この記事を読むことで分かるメリットと結論
まず結論:住宅ローンを滞納していても、条件がそろえば「個人再生(住宅ローン特則)」を使って家を残すことは可能です。ただし、住宅ローン自体は原則として再生計画の対象から外れるため、「ローンは払い続ける」ことが前提になります。重要なのは、ローンの延滞(滞納)額・滞納期間・貸主(金融機関)の対応、そして再生計画で整理する他の債務の規模。このページでは、手続きの流れ、必要書類、費用の目安、任意売却や自己破産との比較、現実的な判断基準、そして今すぐできる準備まで、実例と専門家の見解を交えて具体的にお伝えします。読むだけで次の一歩が明確になりますよ。
「個人再生」と住宅ローン滞納──家を残したい人のための現実的な道筋と費用シミュレーション
住宅ローンを滞納してしまい、「家は残したい」「でも借金も苦しい」──そんなとき、代表的な解決策の一つが「個人再生(個人民事再生)」です。本記事では、検索キーワード「個人再生 住宅ローン 滞納」で情報を探している方に向けて、
- 個人再生がどんな手続きか(住宅ローンとの関係を中心に)
- 他の選択肢(任意整理、自己破産、任意売却・競売など)との違い
- 手続きの流れ・所要期間の目安
- 現実的な費用・返済シミュレーションの例(分かりやすい数値モデル)
- 「どの弁護士に相談・依頼すべきか」の選び方と、無料弁護士相談を活用する理由
を、分かりやすく親しみやすい口調で解説します。最終的には「まず無料相談を予約するところ」まで自然につなげられるように設計しています。具体的な数字はあくまで目安です。状況によって結果や料金は変わるため、まずは弁護士による個別相談をおすすめします。
注意:以下は一般的な説明とシミュレーションです。最終判断は専門家による個別診断を必ず受けてください。
1) 個人再生とは?住宅ローン滞納のケースで何ができるか
- 個人再生は、裁判所の手続きで借金の一部を減らし、残りを原則3年(場合により延長可)の分割で支払う手続きです。
- 住宅ローンについては「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用できる場合があり、これを使うと住宅ローン(抵当権が設定された債務)を手続きの対象から外して住宅を維持したまま他の借金だけを整理できます。言い換えれば「住宅ローンはそのまま履行(通常どおり支払う)して、他の借金を減らす」方法です。
- そのため、家を残したい人にとって有力な選択肢になります。ただし、住宅ローンの滞納があっても必ず家を守れるわけではなく、手続きのタイミングや債権者(銀行)の対応、裁判所の判断によって結果が変わります。早めに弁護士に相談することが重要です。
(ここで重要なのは「住宅ローンを完全に免除できるわけではない」点と、「手続きのタイミングで強制執行(競売)に進んでいる場合の対応が変わる」点です。)
2) 他の債務整理法との違い(ざっくり比較)
- 任意整理
- 借金の利息や返済条件を債権者と交渉して見直す私的交渉。手続きは裁判所を介さない。
- 住宅ローンがある場合、ローンそのものを任意整理で減額するのは原則難しいため「家を残したいときの本筋の方法」にはならないことが多い。
- 個人再生(本文で説明)
- 住宅ローン特則を使えば家を残せる可能性が高い。ほかの借金を大幅に減らせる場合がある。
- 自己破産(免責)
- 借金の多くが免除される可能性が高いが、住宅ローンが残っている場合は原則として抵当権が実行されると家を失う可能性がある(例外的に住宅を維持する方法も限られる)。また、職業上の制限や社会的影響を考慮する必要がある。
- 任意売却 / 競売
- 住宅ローンの残高や延滞によっては競売にかかることがある。任意売却は競売より有利に売却できる可能性はあるが、売却しても残債が残る場合の処理が課題になる。
要点:家をどうしたいか(残したい or 手放してもよいか)でおすすめの手続きは変わります。家を残したいなら「個人再生」が候補に入る場合が多いです。
