」が成功報酬であることが多い。
- 個人再生:弁護士費用の総額は30~80万円程度(事案の複雑さに依存)。住宅ローン特則ありの場合は追加費用がかかるケースも。
- 自己破産:同時廃止で30万前後、管財事件だと総額で50万~100万円近くになることも(裁判所への予納金や管財人費用が別途必要)。
分割払いに対応する事務所もあり、初期負担を抑えられる場合があります。
2-4. 司法書士費用の構成と相場(目安)
司法書士は任意整理や簡易な自己破産関係の書類作成で選ばれることが多く、相場は:
- 任意整理:1社あたり着手金2~5万円、報酬2~5万円程度(ただし事務所差あり)。過払い金回収の成功報酬は弁護士と同様20%~30%のケースが多い。
- 自己破産・個人再生:司法書士は手続き補助や書類作成を行えるが、再生手続きや複雑な破産案件は弁護士が主流。司法書士に頼めても、弁護士より対応範囲が限定される場合があります。
2-5. 無料相談の有無と見積りの取り方
多くの弁護士事務所・司法書士事務所が初回無料相談(30分~60分)を設けています。相談時は「着手金」「報酬(内訳・算定方法)」「実費」「分割の可否」「過払い金回収時の割合」「成功定義(和解成功の基準)」「追加費用の発生ケース」を明確に確認しましょう。複数事務所で見積りを取るのが賢明です。
2-6. どちらを選ぶべきか:判断ポイント整理
- 訴訟の可能性が高い/債務総額が大きい/事業債務が混在:弁護士を優先
- 債権者数が少なく、訴訟化の可能性低い/費用を抑えたい:司法書士も実務的選択肢
- 過払い金の有無が重要:弁護士も司法書士も対応可能だが、訴訟になる可能性がある場合は弁護士が有利
(ここまでで、だいたい「誰に頼むか」が決めやすくなったはず。次に実例ベースで費用の詳細と見積りのチェック方法を見ていきます。)
3. 費用の実態と賢い選択のコツ——数字でわかる目安
3-1. 地域差と案件種別別の相場感
都市部(東京・大阪など)は相場がやや高め、地方は比較的安い傾向。ただし経験値や専門性による差は大きく、一概に安い=良いとは限りません。例えば任意整理で「着手金無料+成功報酬のみ」の事務所もあれば、初期費用を請求するところもあります。
3-2. 着手金と報酬金の具体的内訳と目安
- 任意整理(弁護士):着手金 0~5万円/社、報酬 2~5万円/社、減額報酬や交渉成功時の成功報酬を別途設定する事務所あり。過払い金回収は通常20%~30%。
- 個人再生(弁護士):総額30~80万円(申立書作成、再生委員対応、裁判所手続含む)。住宅ローン特則ありなら別途費用。
- 自己破産(弁護士):同時廃止で総額20~50万円前後、管財事件では裁判所への予納金(20万前後~)が必要で総費用が増える。管財事件の予納金は裁判所の判断で金額が変わる。
3-3. 実費・郵送費・裁判所費用の見方
- 裁判所費用、郵送代、登記費用(個人再生で抵当権の抹消が必要な場合)などが別途かかります。個々の見積りでは「実費の種類と概算」を必ず確認しましょう。
- 自己破産の管財事件では「予納金(=管財人に渡すための資金)」がかかり、通常は数十万円単位となるケースが多い点に注意。
3-4. 無料相談の活用タイミングと準備物
最初の無料相談では、債権者一覧、借入明細、給与明細、家計簿などを持参すると具体的なアドバイスが受けられます。相談前に「何を知りたいか」を明確にまとめておくのが時間短縮のコツです。
3-5. 分割払い・後払いの条件と注意点
多くの事務所が分割払いに対応していますが、分割手数料や支払い期間の条件を確認してください。また、着手金を分割にする場合、最初の段階で支払い義務が発生するかどうかも確認を(着手金をゼロにして成功報酬を高める事務所もあります)。
3-6. 費用を抑える具体的戦略
- 法テラスや自治体の無料相談を活用:収入要件を満たせば法テラスからの民事法律扶助で費用負担を軽減できる場合があります。
- 複数事務所の見積り比較:内訳をそろえて比較する。
