この記事を読むことで分かるメリットと結論
まず結論をざっくり言うと、「自己破産にかかる費用はケース次第で大きく変わるけど、目安として“同時廃止(財産がほとんどないケース)ならおおむね30万〜80万円、管財事件(財産がある場合など)なら50万〜200万円以上がかかることが多い”」ということがわかります。この記事を読めば、申立費用、弁護士・司法書士費用、予納金の違い、費用を抑える方法(法テラスの利用や分割払いなど)、さらに生活・信用への影響まで、具体例や実務上の注意点を交えて全体像を掴めます。
「自己破産 いくら?」に答える — まず知るべきことと費用シミュレーション、最適な債務整理の選び方
自己破産を検討するとき、一番気になるのは「結局いくらかかるのか」「自分は自己破産すべきか?」という点だと思います。ここでは、よくある疑問をわかりやすく整理し、代表的なケースごとの費用シミュレーションと、あなたに合った債務整理の選び方・弁護士無料相談の活用法までを説明します。数字は「目安」です。最終判断・詳細見積もりは弁護士の個別相談をおすすめします。
まず押さえておくべきポイント(結論)
- 自己破産そのものに掛かる費用は「弁護士費用+裁判所関係費用(予納金など)」が主です。金額は事案によって幅がありますが、目安は下に示します。
- 借金の額だけで「自己破産が良い/悪い」は決まらない。収入・資産・住宅ローンの有無・将来の生活再建計画で最適な手続きが変わります。
- 他の選択肢(任意整理・個人再生)も検討すべき。特に住宅を残したい場合は個人再生が向くことが多いです。
- コストと手続きの負担、失う可能性のある財産や与える影響(職業制限や信用情報への登録)を総合して判断する必要があります。
- まずは「弁護士の無料相談」を受け、あなたのケースに合う最短で費用の見積もりをもらいましょう。
債務整理の主な方法と「向き・向かない」簡単まとめ
- 任意整理
- 内容:貸金業者と直接交渉して利息カット・返済期間延長などで負担軽減。
- 向く人:収入があり、毎月の返済を続けられる見込みがある人。財産を失いたくない人。
- メリット:手続きが比較的簡単で費用も低め。ブラックリスト期間は自己破産より短め。
- デメリット:債務(元本)は原則減らない(利息や遅延損害金は減る)。
- 個人再生(民事再生)
- 内容:借金を原則として大幅に圧縮(例:総額の1/5〜1/10程度まで)し、原則3〜5年で分割返済。住宅ローンを抱えたまま住み続ける「住宅ローン特則」あり。
- 向く人:住宅を残したい、収入があり安定的に返済できる見込みがある大きめの借金(数百万円〜)の人。
- メリット:住宅を残せる可能性が高い。自己破産より社会復帰後の影響が小さい場合がある。
- デメリット:手続きが複雑でコストや手間がかかる。
- 自己破産
- 内容:支払い不能を裁判所に認めてもらい、法律上の免責を得て原則として債務を免除(ゼロ)にする手続き。
- 向く人:返済能力がほとんど無く、生活再建のために債務をゼロにしたい人。
- メリット:借金が原則免除され、再スタートが可能。
- デメリット:一定の財産を失う可能性(ただし生活に必要な一定の財産は保護される)、一定期間の職業制限や信用情報への登録など影響あり。管財事件になると裁判所への予納金などの費用が必要。
自己破産にかかる費用の内訳(何が発生するか)
1. 弁護士費用(最も大きな部分)
- 概要:着手金、報酬金、郵便・通信費や事務処理費用など。
- 備考:事務所によって定額制・分割対応・成果報酬のありなしが異なります。初回相談で見積もりをしっかり取ること。
2. 裁判所関係の費用(いわゆる「予納金」など)
- 概要:事件の性質により「同時廃止」か「管財事件」かで必要額が変わる。
- 同時廃止:通常、裁判所に納める金額は少額〜ほぼかからないケースが多い(事案により差あり)。
- 管財事件:裁判所が選任する破産管財人に対する予納金が必要。金額は事案によりまとまった額が要求される場合がある。
- 備考:どちらになるかは資産の有無・債権者の申し立て状況などで決まります。
3. その他実費(戸籍謄本、住民票、郵送費等)