3) 個人再生の流れ(大まかなステップと目安期間)
1. 初回相談(弁護士) — 書類を準備して現状を整理
- 必要書類:債権者一覧(請求書・明細)、住宅ローン契約書・登記簿、給与明細・源泉徴収票、預金通帳、保険の情報など
- 所要時間の目安:予約~面談(即日~1週間程度)
2. 申立準備(書類作成・債権者調査)
- 弁護士が債権者の残高や財産価値を調査して申立書を作成
- 目安:2~6週間(事情や書類そろい具合により変動)
3. 裁判所に申立 → 受理 → 再生手続開始決定
- ここで「手続きが始まると」債権者からの取り立てや差押えは原則停止されます(ただし開始決定までは時間がかかる場合がある)。
- 目安:申立てから数週間~数ヶ月(裁判所の処理状況による)
4. 再生計画案の作成・債権者集会(場合により) → 裁判所の認可
- 再生計画が認可されれば、計画に従った返済スタート
- 目安:開始決定から認可まで3~6ヶ月程度が多い(ケースにより長短あり)
5. 支払期間(原則3年→事情によっては延長)
- 計画どおりに分割返済(給与の差押えなどがある場合は注意)。問題なく進めば完済で終了。
合計すると、着手から裁判所決定まで数ヶ月、完済まで通常3年程度が目安です。急いでいる場合でも手続き準備や裁判所処理時間は必要ですので、できるだけ早く弁護士に相談してください。
4) 費用の目安(弁護士費用+裁判所費用)とシミュレーション
費用は事務所や案件の複雑さで大きく変わります。以下はよくある目安と、分かりやすいシミュレーション例です。あくまで「目安・モデルケース」です。最終的な見積りは弁護士に確認してください。
- 弁護士費用(着手金+成功報酬)
- 一般的目安:30万円~70万円程度が多い(簡易な案件はこれより安く、複雑案件は高くなることがあります)。
- 内訳例:着手金10~30万円、計画認可時に報酬20~50万円などのケースがある。
- 裁判所手続経費(実費)
- 申立費用や郵券、登記関係の実費などで数万円~十数万円程度。
- その他費用
- 債権者調査の資料取得費、戸籍・登記事項証明書などの実費、司法書士費用(必要時)など。
※多くの法律事務所は初回相談を無料または低額にしており、そこでおおよその総費用見積りを出してくれます。まずは見積りを取るのが重要です。
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シミュレーション(モデルケース、目安)
ケースA:住宅を残したい。住宅ローン残高:3,000,000円(滞納あり)/ ほかの消費者ローン等合計:4,000,000円
- 個人再生での想定(モデル)
- 住宅ローン:住宅ローン特則を利用 → ローンはそのまま継続して支払う(債務自体は手続きの対象外)
- その他債務4,000,000円:再生計画で減額されて支払総額が例えば1,000,000~2,000,000円程度になるケースがある(事案次第)
- 月々の返済:再生計画で3年分割にすると、1,000,000円÷36か月=約27,800円/月(減額後の一例)
- 弁護士費用+裁判所費用:合計約40~60万円(目安)
ケースB:住宅ローン残高:20,000,000円(大きく滞納)/ほかの借金合計:8,000,000円
- 個人再生を選ぶ理由:住宅を残したいが、他債務が重い
- 他債務(8,000,000円)が大きく減額され、年収や資産状況によっては支払額を大幅に下げられる可能性あり
- ただし、ローン自体の条件(残高・延滞額・銀行との交渉)や住宅の担保価値によっては難しい場合がある
- 弁護士費用+実費:50~80万円程度が目安(案件の複雑性により増減)
重要:上記の「減額率」や「支払額」はケースによって大きく変わります。減額がどの程度可能かは、資産評価、過去の収入や家計の状況、債権者の一覧、担保の有無などを精査して初めて判断できます。ですので上の数値は「目安の計算例」としてご理解ください。
