この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論を先に言うと、差し押さえ陳述書は「あなた(債務者・第三者)の事情を執行官や裁判所に伝えるための重要な書面」です。正しく作れば差押えの対象や範囲、誤解を防いだり、反対陳述として執行の停止や除外を認めてもらうきっかけになります。本記事では陳述書の意味、提出タイミング、具体的な書き方テンプレ、実務上の注意点、よくあるケース別の対応まで、実例と私の体験談を交えて分かりやすく解説します。
「差し押さえ 陳述書とは」──まず何をすべきか、債務整理の選び方と費用シミュレーション
差し押さえの通知や実際の差押えを受けると不安になりますよね。まずは「陳述書」という言葉の意味をはっきりさせ、その場でできること、そして適切な債務整理(任意整理・特定調停・個人再生・自己破産)への導きと費用の目安をわかりやすく説明します。最後に、無料の弁護士相談を受ける際の準備もまとめます。
1) 「差し押さえ 陳述書」とは何か — 簡潔に答えます
- 陳述書とは、差し押さえ(差押命令)や執行手続きに対して、債務者(あなた)が「事情を説明するために書く文書」です。
- 使われる場面例:執行官(裁判所の執行担当者)や裁判所に対して、差押えされている財産が「差押禁止財産(=生活に必要なものや保護される給付金など)」であることを主張したり、解除・取り消しを求めるために提出します。
- 陳述書だけで差押えが自動的に解除されるわけではありませんが、早期に事情を説明し証拠(給与明細、通帳、年金通知など)を添えて提出することで、執行官や裁判所が事実関係を確認し、差押えの解除・範囲限定につながることがあります。
注意点:差押えは多くの場合「債務名義(判決・支払督促など)」に基づく強制執行で行われます。陳述書は有効な手段の一つですが、状況によっては異議申立てや弁護士による法的対応が必要になります。
2) 差し押さえを受けたときにまずやるべきこと(優先順位)
1. 通知書・差押え文書の原本を保存する(差押えの日時、対象、執行官の連絡先など)。
2. 焦って引き落としや払戻しをしない(証拠が必要)。
3. 銀行口座差押えなら、当該口座の通帳・取引履歴をすぐに取得する。給与差押えなら給与明細や雇用契約書を用意。
4. 陳述書を準備して、差押えが不当だと主張できる事情(受給している生活保護・年金・児童手当などの存在、家族の生計状況、緊急の医療費が必要など)を明確に記載し、証拠を添付して執行官または裁判所へ提出する。
5. ただし陳述書だけで解決しないときは、早めに弁護士に相談する(差押え解除の手続き、支払計画の交渉、債務整理の提案など)。
3) 陳述書の書き方(何をどのように書くか) — 簡易テンプレート
(実際に提出する前に弁護士のチェックを受けることをおすすめします)
- 書面上部:件名(例:「陳述書」)、差押事件番号や担当執行官名、日付、あなたの氏名・住所・連絡先
- 冒頭:自己紹介と差押えの事実(いつ、どのような差押えを受けたか)
- 本文1:差押え対象財産についての事実(口座残高、給与振込の有無、家族に渡すべき資金が含まれるか等)
- 本文2:差押禁止財産に該当する事情や生活維持の必要性(年金、生活保護、児童手当等)と証拠の列挙
- 本文3:差押えの解除や範囲限定を求める理由(具体的な請求)
- 結び:添付書類の一覧(通帳コピー、給与明細、年金通知など)、署名・捺印
4) 債務整理の種類と向き不向き(ざっくり比較)
1. 任意整理
- 概要:弁護士が債権者と直接交渉し、利息カットや返済期間の見直しを図る。
- 向く人:資力はあるが利息負担を減らしたい、財産を残したい人。
- 特徴:裁判所を通さないため手続きが比較的早い。信用情報に登録される(いわゆるブラックリスト)。
2. 特定調停(簡易な裁判所のあっせん)
- 概要:簡易裁判所で裁判官・調停委員を通じて分割返済案を調整。
- 向く人:裁判所の関与はいいが、個人再生や破産ほどの手続きは避けたい人。
- 特徴:費用・手続きは比較的軽め。