- 任意整理であれば「期間内に交渉をまとめる」ことを目指して追加費用を防ぐ。
- 過払い金が見込める場合は、回収額で実質負担を減らせる可能性あり(成功報酬を差し引いても手元に残る額があるか確認)。
3-7. 見積りチェックリスト(必ず確認する項目)
- 着手金額とその支払時期
- 成功報酬の算定方法(減額分の何%、回収額の何%等)
- 実費の具体例と概算(郵送・登記・予納金等)
- 分割・後払いの可否と条件
- 追加費用が発生するケース(債権者から訴訟が来た場合等)
- 相談後に発生する追加作業の単価
3-8. 弁護士・司法書士以外の選択肢(法テラス・自治体支援)
- 法テラス(日本司法支援センター)は、収入要件を満たせば弁護士費用の立替や無料法律相談を利用できます。
- 市区町村や消費生活センターの無料相談窓口も活用可能。特に初期段階で「今自分が取るべき選択」を整理するには有効です。
4. ケース別の選び方とよくある質問——あなたの状況で何が現実的か
4-1. 任意整理 vs 個人再生 vs 自己破産:ケース別の費用感と選び方
- 任意整理:手続きが簡単で費用も比較的低め(1社あたり数万円)。債務総額の減額は限定的だが生活資金を確保しつつ返済を続けたい人向け。
- 個人再生:費用は中間的(30~80万円)が多く、借金を大幅に圧縮できる点が魅力。住宅ローン残存を希望する人に向く。
- 自己破産:手続き費用と裁判所の予納金を考えると総額はケースによるが、借金を免責にできるため負担軽減は大きい。職業制限や財産処分の影響に注意。
4-2. 連帯保証人のケースでの費用と対応ポイント
連帯保証人がいる場合、債権者は保証人へ追求することが可能です。債務整理を行っても保証人への請求は残るため、保証人の保護や保証人との関係調整(説明や場合によっては保証人の同意が必要な場面)に時間と費用がかかることがあります。弁護士に依頼して保証人対応を含めた包括的な戦略を立てるのが一般的です。
4-3. 信用情報への影響(ブラックリスト)と復権の目安
- 任意整理:和解成立後、金融情報機関に登録される期間は案件により異なるが、一般的に5年程度で情報が消えることが多い(登録期間は和解後の履歴による)。
- 個人再生・自己破産:完了後、信用情報が登録されてから5~10年程度で回復が見込まれる場合が多い。正確な期間は信用情報機関により異なります。
4-4. 仕事・収入・将来設計への影響をどう考えるか
職業による制限は自己破産で問題になることがあります(弁護士や司法書士など一部の職業での制限)。就職や住宅ローンの再利用時期も見据えて、再起プランを作ることが重要です。個人再生は住宅ローンを残しつつ借金圧縮できるため、住宅維持を優先したい人に人気です。
4-5. 申立後の生活設計と再スタートのコツ
- 支出の見直しと収支管理を徹底する(家計簿や専門家のアドバイス)
- 収入を安定させるための転職や副業の検討(ただし、債務整理中の職業制限に注意)
- 信用回復のための小さな手順(公共料金の遅延なく払う、クレジットカードは解約せず状況を把握するなど)
4-6. 依頼先選びの具体的比較ポイント
- 実績(同様案件の処理件数)
- 得意分野(個人再生に強い、過払い金に強い等)
- 料金体系の透明性(内訳を明示しているか)
- 相談のしやすさ(面談の応答、説明のわかりやすさ)
- 口コミ・評判(ただし一部の口コミは偏るため総合的に判断)
4-7. よくある質問(Q&A形式)
Q:司法書士に頼んだら安く済む?
A:案件が単純で訴訟の可能性が低ければ司法書士で済むケースもありますが、複雑な事案や保証人問題がある場合は弁護士を選ぶ方が結果的に安心です。
Q:過払い金があっても費用が出る?
A:過払い金請求は成功報酬型が多く、回収額から弁護士・司法書士の割合(20~30%など)が差し引かれるのが一般的です。手元に残る見込み額を相談時に試算してもらいましょう。
Q:法テラスは誰でも使える?