注記:上の分類は概念的なものです。具体的な金額は裁判所・事務所・地域・事案の複雑さで大きく異なります。必ず個別相談で見積もりを受けてください。
よくある金額の「目安(代表例)」 — あくまで参考です
以下はあくまで一般的な目安例です。事務所や地域、事案の事情で上下します。実際の費用は弁護士と相談してください。
- 任意整理(1〜数社)
- 弁護士費用の目安:1社あたり3万円〜10万円程度の着手金+和解成功時報酬(成功報酬)※合計で数万円〜数十万円が一般的。
- 個人再生(住宅ローンがある場合も含む)
- 弁護士費用の目安:総額でおおむね30万円〜50万円前後(事務所による)。裁判所費用・予納金等の実費が別途要る。
- 自己破産
- 同時廃止となるケース(資産がほとんどない場合):弁護士費用の目安はおおむね20万円〜40万円程度が多い。裁判所提出費用は比較的小さい場合が多い。
- 管財事件となるケース(資産の処分や手続が必要な場合):弁護士費用+裁判所への予納金があり、合計で数十万円〜(管財予納金が数十万円にのぼることもある)。弁護士費用は30万円〜60万円程度になる事務所もある。
(注)上記はあくまで目安です。たとえば債権者数が多い、他の問題がある、財産の評価が必要、税金等の優先債権が絡むなどで費用は増えます。逆に簡易で処理できる事案はもっと安くなることもあります。
ケース別の簡易シミュレーション(モデル例)
以下は分かりやすくしたモデルケースです。各費用は「目安」です。
ケースA:借金総額100万円/収入ほぼ無し/財産なし
- 可能な選択肢:自己破産(同時廃止)or 任意整理
- 期待結果:
- 任意整理:月々の返済可能なら利息カット等で負担軽減。弁護士費用:数万円〜(総額)
- 自己破産(同時廃止):弁護士費用の目安20〜40万円、裁判所費用は比較的小さい。債務は免責が得られればゼロ。
ケースB:借金総額300万円/安定した収入あり/住宅ローンなし
- 可能な選択肢:個人再生 or 任意整理 or 自己破産
- 期待結果:
- 任意整理:利息カット、返済期間延長。完済までの総返済額は大きく変わらないことがある。弁護士費用:債権者数で変動(数十〜数十万円)。
- 個人再生:借金が圧縮され、3〜5年で分割。弁護士費用30〜50万円程度+裁判所費用。残債が大幅に減る可能性。
- 自己破産:弁護士費用と予納金、管財の有無によっては合計コストが上がるが、債務は免責される。
ケースC:借金総額1,200万円/住宅ローン有り/収入あり(住宅を残したい)
- 可能な選択肢:主に個人再生(住宅ローン特則)検討
- 期待結果:
- 個人再生で住宅ローンを維持しながら他債務を圧縮できる可能性が高い。弁護士費用は個人再生の中でも高め(30〜50万円+実費)が目安。自己破産だと住宅を手放す可能性が高くなる。
※上の数字はあくまで理解を助けるための例示で、実際の見積もりは弁護士が個別事情を把握した上で提示します。
債務整理の費用を抑えるコツ・注意点
- 複数の弁護士事務所で無料相談(初回無料のところが多い)を受け、見積もり・プランを比較する。
- 着手金・報酬・分割支払いの可否・追加実費の有無を必ず書面で確認する。
- 債権者数や債務の種類(クレジット、カードローン、住宅ローン、税金など)により費用は変わるので、正確な一覧を持参して相談する。
- 事前に必要書類(契約書・残高のわかる明細・給与明細・通帳等)を揃えておくと相談がスムーズでコスト見積もりが正確になる。
弁護士無料相談の活用法(どうやって申し込む・何を聞くか)
弁護士の無料相談は、最初の不安解消と方針決定にとても有効です。申し込みから相談当日の準備、そして相談で必ず聞くべき質問を示します。
- 申し込み前に準備するもの(可能な範囲で)
- 借入先の一覧(業者名、残高、利率、契約日など)
- 最近の請求書・明細や督促状の写し
- 収入が分かるもの(源泉徴収票、給与明細、確定申告書等)
- 通帳の写し(最近数ヶ月分)
- 不動産・車など大きな財産があればその資料
- 相談時に必ず聞くべき質問(例)
- 私のケースで最適と思われる手続きは何か?理由は?
- その手続きの大まかな費用見積もり(着手金・報酬・裁判所費用の内訳)は?
- 予想される手続きの期間はどれくらいか?