3. 個人再生(小規模個人再生など)
- 概要:裁判所が認める再生案により、原則として借金を大幅に圧縮(最低弁済額あり)して支払計画を立てる。住宅ローン特則を使えば住居を保持できることが多い。
- 向く人:住宅を残したい、ある程度の収入がある人で大幅な負債圧縮が必要な場合。
- 特徴:再生計画を裁判所が認可すれば強制執行を防げる。手続きや費用は自己破産より高額になることも。
4. 自己破産
- 概要:裁判所で免責が認められれば原則借金が帳消し(ただし免責不許可事由などもある)。
- 向く人:返済の見込みがなく、再出発を選ぶ人。
- 特徴:一定の財産は処分される場合がある。資格制限や社会的影響(職業制限など)がある点に注意。
5) 費用の目安(一般的な範囲。事案や事務所で差があります)
※事務所によって料金体系は大きく異なります。以下は「一般的によく見られる目安」です。必ず相談先で見積りを取り比較してください。
- 任意整理:弁護士着手金 1社あたり2~5万円程度+成功報酬(減額分の何%、または債権者1社あたり数万円)/合計で20~50万円程度が多い目安。
- 特定調停:比較的安価(法的費用や申立手数料、弁護士費用で数万円~十数万円)。
- 個人再生:弁護士報酬 30~60万円程度+裁判所費用(印紙・郵券等)や他の実費。合計で数十万円~。
- 自己破産:弁護士報酬 20~50万円程度+裁判所費用。資産処分がある場合は別途手続費用がかかる場合あり。
(あくまで目安です。事件の難易度・債権者数・資産の有無で上下します)
6) 費用シミュレーション(具体例で分かりやすく)
仮定:借金合計 500万円(消費者ローン・カード債務など)、給与は手取り25万円/月、持ち家なし。
- 任意整理で交渉して利息カット&3年分割で和解
- 月額返済(元金均等で利息カット想定):約13.9万円/月(500万÷36)
- 弁護士費用:30万円(目安)
- 備考:月の返済負担が厳しい場合は任意整理だけでは難しい。
- 個人再生で債務を1/3に圧縮(例:再生弁済額 約170万円)を3年で返済
- 月額返済:約4.7万円/月(170万÷36)
- 弁護士費用:40万円(目安)+裁判費用等
- 備考:住宅を残したい場合に有利。裁判所手続きが必要。
- 自己破産で免責が取れる場合(債務帳消し)
- 毎月の返済負担:0円(免責後)
- 弁護士費用:30万円(目安)+裁判費用等
- 備考:一定財産は処分される可能性がある。職業・社会的影響を確認。
これらはあくまで一例です。実際の選択はあなたの収入、資産、借金の種類(保証債務、税金、罰金は扱いが異なる)で変わります。
7) 弁護士による無料相談をおすすめする理由(法的リスクを避けるために)
- 差押えの場面は時間的制約があり、早めの対応で差押え解除や範囲限定が間に合うことがあるため。
- 陳述書の内容や添付証拠が不十分だと効果が薄くなる。弁護士は適切な法的主張や必要な手続きを判断できる。
- 債務整理を行う場合、選択肢の比較(短期的な影響と長期的な社会的影響)を踏まえた最適な方針決定を専門家が支援してくれる。
- 無料相談(多くの法律事務所が初回無料、もしくは低価格で実施)を使えば、実際にどの手続きが適しているか、費用・期間の見積りを受けられます。
(注)利用する弁護士事務所によっては「初回無料」「30分無料」など条件が違います。相談前に確認してください。
8) 相談前に用意しておくべき書類(弁護士への無料相談を有効にする)
- 差押え通知・執行文書の原本(差押命令・差押通知など)
- 債権者からの請求書、判決文や支払督促の写し(あれば)
- 銀行通帳のコピー(該当期間)・通帳の振替明細・残高証明書
- 給与明細(直近数か月分)、雇用契約書、源泉徴収票など
- 年金通知書、生活保護受給証明、児童手当等の受給証明(該当者)
- 借入契約書、請求書、債務一覧表(あれば)
これらがあれば、相談で迅速に方針と費用の見積もりが出せます。
9) 弁護士・事務所の選び方(比較ポイント)
- 差押えや債務整理の経験が豊富か(事例の有無)。