5) 「個人再生」を選ぶかどうかのチェックポイント(自分で簡易判定)
個人再生が向いている可能性が高いのは次のようなケースです(ただし最終判断は弁護士):
- 家(マイホーム)を手放したくない
- 住宅ローンは継続して支払う意思がある(または再交渉で支払条件の見直しが可能)
- 他に複数の無担保債務(カード、カードローン、消費者金融など)があり総額が大きい
- 自営業であっても利用できる可能性がある(手続きの種類による)
逆に、個人再生が向かない/現実的でないケース:
- 住宅ローン以外の債務が少額で、任意整理で解決できる場合
- 家を手放してもよく、免責を得たい(自己破産の方が適している場合がある)
- 職業上、破産が大きな不利益をもたらす場合(その場合は再生が好まれることもある)
6) 弁護士に無料相談(推奨)──相談前に用意すべき書類と相談で聞くべきこと
まず弁護士の初回無料相談を活用してください。相談前に次を準備すると、より具体的な助言が受けやすくなります。
持参・用意するもの(可能な範囲で):
- 借入先一覧と直近の明細(請求書、残高証明があれば尚良)
- 住宅ローンの契約書・返済予定表・滞納の通知(ある場合)
- 家の登記簿謄本(登記事項証明書)
- 給与明細・源泉徴収票・確定申告書(自営業の方)
- 預金通帳のコピー(直近数か月分)
- 保有資産の概要(自動車、投資、保険の解約返戻金など)
相談時に弁護士に必ず聞くべき質問(例):
- 「私のケースで個人再生は適してますか?住宅を確実に残せますか?」
- 「申立ての概算費用(着手金・成功報酬・実費)はいくらですか?」
- 「手続きの一般的なスケジュールはどうなりますか?」
- 「競売が予定されている/すでに手続きが進んでいる場合の対処は?」
- 「弁護士に依頼すると銀行とのやりとりはすべて任せられますか?」
- 「支払計画の例・毎月の負担はどのくらいになる想定か?」
無料相談の段階で「料金の総見積り」や「想定される解決のスキーム」を出してくれる弁護士を選ぶと安心です。
7) 弁護士の選び方・比較ポイント(住宅ローンのあるケースで重要な点)
選ぶ理由や差別化ポイントは次の通りです。複数の事務所で相談して比べることをおすすめします。
- 住宅ローン(不動産担保がある案件)での実績があるか
- 同様の事例(住宅を残したケース)を扱った経験が多い弁護士は交渉力や裁判手続きのノウハウが蓄積されている
- 料金の透明性と支払い条件
- 着手金・報酬・成功報酬の金額と支払いタイミングを明確に提示してくれるか
- 手続き中の対応(任意交渉、銀行との折衝、書類作成)を丸ごと任せられるか
- 事務所の体制(事務員の対応、連絡の取りやすさ)
- 初回相談の内容の濃さ(単なる概略で終わらず、具体的な見通しや必要書類を提示するか)
- 地元銀行・地方法務局に精通しているか(地域性のある取り扱いがあるため)
複数の弁護士を比較する際は、「同じ資料を持ち、同じ質問をして見積りを取る」ことで比較しやすくなります。
8) 相談→申立てまでにやるべき優先アクション(今すぐできること)
1. まずは無料弁護士相談を予約する(複数の事務所で比較)
2. 上に挙げた書類をできるだけそろえる(コピーでOK)
3. 銀行や債権者からの督促・通知は記録として残す(写真やコピー)
4. 新たな借入れや高額の支払いは避ける(事態を悪化させる可能性がある)
5. 家族や同居者に事前に相談しておく(手続き上・生活上の影響があるため)
9) よくある質問(Q&A)
Q. 住宅ローン自体も減らせますか?
A. 住宅ローンは抵当権があるため、個人再生では原則として「住宅ローンは別扱い」でそのまま履行します(住宅ローン特則)。ローン自体の元本を大幅に減らすのは一般的には難しいです。ただし銀行との交渉(返済条件の見直し、支払猶予など)が可能な場合は組合せで有利に働くことがあります。