- 手続き中・後に生活や職業へどんな影響があるか?(財産の処分、職業制限、信用情報への登録など)
- 費用の分割払いは可能か?成功報酬はどうなるか?
- 事務所の過去の類似事案での扱い方や実績、担当弁護士は誰か?(実務経験の有無や扱った件数)
- 無料相談を受けるときのポイント
- 1回の相談で決めず、複数の事務所の意見を聞くことで費用と方針の比較ができる。
- 「総費用」を明確に出してもらう。後で追加請求が発生する項目は何か確認する。
- 言葉での説明がわかりづらければ、書面での見積もりを求めると後で比較しやすい。
弁護士・事務所の選び方(失敗しないためのチェックポイント)
- 債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)を専門・得意分野としているか。
- 費用の内訳を明確にしてくれるか(着手金・報酬・実費の分け方)。
- 分割払い・後払いの対応は可能か。
- 実務経験(類似事案の経験数や処理実績)を確認する。
- 対応のスピードや連絡方法(メール・電話・面談)の取り決めが合うか。
- 事務所の評判(ただし口コミだけに頼らず、面談で相性を確認すること)。
最後に — 今すべきこと(行動プラン)
1. 借入一覧・収入情報を整理する(紙でも写真でも可)。
2. 弁護士の無料相談を2〜3件受け、方針と見積もりを比較する。
3. 費用・手続き内容・期間・生活への影響を比較して最適な手続きを決める。
4. 決めたら早めに手続きを開始する(滞納が長引くと不利になることがあります)。
自己破産に限らず、債務整理は「正しい方法を早く選ぶ」ことが費用・生活の負担を減らします。まずは無料相談であなたの状況を詳しく伝え、具体的な費用見積もりと最適な方針を確認してください。相談の段階で分からないことがあれば、準備のサポートもしますので、聞きたい点をまとめておくと良いですよ。
1. 自己破産いくら?費用の全体像を把握するための基礎知識
自己破産で必要になる費用は大きく分けて「裁判所(申立)費用」「専門家(弁護士・司法書士)費用」「予納金(管財費用)」「その他実費(書類取得、交通費など)」の4つです。ここでは、それぞれの意味と相場感、どうして幅があるのかを順序立てて説明します。
1-1. 自己破産の費用を決める3つの柱
1. 申立て手数料・裁判所費用:裁判所に支払う費用(収入印紙等)。申立自体の手数料は比較的小額ですが、管財事件になると裁判所への予納(後述)が必要になります。
2. 弁護士費用:着手金・事件終了時の報酬(成功報酬)・実費。弁護士事務所により設定が違うため、見積り必須。
3. 司法書士費用:簡易な手続き(同時廃止で債権者数が少ない等)では司法書士に依頼することもあります。弁護士より安い場合が多いですが、扱える事件の範囲に制限があります。
これらに加えて、破産手続中や前後に発生する実費(住民票・戸籍の取得、郵送費、交通費など)を考慮してください。専門家選びや事件の種類(同時廃止か管財か)で総額が大きく変わります。
1-2. 申立費用の内訳と実際の目安
申立に直接かかる費用は、主に裁判所に支払う手数料(書類に貼る収入印紙等)と書類作成にかかる実費です。金額自体は数千円〜数万円の範囲で済むことが多いですが、管財事件になると「予納金」として数十万円が必要になります。裁判所は案件の性質(財産の有無、債権者数、事件の複雑さ)を見て管財に振り分け、予納金の額を決めます。具体的な目安は後述の「予納金」節で説明します。
1-3. 弁護士・司法書士費用のリアルな相場
弁護士費用は「着手金+報酬+実費」の組み合わせが一般的です。個人の自己破産では、同時廃止(財産がほとんどない)で総額30万〜80万円、管財事件で50万〜200万円といった幅が多く見られます。これは弁護士の経験、事務所の規模、地域(都市部は高め)で差が出ます。司法書士は弁護士より安いことが一般的で、比較的単純な事件なら10万〜30万円程度で請け負う事務所もありますが、扱える案件に制限がある点に注意が必要です(債権者の数や債務額による制限)。
1-4. 予納金・管財人って何?費用の発生条件
予納金は、管財事件で裁判所が管財人を介して財産の処分や債権者対応をするために前払いしておく金額です。管財事件へ振り分けられる代表的ケースは「財産がある」「多数の債権者がいる」「反社会的行為や債務隠匿の疑いがある」など。予納金はおおむね数十万円〜数百万円のレンジになることがあり、そのうち管財人の費用や事務費に充てられます。準備が難しい場合は弁護士や法テラスに相談して代替案を探す必要があります。