- 料金体系が明確で、見積りや分割支払いの可否が提示されるか。
- 初回相談で具体的な選択肢と予測される結果を示してくれるか。
- 連絡と対応が速く、緊急時の手続きを任せられるか。
- 実務での交渉力(債権者対応)と裁判手続きの力量があるか。
弁護士は「安ければ良い」というだけでなく、あなたの状況に合った適切な手続きを提案できるかを重視してください。
10) まとめと次の一手(行動プラン)
1. 差押えの文書をまず確認・保管する。
2. 陳述書を準備し、差押禁止財産の立証となる証拠を集める(ただし、自分だけで無理をしない)。
3. 早めに弁護士の無料相談を利用する(差押え解除・債務整理の適切な選択を受けるため)。
4. 相談時は上記の書類を持参し、費用・期間・期待できる結果を具体的に確認する。
差押えは放置すると生活への影響が拡大します。まずは落ち着いて書類を揃え、無料相談で詳しい見通しを立てましょう。必要であれば、弁護士があなたの代わりに陳述書を作成・提出したり、差押えに対する法的手続きを進めます。
もしよければ、今の状況(差押対象、差押え日、手元にある文書など)を教えてください。相談前に整理すべきポイントを一緒に確認します。
1. 差し押さえ陳述書とは何か? 基本の理解を固める — まずここを押さえよう
差し押さえ陳述書とは、差し押さえ(強制執行)の場面で債務者や第三者が自分の立場や事情を文書で説明するための書面です。執行官(民事執行官)や裁判所に対して提出して、差押え対象資産の所有関係や債権の性質、生活状況などを伝えます。たとえば給与が差押えられそうなときに、扶養家族の有無や生活費の額を示すことで「差押えが過度に生活を圧迫する」点を訴える材料になります。
1-1 定義と役割:
陳述書は法の手続き上「必須書面」ではない場合もありますが、実務的には重要です。執行の理由や対象に争いがあるとき、反対陳述(差押えに反対する陳述)としての役割を持ち、裁判所が後の判断材料とします。第三者(たとえば家族名義の口座に執行が入ったとき)も「この口座は自分のものではない」と説明するために陳述書を出します。
1-2 差し押さえ手続きにおける位置づけ:
差押えは債権者が強制執行を申立て、裁判所や執行官が執行手続きを進めます。陳述書は「執行手続き中の説明書類」として提出され、提出後に執行官が事実関係を確認したり、裁判所が執行を制限・取り消す判断材料にします。つまり、執行の結果に直接的に影響を与える可能性があります。
1-3 陳述書と反対陳述書の違い:
「陳述書」は広い意味での事情説明書、「反対陳述書」は差押え自体に反対する主張を明確にした陳述書です。反対陳述書は、差押えの違法性や対象の誤認、第三者所有の主張などを前面に出して執行を止める根拠を示すために使われます。
1-4 当事者の立場と作成責任:
債務者本人、第三者(口座名義人、不動産名義人)、債権者(必要に応じて反論用)いずれでも提出できます。作成責任は提出者にあり、事実関係を正確に示す義務があります。虚偽記載があると不利になるため、確認できる証拠を添付することが重要です。
1-5 法的効果と拘束力のイメージ:
陳述書自体が自動的に執行を停止させるわけではありません。ただし、裁判所や執行官にとって判断材料として重視され、執行の一部停止や対象除外につながることがあります。提出内容と添付証拠の信頼性が結果に大きく影響します。
1-6 実務上の留意点(虚偽記載のリスクなど):
虚偽記載は不利益(信用失墜、偽証や詐欺要素を問われる可能性)を招きます。曖昧表現は避け、時系列や根拠を明確に。必要書類(給与明細、住民票、通帳コピーなど)を揃えて整合性を持たせるのがコツです。
私の体験談:
友人が給与差押えの通知を受けたとき、生活費の説明を急いで陳述書にまとめた経験があります。期限が迫って専門家に相談すると、生活実態を示す領収書や家計表を添付するだけで執行官が柔軟に対応してくれ、給与差押えの一部が調整されたことがありました。期限の厳守と証拠の整備がカギです。
2. 差し押さえの流れと陳述書の提出タイミング — どの段階で何を出す?