Q. 滞納が続いて競売の予告が来ている場合は?
A. 競売が差し押さえ前か後かで対応が変わります。差押えが進んでいれば手続きが複雑になります。いずれにせよ早急に弁護士に相談してください。裁判所手続きによって差し止めが可能になることもありますが、タイミングが重要です。
Q. 個人再生をすると職業上の不利益はありますか?
A. 自己破産ほどの職業制限は一般的にありませんが、業種によっては影響が出るケースもあるため相談時に確認してください。
10) 最後に:まずやるべき一歩(行動案内)
1. 書類を集めて、複数の弁護士事務所で初回無料相談を受ける(比較する)
2. 「住宅を残したい」「滞納がある」「差し押さえ・競売の予告が来ている」など現状を正確に伝える
3. 弁護士からの費用見積りとスケジュールを受け取り、納得できる事務所に依頼する
住宅ローンの滞納は放置すると事態が加速します。家族の生活や将来に関わる問題だけに、早めの相談が最も大切です。まずは無料相談で現状を正確に把握し、専門家と一緒に最善の道を決めましょう。
1. 個人再生と住宅ローン滞納の基礎知識 — 「個人再生って何?」をやさしく整理
まず基本から。個人再生は「民事再生法」に基づく手続きで、給与所得者等再生と小規模個人再生の2つの枠組みがあります。ポイントは「借金の一部を減額して、一定期間で分割返済する」仕組み。自己破産のように全ての財産を失うわけではなく、住宅を残しやすい手続きです。
- 個人再生の特徴(やさしく)
- 債務の一部を減額(最低弁済額は所得や資産で決まる)
- 原則として3年で返済(事情があれば最大5年まで)
- 住宅ローンは「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を使えば、住宅ローン債務を再生計画の対象から外して住宅を維持できる可能性あり(ただしローンは直接支払い続ける必要あり)
- 信用情報には債務整理の記録が残り、ローンやクレジットの利用に影響が出る
私の経験的な感覚ですが、個人再生は「家は残したいが借金の負担は減らしたい」と考える人に現実的な選択肢を与える強力な制度です。ただし、手続きの細かいルールや書類、不動産評価など実務的なハードルがあるので、準備不足だと申立ては受理されないこともあります。
1-1. 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
- 小規模個人再生:債権者(貸金業者等)の同意が一部の場合に、債権者の意見を踏まえて計画を作る方式。自営業者やフリーランスでも利用しやすい一方、債権者の取りまとめが影響する場面があります。
- 給与所得者等再生:安定した給与収入がある人向け。給与の安定性を前提に、比較的手続きが単純化されることがあります。
どちらを使うかは収入の形態、債務額、債権者の構成などで決まります。裁判所と弁護士の判断がカギになります。
1-2. 住宅ローン滞納と個人再生の関係性(ここを押さえよう)
重要な点は次の3つです。
1. 住宅ローン債務は「担保付き債務」なので、個人再生の対象から外すことができる(=住宅ローン特則)。その代わり、ローンの支払いはこれまで通り続ける必要があります。
2. しかし滞納が長期化していると、金融機関は競売手続きや任意売却を進めてくる可能性があり、手続きの可否やタイミングが変わります。
3. 再生手続の中で「再生計画が認可される」前は原則として抵当権が消えるわけではないため、滞納の状態次第では一時的に家を失うリスクが残ります。交渉とスピードが勝負です。
ここでポイント:住宅ローン特則を使っても「滞納分をどう扱うか」「金融機関が競売を準備しているかどうか」によって現実的な可否・手続きスピードが大きく変わります。早めに専門家に相談して、金融機関との交渉(リスケや分割和解、任意売却の選択肢)を進めましょう。
1-3. 住宅ローン特則で家を残せる条件(実務的なチェック項目)