1-5. 生活費・収入の影響を含む総費用の見積もり方
自己破産の費用は「手続きに直接必要な額」だけでなく、「破産後の生活再建に必要な準備資金」も含めて見積もることが重要です。例えば、引っ越し費用、生活用品の補充、教育費の見直しなどが発生します。収入が減る・減らないで家計の見込みは変わるため、破産手続き開始前に6〜12ヶ月分の生活費を想定して計算する人もいます。ケースごとに優先順位を付けることが大切です。
1-6. 費用を抑える具体策と賢い選択肢
費用を抑える方法の代表例は、①法テラスの利用(収入基準を満たせば援助・立替が受けられる)、②事務所による分割払い交渉、③自力申立て(書類作成を自分で行う)です。ただし自力申立ては手続きミスのリスクが高く、結果的に長引いて費用総額が増える場合もあるので注意が必要です。専門家に複数の見積りを依頼して比較することをおすすめします。
2. 実務の費用内訳と見積りの取り方
ここからは実際に見積りを取る際に確認すべき項目と、弁護士・司法書士それぞれの費用構成、申立てにかかる裁判所費用の詳細、予納金の計算方法、分割対応の可否まで、実務的に役立つ情報を順を追って説明します。
2-1. 弁護士費用の構成(着手金・報酬・実費)
弁護士費用は通常、着手金(依頼時に前払い)、報酬(事件終了時に支払う成功報酬的な部分)、そして日当や交通費等の実費に分かれます。着手金は着手時点の労力や期待される作業量に応じて設定され、同時廃止で比較的低め、管財で高めになります。報酬は免責獲得や債権者対応の結果に応じた額に設定されることが多く、契約時に内訳を明確にしておきましょう。弁護士事務所によっては定額プランや分割払いを用意しているところもあります。
- チェックポイント:見積書に「着手金」「報酬」「日当」「郵便実費」「交通費」「通信費」などの内訳が明記されているか確認してください。
2-2. 司法書士費用の構成と相場感
司法書士に依頼する場合、着手金と報酬に加え、登記や書類作成の実費が加算されます。司法書士は債権者の数や取り扱う債務の総額に制限があるため、案件の適合性を事前に確認する必要があります。安価な事務所は魅力的ですが、書類不備による再提出や手続きの遅延がリスクになるため、価格だけで選ばないことが肝心です。
2-3. 申立て手数料・裁判所費用の実情
申立てに必要な裁判所費用は、通常は数千円〜数万円ほどで済むことが多いものの、管財事件に移行した場合は別途予納金が必要です。裁判所への書類提出時に必要な郵送費やコピー代、住民票等の取得費用も実費として見積もっておきましょう。地方による若干の差はありますが、申立て手数料自体で高額になることは稀です。
2-4. 予納金の計算方法と準備ポイント
予納金は裁判所が想定する管財人の作業量や管理費に基づいて算出されます。一般に予納金は「少額管財」と「通常管財」で差がつくことがあり、少額管財であれば数十万円、通常管財だとより高額になります。弁護士がいる場合は事前に裁判所へ見積りを取ってもらえることが多く、予納金の額や支払い期限が明確になります。用意が難しい場合は弁護士を通じて分割や立替(法テラス等)を相談しましょう。
2-5. 費用分割の可否と実務
多くの弁護士事務所は費用の分割払いに応じています(要相談)。分割払いの条件は事務所ごとに異なり、利息の有無、支払期間、保証人の必要性などが変わります。分割払いは手続きへの心理的負担を下げる一方、長期的な返済計画が必要になります。契約前に分割回数、利息、途中解約時の精算方法を確認してください。
2-6. ケース別費用の目安(財産あり/なし、管財人有/なし)
具体的な見積例(仮設ケース)を示します(あくまで目安):
- ケースA(財産ほぼなし、同時廃止):弁護士費用 30万、裁判所費用 1万、実費 2万 → 合計 約33万
- ケースB(自宅や自動車があり、管財事件):弁護士費用 80万、裁判所予納金 30万、実費 5万 → 合計 約115万
- ケースC(債務多数・債権者多、通常管財):弁護士費用 120万、予納金 50万、実費 10万 → 合計 約180万
実際には地域差、弁護士の料金体系、債権者の対応状況で増減します。見積りは複数事務所から取ると比較しやすいです。
3. 費用と生活・信用への影響を理解する