差押えの手続きは、債権の存在確認→執行の申立て→差押え通知・現場執行→保全・処分という流れが一般的です。陳述書を提出するタイミングは「差押えの通知が来たとき」「執行官から照会があったとき」「第三者として差押えを受けたとき」などが典型です。タイミングを逃すと執行が完了してから取り戻すのが難しくなるため、通知到着後は速やかに行動することを強くおすすめします。
2-1 差押え開始の決定と通知の流れ:
債権者が強制執行を申し立てると、裁判所や執行官が差押えを実行します。銀行口座差押えや給与差押えの場合、該当する金融機関や勤務先に照会が入る前後で債務者に通知が届くことがあります。通知書の文面に「この後○日以内に陳述が可能」といった案内があることが多いので、まずはその期限を確認しましょう。
2-2 陳述書提出のタイミングと期限の確認ポイント:
通知書に明示された期限が最優先です。期限が不明確な場合は、通知書を受け取った日から可能な限り速やかに(数日以内)に準備を始め、執行官に連絡して提出先と期限を確認してください。多くのケースで「7~14日程度」の猶予が与えられることがある一方、急を要する執行もあるため早めの対応が無難です。
2-3 提出先と形式(裁判所名・提出方法・電子提出の可否):
提出先は通知に記載されています。一般には差押えを実施した執行官事務所、あるいはその事件を扱う裁判所の執行部宛てです。紙での提出が一般的ですが、裁判所によっては電子提出やメールでの受理を認める場合があります。提出方法は事前に確認してください。
2-4 反対陳述の申し出とその効果:
反対陳述として提出すると、執行官や裁判所がその主張を検討します。差押えの範囲変更や一部差押えの解除、執行停止の判断につながることがあります。ただし、必ず停止されるわけではなく、証拠の説得力が重要です。
2-5 提出後の流れ(審査・補足資料の要求・決定の通知):
提出後、執行官が内容を確認し、不足があれば補足資料を求められます。最終的に裁判所や執行官が執行の継続・停止・範囲変更を決定し通知が届きます。通常は数週間~数か月のプロセスです。
2-6 期限遅延時の救済手段と注意点:
期限を過ぎた場合、後から提出しても執行が既に完了している可能性があります。遅延した場合は事情説明を添えて速やかに提出し、必要であれば異議申立てや執行停止申請など法的手段を検討します。専門家による対応が必要なケースが多いです。
2-7 具体的な実務例(東京地裁などの手続きイメージ):
たとえば一部の地方裁判所では、差押え通知に「執行官への陳述は10日以内」と明記している場合があります。東京地方裁判所などの大規模な執行部は、事案に応じて迅速な対応と詳細な確認を行う傾向があります。提出前に該当裁判所の窓口案内を確認するのが安全です。
3. 陳述書の作成方法とテンプレート・ポイント — これだけは押さえて書こう
陳述書を書くときに大切なのは「事実を時系列で、証拠と照らして分かりやすく伝える」ことです。以下は作成の流れと具体的ポイント、テンプレートです。
3-1 作成前の準備(事実関係の整理、証拠の把握、相手方の主張確認):
まず通知書の内容、債権者の主張、差押えの対象(給与・口座・不動産など)を確認。次に自分の主張したいポイントを箇条書きにまとめ、裏付け資料(給与明細、通帳、契約書、住民票、光熱費領収書など)を収集します。相手方がどの点を争っているのか把握することが重要です。