- 担保不動産(住宅)の評価と残債の関係:住宅の評価額が残債を大きく下回っていないか。評価額が極端に低いと、金融機関の合意が得にくい。
- 滞納期間と滞納額:数ヶ月~半年程度の滞納であれば交渉で済む場合が多いが、数年の滞納や差押え・競売申立てが進んでいる場合は手続きが複雑になります。
- 毎月の収入・返済可能性:再生計画で他の債務を減らしても、住宅ローンを継続して支払える見通しがあることが重要。
- 債権者(金融機関)の対応方針:金融機関によっては明確な社内方針があり、ケースバイケースで応じるかどうか判断します。早期の交渉が有利です。
1-4. 再生計画案作成と審理の大まかな流れ
- 事前準備(借入の一覧化、収入証明、財産目録、登記簿謄本など収集)
- 申立て(地方裁判所へ書類提出)
- 再生手続開始決定(裁判所が開始を決める)
- 再生計画案の提出(裁判所・債権者への提出、場合によっては債権者集会)
- 再生計画の認可決定(裁判所が計画を認可)
- 再生計画の履行(原則3年、例外で最長5年)
申立てから認可までの期間はケースにより数か月~1年程度が目安です。住宅ローン特則を使う場合、銀行側との話し合いが重要で、計画認可後もローンの支払いを続けながら他の債務を整理します。
1-5. 申立てに必要な基本要件と費用の目安
- 必要書類(一例):
- 借入残高一覧・契約書、取引履歴(請求書・督促状含む)
- 給与明細、源泉徴収票、確定申告書(自営業なら過去数年分の確定申告書)
- 預金通帳(コピー)、公共料金の領収書、家計収支表
- 不動産登記簿謄本、固定資産税評価証明、ローン返済予定表
- 住民票、印鑑証明
- 費用の目安:
- 裁判所に支払う手数料(収入印紙・郵券等)は比較的少額(数千円~数万円)だが、弁護士費用・実務費用が主なコストになります。
- 弁護士費用の相場は、着手金・報酬合わせて30万円~80万円程度、事案の複雑さで増減します。支払計画について弁護士と相談してください。
(出典は記事末にまとめて記載します)
2. 滞納時の現実的な選択肢と個人再生の位置づけ — あなたに合う道はどれ?
住宅ローンの滞納が発覚したとき、選択肢はいくつかあります。以下で一つずつメリット・デメリットを見ながら、現実的な判断基準を示します。個人的には「早い段階での対話(金融機関)+専門家相談」が最も成果につながることが多いと感じます。
2-1. 任意整理とは?滞納解決の第一歩になるか
任意整理は主に「利息や遅延損害金のカット、返済条件の見直し」を交渉する手続きで、借金の元本を大きく減らすことは通常期待できません。住宅ローンがある場合、担保付き債務(住宅ローン)は任意整理の対象にしない(できないことが多い)ため、家を残したいなら任意整理は「他の無担保借入の整理」に有用です。滞納の初期段階であれば、任意整理を用いて他の負債を整理し、家計の余裕を作る選択肢になります。
メリット:比較的短期間で合意が得られるケースが多く、手続きが単純。
デメリット:元本減額は限定的。住宅ローンの滞納問題は直接解決しない。
2-2. 自己破産との比較:住まいを守りたい場合の違い
自己破産は原則として債務が免除される一方で、処分される財産が出る可能性があります。住宅については抵当権が設定されている場合、抵当権が実行されれば家を手放すことになります。住宅ローン特則が使えるのは個人再生の特徴なので、家を残したい場合は自己破産は最後の手段になることが多いです。
メリット(自己破産):債務が原則免除される。
デメリット(自己破産):婚姻関係や家族の事情、職業(警備員等)によって職業制限や影響が出る場合がある。住宅は残りにくい。
2-3. 住宅ローンのリスケ(返済猶予)・利息カットの実態と限界
金融機関によるリスケ(リスケジュール=返済条件の変更)は、事業性か個人性か、金融機関の方針、担保の状況で変わります。銀行は原則として「既存の契約に基づく返済」を求めますが、特別事情があれば分割や一時的な返済猶予に応じることがあります。リスケは金融機関との交渉力と説明によるところが大きく、早期相談が成功率を高めます。