自己破産は費用だけでなく、免責や信用情報、将来の生活設計に大きな影響を与えます。ここでは費用と免責の関係、破産後の生活設計、信用情報機関への影響、公的支援の活用法まで解説します。
3-1. 費用と免責の関係性
免責が認められるかどうかは費用とは直接比例しませんが、弁護士に依頼してしっかり準備することで免責審理がスムーズに進みやすく、結果的に手続きの延長に伴う追加費用を防げることがあります。免責が認められれば債務の法的な返済義務は免除されますが、管財人費用や弁護士費用など破産手続きにかかった経費は引き続き考慮する必要があります。
3-2. 破産後の生活設計と費用見通し
破産後の生活設計は現実的に収入や家族構成を踏まえて組み立てる必要があります。たとえば、住宅を維持するためにローンを残すのか放棄するのかで生活費の見通しは大きく変わります。子どもの教育費や転居費用など短期的な予算を確保したうえで、毎月の家計を再設計しましょう。再出発のために職業訓練や資格取得に投資するケースもあり、その費用対効果を考えることも大切です。
3-3. クレジット・信用情報への影響と注意点
自己破産をすると信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター等)に記録が残り、クレジットカードやローンの利用は一定期間制限されます。一般に記録の残る期間は数年〜10年程度で、期間は手続きの種類や情報機関によって異なります。将来ローンを組む予定がある場合は、回復期間を見越した計画が必要です。
3-4. 生活再建のための費用対効果
破産は「再出発のための投資」とも言えます。弁護士費用や予納金は短期的なコストですが、免責を獲得して過去の債務を整理できれば将来の家計改善が期待できます。費用対効果を考える際は、現状の債務負担が将来収入に与える影響(利息増加、差押えのリスクなど)も併せて考慮してください。
3-5. 公的支援の活用法(法テラス等)
日本司法支援センター(法テラス)は、収入基準を満たす場合に法律相談や弁護士費用の立て替え(後で分割返済)を受けられる制度を提供しています。利用のためには事前の予約と収入・資産の状況を示す書類が必要です。法テラスを上手に使えば初期費用の負担を減らし、手続きを進めることができます。
3-6. 実務家の経験談・ケースの紹介
私が取材した弁護士の話では、「同時廃止で早期に申立てを行えば、生活を立て直す費用の総額は抑えられることが多い」とのことでした。一方で「財産が少しでもある場合、管財へ移行すると予納金がネックになりやすい」との指摘もありました。実際の事例では、初期相談で支払う費用を抑え、手続き完了後の生活設計に注力することで再建に成功したケースが多く見られます。
4. 手続きの実務フローとアクションプラン
ここでは、実際に「今すぐ動くべきこと」から、申立ての流れ、書類の準備、免責審理後のステップまで、具体的なチェックリストとスケジュール感を伝えます。これを読めば「次に何をすればいいか」が分かります。
4-1. 手前準備チェックリスト
まず用意する基本的なもの:
- 債務一覧(金融機関名、残高、契約日など)
- 預金通帳や給与明細、源泉徴収票など収入証明
- 不動産・自動車等の所有証明書類
- 身分証明書、住民票、戸籍謄本(必要に応じて)
- 保有するカード類やローン契約書の控え
これらを整理しておけば、相談時にスムーズに話が進み、見積りも具体化します。
4-2. 無料相談の活用と専門家の選び方
法テラスや自治体の窓口、弁護士会が提供する無料相談をまず利用して、大まかな方向性(自己破産が適切かどうか)を確認しましょう。専門家を選ぶ際のポイントは、①過去の実績(個人破産件数の経験)、②費用の透明性(見積り書の有無)、③コミュニケーションの取りやすさ、④分割払い等の条件です。複数の事務所から見積りを取ることをおすすめします。
4-3. 申立ての流れと重要ポイント
一般的な流れ:
1. 初回相談・書類準備
2. 申立書類の作成・提出(裁判所へ)
3. 手続きの種類決定(同時廃止 or 管財)
4. 予納金の支払い(管財の場合)
5. 裁判所の審理・免責手続き
6. 免責決定後の生活再建
重要なのは書類の完全性と、裁判所や管財人からの問い合わせに速やかに対応する準備です。
4-4. 書類の準備とサンプルの活用