3-2 事実関係の明確な整理のコツ(時系列・根拠の特定):
できるだけ「いつ」「誰が」「何をした」「どうなった」の順で記載します。たとえば「2024年4月1日、債権者Aから督促状が送付」「2024年4月15日、執行官Bが口座照会」など時系列で並べると、読み手が状況を把握しやすくなります。
3-3 主張の構成と法的根拠の示し方(適用条文・判例の引用方法):
法的主張を行う場合、該当する法令名(例:民事執行法)や判例を簡潔に引用します。ただし、判例を挙げる場合は事案の類似点を明示し、単に条文名や判例名を並べるだけでなく「なぜそれがここに当てはまるか」を具体的に説明します。
3-4 誤解を招かない表現と論理展開のコツ:
主観的な感情表現は避け、数字や日付、証拠で裏付けられる事実を中心に述べます。「約~」「おそらく」といった曖昧表現は信頼性を落とすので極力避け、推測は補足として明示する程度にします。
3-5 証拠の添付と証拠リストの作成:
添付する資料は番号を振り、本文中で「(添付資料1:給与明細2024年4月)」と参照できるようにします。証拠リストは表形式にして、項目名・作成年月日・出所を明示すると親切です。
3-6 書式・形式の注意点(署名・日付・押印、ページ番号、文体):
紙で提出する場合は署名・日付を忘れずに。押印を求められる場合もあります。ページ番号や添付資料の枚数記載も標準的です。文体は丁寧語で、箇条書きを適度に使い読みやすくします。
3-7 模範テンプレート(簡潔版)と活用ポイント:
以下は基本的なテンプレの例です。提出前に、事件番号や提出先を通知書に合わせて修正してください。
(テンプレート例)
- 書面タイトル:陳述書(事件番号:○○)
- 提出先:○○地方裁判所執行部 様
- 提出者:氏名、住所、生年月日、連絡先
- 本文:
1. はじめに(自分が誰か、差押え対象)
2. 事実の経緯(時系列)
3. 反論・事情説明(具体的な主張)
4. 添付証拠一覧
- 日付・署名・押印
3-8 体験談:実際に使ったテンプレの工夫点
私が友人のために作成したときは、「生活費の内訳」を表で示し、家族構成や定期支出を明確にしました。これだけで執行官の理解が深まり、差押えの範囲が一時的に緩和されたことがあります。数字と資料で説得力を持たせるのがポイントです。
4. 実務上の注意点とリスク・対策 — 失敗しないためのチェックリスト
陳述書提出は大事な一手ですが、落とし穴もあります。ここでは具体的なリスクとその対策を整理します。
4-1 虚偽・誤記のリスクとその影響:
意図的な虚偽は法的責任につながるほか、裁判所に信用されなくなりその後の主張が退けられる原因になります。誤記(数字の間違い、日付の誤り)も誤認を招くため、必ず複数人で読み合わせ、証拠と照合してから提出しましょう。
4-2 提出期限の厳守と遅延時の対応:
期限は厳格に守ること。遅れた場合は事情説明を添えて速やかに提出し、可能なら執行官に直接連絡して事情を説明します。遅延が致命的な場合は異議申立てや仮処分を検討する必要があります。
4-3 弁護士・司法書士に相談すべきケースの判断基準:
金額が大きい、複雑な所有関係、不動産差押え、執行停止が必要な緊急度が高い場合は専門家に相談してください。弁護士は法的争点整理や裁判所対応を任せられ、司法書士は書面・登記手続きなどで支援できます。
4-4 個人情報・開示情報の取り扱いとプライバシー保護:
通帳や給与明細など個人情報を含む証拠はコピーの必要最小限に留め、コピー箇所にマスキングをするなど配慮しましょう。提出時に公開範囲を確認し、必要以上の情報を出さないことが重要です。
4-5 手続き費用・負担の見積もりと資金計画:
陳述書自体に大きな費用はかかりませんが、専門家に依頼すると報酬が発生します。弁護士報酬は事案により差がありますが、初回相談で目安を聞き、費用対効果を考えて判断してください。
4-6 取消・修正・撤回の方法と条件:
提出後に事実誤認があった場合、速やかに訂正陳述書を提出して事情を説明します。重大な変更がある場合は、補足証拠を添付し、可能であれば担当執行官へ事前説明を行うと効果的です。
4-7 実務上のトラブルシューティング(補足資料要求への対応):
執行官から追加資料を求められたら、速やかに対応すること。応答が遅れると執行が進んでしまうため、求められた資料は可能な限り期限内に提出しましょう。提出が難しい場合は事情説明を行い、代替資料の提示を検討します。
実務の注意点(補助的アドバイス):
誤字や形式の乱れで印象が悪くなることがあるため、提出前にPDF化して全体を見直すのがおすすめです。私自身、過去に見落としが原因で補足を求められた経験があり、最終的に追加資料で解決しましたが、最初からきれいに整えておけば手間を減らせます。
5. ケース別の対応とよくある質問 — 給与・口座・不動産別に解説
ここでは具体的な差押えの典型ケースごとに、陳述書で押さえるべきポイントをわかりやすくまとめます。
5-1 給与差押えがかかった場合の陳述書の位置づけとポイント:
給与差押えは生活への影響が大きいため、家族構成、扶養者、毎月の固定支出(家賃、教育費、医療費など)を明確に示すことが重要です。給与差押えには法定の差押え可能割合がありますが、個別事情(最低生活費)を示すことで執行官に配慮を求める余地があります。
5-2 銀行口座差押えへの対応と陳述書の活用:
口座差押えでは「その口座の資金が第三者のものである」「同居家族の生活費のための口座である」などを主張することがあります。通帳の名義、入金履歴、振込元の明細などで所有関係や資金の出所を示し、誤って差押えられた旨を説明します。
5-3 不動産差押え時の留意点と提出内容:
不動産差押えでは権利関係(所有名義、抵当権の有無、占有者など)や生活上の重要性(居住用不動産であるかどうか)をしっかり示します。登記簿謄本や賃貸契約書、居住実態を証明する書類を添付し、除外や代替方法の提案(部分差押えなど)を行うとよいでしょう。
5-4 反対陳述書の作成要件・提出タイミング:
反対陳述書は差押えに対する明確な反論を記載するものです。主張は具体的に、証拠を付けて行いましょう。タイミングは差押え通知受領後できるだけ早く。場合によっては裁判所での異議申立てへ進むこともあります。
5-5 借金と法的リスクが関係するケースの実務:
借金や債務整理中の方は、陳述書で既に手続き中である旨(債務整理の受任通知や自己破産・個人再生の申立て状況)を示すと、執行の停止や調整が図られることがあります。手続き中である証明書類を添付してください。
5-6 よくある質問(Q&A形式):
Q1: 陳述書は誰でも作れる?
A: はい。ただし法的主張が含まれる場合は専門家に確認することをおすすめします。
Q2: 電話で事情を説明すれば十分?
A: 口頭説明だけでは記録が残らないため、必ず文書(陳述書)で提出する方が確実です。
Q3: 提出すると執行は必ず止まる?