注意点:リスケは将来の利息負担を増やす場合や、信用情報に記録が残る場合があります。
2-4. 任意売却との比較:いつ検討するべきか
任意売却は、競売より低い価格でも売却してローン残債を減らす方法。競売は市場価格より低くなりがちで、その後も残債(不足分)が残ることが多いです。任意売却は金融機関の同意が必要で、場合によっては引越し費用や債務の一部免除を交渉できることがあります。家を守れない可能性が高い場合、任意売却で少しでもダメージを小さくすることも選択肢です。
メリット:市場価格に近い形で売却できる可能性があり、残債交渉ができる場合がある。
デメリット:売却手間と期間がかかる。家を残したい人には向かない。
2-5. どの道が最適かの判断基準(実務的な判断フローチャート)
1. 滞納期間が短く収入見通しが立つ → まずは金融機関とリスケ交渉、任意整理で他の借入を整理。
2. 滞納が長く差押えや競売準備が進んでいる → 個人再生の検討(住宅ローン特則を使えるか確認)、任意売却も並行検討。
3. 住宅をあきらめる・債務の全免責を望む → 自己破産も選択肢。ただし職業や財産の影響を考慮。
4. 手続きの費用負担が厳しい → 法テラスの無料相談や費用立替制度(条件あり)を利用して初動を固める。
2-6. 専門家への相談先と活用方法
- 法テラス(日本司法支援センター):収入基準を満たせば無料相談や弁護士費用の立替制度が使える場合があります。まず相談窓口に連絡して状況を整理するのが合理的です。
- 弁護士:法的な具体的手続き(個人再生申立て、再生計画作成、金融機関交渉)を依頼する先。費用は個々の事務所で差があるので見積りを複数とるのが良いです。
- 司法書士:債務の整理や書類作成で対応可能な場合もありますが、個人再生の代理権は弁護士が行うことが一般的。複雑な交渉や訴訟的要素がある場合は弁護士が適切です。
- 信用情報機関(CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター等):自分の信用情報を取得して、情報の内容・時期を把握しておくこと。
私の実務経験から言うと、最初の面談で「借入全体」「収入」「滞納状況」「抵当権の有無」を整理して提示できれば、専門家も最適解を示しやすいです。電話での初動相談は無料で済ませ、必要なら面談で資料を持参しましょう。
3. 個人再生の手続きと日程 — 実務フローを時系列でイメージしよう
ここでは、申立てから再生計画の履行開始まで、実務でよくある流れを時系列でわかりやすく説明します。裁判所の運用や書類の揃え方で差が出るので、具体名(東京地方裁判所、大阪地方裁判所)を例にしています。
3-1. 事前準備と情報の整理(ここが成功の鍵)
準備がしっかりしているかで全体のスピードが変わります。以下を早めに用意しましょう。
- 借入一覧:貸金業者、カードローン、消費者金融、家族貸付等すべて
- 取引履歴:取引明細書、督促状、返済予定表
- 収入関係:源泉徴収票、給与明細、確定申告書(自営業の場合は直近2~3年分)
- 家計の現状:預金通帳、家計簿、支出の明細
- 不動産関係:登記簿謄本(不動産登記)、固定資産税評価証明、不動産査定書(あれば)
- 身分関係:住民票、印鑑証明
準備段階で金融機関との交渉履歴(メールや書面)を保存しておくと、裁判所での説明がスムーズになります。
3-2. 申し立て先の裁判所の選択と提出書類
個人再生の申立ては原則として地方裁判所に提出します(例:東京地方裁判所、大阪地方裁判所)。提出書類はかなり多岐に渡るため、弁護士と共同で作成することが一般的です。主な提出書類:
- 個人再生申立て書
- 再生計画案(案)
- 債権者一覧表
- 財産目録
- 収入・支出に関する資料(給与明細、確定申告書等)
- 不動産関係書類(登記簿謄本、固定資産税評価証明等)