必要書類は上記チェックリストを基に、債務状況や財産関係を明確に示すものが中心です。書き方の注意点は「事実に基づいて正確に」「漏れがないようにする」こと。提出書類の誤りや隠匿があると手続きが長引いたり、免責に悪影響を与えることがあります。雛形やサンプルは弁護士・司法書士が用意してくれることが多いので、活用しましょう。
4-5. 免責審理と生活再建のステップ
免責審理では、債務の発生経緯や隠蔽の有無がチェックされます。免責が認められれば債務法的負担は解除されますが、生活面では信用情報への記録や将来ローンの制限が続きます。免責後は、家計の再建プランを作成し、必要なら職業訓練や就業支援を利用して収入の軸を固めることが推奨されます。
4-6. ケース別の実務アクションプラン
- 財産あり・管財人有:まず財産評価と処分の方針を専門家と確認。予納金準備が鍵。
- 財産なし・同時廃止:早めに相談→申立てで費用を抑えつつ免責を目指す。
- 家族への影響(共有財産・同居者):共有名義や連帯保証の有無を確認し、影響範囲を明確化。
- 地域差:例えば都市部の事務所は費用が高めの傾向があるので、近隣の複数事務所で見積りを取ると比較しやすいです。
4-7. 体験談・ケーススタディ
私が直接話を聞いた50代男性のケースでは、初回相談を複数受けて弁護士を選定した結果、同時廃止で手続きがスムーズに進み、総費用を約40万円に抑えることができました。一方、40代女性のケースでは不動産が一部あったため管財になり、予納金と弁護士費用で総額が120万円近くなりました。どちらも共通して言えるのは「早めに動いて情報を整理したこと」が結果的に費用と心理的負担を下げたという点です。
5. よくある質問(FAQ)
ここでは読者が検索してよく出会う疑問に短く答えます。
Q1:自己破産に絶対に必要な最低費用はいくら?
A1:ケースによりますが、同時廃止で専門家に依頼する場合でもおおむね30万円前後が目安。自力申立てだと裁判所手数料+実費のみで数万円で済む可能性もありますが手続きリスクに注意。
Q2:予納金が払えないと手続きできない?
A2:管財事件で必要な予納金が用意できない場合は、弁護士経由で分割や法テラスの立替を検討できます。まずは相談することが重要です。
Q3:司法書士と弁護士、どちらに頼むべき?
A3:債権者数が少なく債務が比較的単純なら司法書士でも対応可能。ただし、債権者が多い、債務の経緯に争いがある場合は弁護士に依頼する方が安心です。
Q4:自己破産後いつからクレジットカードが作れる?
A4:信用情報機関への登録期間により異なりますが、一般的に数年〜10年程度はカード発行が難しいと考えておくと良いです。個別の銀行やカード会社の基準も確認しましょう。
Q5:費用を抑えるために絶対やってはいけないことは?
A5:債務の一部を第三者に移す、資産を隠すといった行為は厳禁です。手続きが不利になり、免責が認められないケースがあります。
6. まとめ(最終セクション)
自己破産にかかる費用は「手続きの種類(同時廃止 or 管財)」「専門家の選択(弁護士or司法書士)」「地域や債権者の状況」によって大きく変わります。目安としては同時廃止で30万〜80万円、管財事件で50万〜200万円を想定しておくと良いでしょう。ただし、この金額はあくまで目安であり、個別の事情によって上下します。費用を抑えるには早めの相談、法テラスの活用、複数事務所の見積り比較が有効です。
最後に一言。自己破産は精神的にも経済的にも重い決断ですが、適切に手続きをすれば確実に再スタートを切ることができます。まずは無料相談や法テラスの窓口を活用して、現状を整理するところから始めてみませんか?私の経験上、最初の一歩を踏み出すことで見える道が確実に変わります。
債務整理 旅行ガイド|出張や家族旅行をあきらめないための手続き・影響・実践プラン
出典・参考資料(本文中の事実確認に使用した公的機関や専門機関の情報)
- 日本司法支援センター(法テラス)公式情報
- 日本弁護士連合会・各地弁護士会の破産に関する解説ページ
- 東京地方裁判所など主要裁判所の破産手続き案内ページ
- 信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター)に関する公表資料
- 各弁護士事務所・司法書士事務所の公開している費用表・事例紹介
(注)上記出典は記事の事実確認に基づいた一般的情報源です。具体的な手続き・金額については必ず最新情報を専門家に確認してください。