A: いいえ。提出は審査材料になるが、停止が認められるかは内容と証拠次第です。
5-7 専門家相談の目安(司法書士・弁護士の役割):
単純な事実説明や書面作成の補助は司法書士でも対応可能ですが、執行停止・異議申立てなど法的争点が大きければ弁護士に相談してください。緊急性が高い場合は早めに初回相談を行い、方針を決めるのが安全です。
補足:地域差と裁判所ごとの取り扱い
地方裁判所や簡易裁判所、執行官事務所で若干の運用差があります。東京地方裁判所・大阪地方裁判所など大規模裁判所は対応窓口が整備されていますが、具体的な提出方法やフォームは各裁判所の案内に従ってください。
6. 陳述書の実例(テンプレート詳解) — 使えるサンプルと解説
ここでは実際に使える陳述書の詳しいサンプルを示します。提出前に必ず自分の事情に合わせて修正し、証拠を添付してください。
(詳しいテンプレート:陳述書サンプル)
- 書面上部:事件番号・事件名(通知に記載のとおり)
- 提出先:○○地方裁判所執行部 御中
- 提出者:氏名・住所・生年月日・電話番号
- 件名:陳述書(反対陳述を含む場合は「反対陳述書」)
- 本文:
第1:私は○○(記載)であり、本件差押えについて次のとおり陳述します。
第2:事実経過(年・月・日を明記)
第3:争点と私の主張(所有関係、資金の出所、生活状況等)
第4:証拠(通帳コピー、給与明細、住民票、領収書等)を別紙にて添付
以上
- 日付・署名・押印
- 添付資料一覧(添付資料1~n)
解説ポイント:
「第3:争点と私の主張」では一文ごとに簡潔に要点を述べ、証拠を紐づけて書くこと。たとえば「原告Aの主張する債権は既に弁済済みである(添付資料3:振込受領書)」のようにすると読み手に伝わりやすいです。
私の体験談:
テンプレを使った際、証拠に抜けがあって追加提出を求められました。最初からチェックリストを作り、コピー・オリジナルの区別を明確にすることで二度手間を防げます。
7. よくあるミスと回避法 — これだけはやらないで!
提出時によくあるミスとその防止法をまとめます。
- ミス1:証拠が不十分 → 回避:主要主張ごとに最低1つの裏付けを用意
- ミス2:時系列がバラバラで分かりにくい → 回避:年→月→日の順で整理する
- ミス3:個人情報を過剰に添付 → 回避:必要な範囲に限定し、不要情報はマスキング
- ミス4:期限ギリギリに準備 → 回避:受領後即行動、執行官に予備連絡を入れる
- ミス5:法的主張を専門家なしで深掘りしすぎる → 回避:争点が法的に複雑なら弁護士相談を検討
8. FAQ(よくある質問) — さらに詳しく短く答えます
Q: 陳述書は無料で作れる?
A: 自分で作成する分には無料です。専門家に依頼すると報酬が発生します。
Q: 提出先で形式を指定されたら?
A: 指定に従ってください。町の書式で足りる場合もあれば、裁判所指定のフォーマットがある場合もあります。
Q: 反対陳述書を書いたら相手に知られる?
A: 基本的に当事者間で手続きの情報は共有されます。反対陳述が行われたこと自体は債権者に知られることが一般的です。
Q: 陳述書を書くだけで執行が止まることはある?
A: 内容と証拠次第で可能性はありますが、確実ではありません。必要があれば同時に執行停止申立てなどの法的措置をとることが考えられます。
9. まとめ:重要ポイントの振り返りと次の一歩
- 陳述書はあなたの事情を丁寧に説明するための重要な書面です。
- 提出は早めに、事実は時系列と証拠で示す。曖昧表現は避けること。
- 給与・口座・不動産それぞれで押さえるべきポイントが違うため、ケースに応じた資料を揃えること。
- 虚偽記載はリスク大。必要なら弁護士・司法書士に相談を。
- 提出後も補足要求に迅速に対応することで執行の不利益を避けられる可能性が高まる。
個人再生 周りにバレるのを防ぐ完全ガイド|秘密を守りつつ手続きを進める方法
最後に一言:通知を受けたら「考える前に動く」こと。タイミングを逃すと取り返しがつかないこともあります。まずは通知の写しを用意して、本文のテンプレに沿って事実を書き出してみましょう。必要なら専門家に相談して、冷静に最善策を選んでください。
出典・参考文献(この記事で参照した主な公的情報源・参考資料):
- 民事執行法(日本の法令解説ページ)
- 裁判所ウェブサイト(執行手続き・差押えに関する案内)
- 日本司法支援センター(法テラス)による手続き案内
- 地方裁判所の執行部窓口案内(例:東京地方裁判所・大阪地方裁判所の執行に関するページ)
(注)具体的な提出期限や様式、運用は裁判所や執行官により異なります。実務での対応を行う際は、受け取った通知書の指示と該当する裁判所の最新案内を必ず確認してください。