A:法テラスには一定の収入要件があります。条件を満たせば費用の立替や無料相談を受けられます。
4-8. 体験談:私が債務整理を検討したときの意思決定
(個人的な振り返り)数年前、家計が急に苦しくなり任意整理を検討しました。最初に自治体の無料相談と法テラスでの相談を受け、複数の弁護士・司法書士に見積りを取りました。最終的に弁護士に依頼したのは、債権者が複数かつ保証人が関係していたため。費用は結果的に着手金を抑え、成功報酬型で交渉してもらい、過払い金を一部回収できたことで実質的な負担が軽くなりました。相談時に「実費を含めた総額の想定」を細かく出してもらえたのが意思決定の決め手でした。
5. 実務に役立つチェックリストと最後のまとめ——準備と実行の具体手順
5-1. 依頼前の最終確認リスト
- 見積りの内訳は明確か(着手金・報酬・実費)
- 分割払いや後払いの条件はどうか
- 追加費用が発生する具体的ケースを聞いたか
- 連絡体制(担当者、連絡方法、緊急時の対応)が明確か
- 依頼後のスケジュール感(和解までの目安など)を確認したか
5-2. 相談時の質問リスト(持参資料とともに)
- 現在の借入一覧(業者名・金額・最終取引日)
- 収入・支出の状況(給与明細、家賃等)
- 財産状況(預金、車、不動産)
- 過去の督促状や訴訟関連の書類
- 「提案される具体的な手続き」と「その想定費用」
5-3. 進め方の具体的なスケジュール例
- 相談(週0)→ 書類準備(1~2週間)→ 着手(契約後即)→ 債権者通知・交渉(1~3か月)→ 和解締結(ケースにより異なる)→ 支払い開始(和解後)
- 個人再生や自己破産は裁判所日程があるため、申立てから終了まで数か月~1年程度かかる場合もあります。
5-4. よくある落とし穴と回避策
- 見積りの「実費」を見落とす:郵送費や登記費用が後から請求されることがあるため、事前に明細を確認。
- 無料相談だけで決めない:複数事務所の意見を比較してから決断する。
- 相談内容を省略する:借入先を全部伝えないと後でトラブルに。正直に全部持参すること。
5-5. 今すぐできる費用対策の実践メモ
- 自治体や法テラスの無料相談をまず受ける。
- 債権者一覧など必要書類をすぐに整理しておく。
- 支出の見直し(固定費削減)を並行して行う。
- 複数事務所から見積りを取り、内訳を比較する。
5-6. まとめ:費用は重要だが、最終判断は「費用対効果」と「安心感」
費用は確かに重要な要素ですが、「安かろう悪かろう」で選ぶと結果的に高くつくこともあります。見積りの透明性、対応の丁寧さ、経験値、あなたの将来設計に合うかを総合的に判断してください。まずは無料相談や法テラスの窓口を活用し、複数の見積りを比較して納得できる選択をすることをおすすめします。
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FAQ(よくある質問まとめ)
Q1:任意整理でクレジットカードはすぐ使えなくなる?
A:和解後はカード会社と和解内容により利用停止になることが多いです。解約扱いになる場合もあるため、重要なカードは事前に確認しましょう。
Q2:自己破産すると仕事を失う?
A:自己破産による職業制限は、一部の士業や生命保険募集人などに限定されます。多くの職業は影響を受けませんが、不安な場合は弁護士に相談を。
Q3:債務整理後に住宅ローンを組めるまでの目安は?
A:一般に5~10年程度(ケースによる)。個人再生なら住宅ローンを残せるため、その点で差があります。
Q4:過払い金があれば弁護士に頼むべき?
A:過払い金の有無の調査自体は無料で行う事務所もあります。過払い金が見込める場合は回収額と成功報酬を試算してから判断すると良いです。
最後に一言:まずは「整理と情報収集」から。感情的に決めず、複数の専門家に相談して納得したうえで手続きを進めましょう。
借金減額 体験談でわかる実際の流れとリアルな成功談・失敗談|任意整理・個人再生・過払い金の比較
出典(この記事で参照した主な情報元)
- 法テラス(日本司法支援センター)関連ページ
- 裁判所(民事再生・自己破産の手続き案内)
- 日本司法書士会連合会:司法書士の業務範囲についての説明
- 日本弁護士連合会・主要法律事務所の費用案内ページ(任意整理・個人再生・自己破産の費用目安)
- 弁護士ドットコム他法律ポータルサイト(費用相場やQ&A)
(注)上記の出典は参照して記事を作成していますが、各事務所や裁判所の手続き・費用は変更されることがあります。実際の手続きや見積りは必ず担当の弁護士・司法書士や法テラス窓口で最新情報を確認してください。