裁判所によっては提出書類のフォーマットや追加資料を要求することがあるので、事前に裁判所の窓口や弁護士に確認しましょう。
3-3. 再生手続開始決定と動くタイミング
申立て後、裁判所が手続きを開始する決定を出すと、債権の取り立てや差押えの停止など一定の効果が生じます(差押えの一時停止など)。ここで大事なのは「開始決定が出るまでの間に金融機関がどのように動いているか」を把握すること。競売申立てが先んじている場合、速やかに対応する必要があります。弁護士は開始決定を得るまでの間に金融機関へ連絡し、手続きの趣旨を伝えて競売・差押えのストップを図ります。
3-4. 再生計画案の作成のポイントと審理
再生計画案は「どれだけの金額を何年で返すか」を示す書面です。ここで重要なのは、
- 最低弁済額(法定の基準に基づく)
- 住宅ローン特則を利用する旨の記載(担保を外す手続きではないが、ローンは除外して計画を作成する)
- 債務者の可処分所得に基づく返済可能性の説明
債権者からの異議申し立てや意見陳述がある場合、裁判所の審理で説明を行う必要が生じます。弁護士の説明能力と資料の整備が審理の成否を左右します。
3-5. 住宅ローン特則の適用と家の保持条件(実務上の注意)
住宅ローン特則を使う場合の実務ポイント:
- 再生計画で住宅ローン債務を除外する一方、債務者はローンを引き続き支払い続けることが原則。
- 滞納している場合、滞納分をどう扱うか(分割で支払う、別途和解する等)は金融機関との交渉で決定する。場合によっては再生計画認可後も銀行が競売を続けるリスクがあるため、早期に和解書や適切な書面を得ることが重要。
- 抵当権がすでに行使されている(差押え→競売段階)場合は、個別に手続きが複雑化。競売申立て後でも個人再生が間に合えば救済されるケースもありますが、時間的余裕が必要。
3-6. 居住の維持・生活再建に向けた日常計画
再生計画認可後は、計画に従って返済を続けることが最重要です。家計の見直し、保険の見直し、収入の安定化(副業や再就職支援)など、生活再建のための具体的行動計画を作りましょう。私は実務で、家計改善プランと半年毎に見直す「支出チェック表」を無料で提供して相談者と併走することが多いです。継続的な見直しが成功率を大きく高めます。
4. 実例と専門家のコメントで具体像をつかむ — リアルなケーススタディ
ここでは実在の人物名は伏せますが、年齢・職業・状況を具体的にした実例を3つ提示します。実務でよくあるパターンをまとめ、どう対応したか、結果どうなったかを示します。専門家のコメントも交え、落とし穴や成功要因を明確にします。
4-1. 体験談1:40代自営業(家を守れた事例)
状況:Aさん(43歳、自営業)は売上減少で半年間住宅ローンを滞納。借入は複数で合計約700万円、住宅ローン残高は2,500万円。差押えは未実行だが、銀行からは督促が強まっていた。
対応:
- まず法テラスで初回相談、弁護士を紹介してもらい全債務の整理。
- 個人再生(小規模個人再生)で無担保債務を圧縮。住宅ローン特則を用い、ローンは引き続き支払う方針を確認。
- 銀行とは滞納分の分割和解を別途締結。銀行の同意を文書化。
結果:再生計画認可後、Aさんは家を維持しながら無担保債務を圧縮。月々の返済負担が軽くなり、事業再建に成功。成功の要因は「早期相談」「銀行との書面合意」「弁護士の橋渡し」でした。
専門家コメント(弁護士の見解):金融機関との書面合意があるかないかでリスクが大きく変わる。開始決定前に和解書を得られると安心度が高い。
4-2. 体験談2:30代共働き夫婦(生活再建の過程)
状況:Bさん夫婦(夫32、妻30)は共働きだが育児で妻の収入が減り、家計が厳しくなった。消費者金融の借入が膨らみ、住宅ローンの滞納が数ヶ月発生。住宅は中古で査定額が残債に近い。
対応:
- 任意整理で無担保債務を整理して月々の支払額を圧縮。
- その後も家計が厳しく、最終的に個人再生を選択して再生計画による減額を実行。
- 住宅ローン特則を申請。金融機関と協議し、滞納分は再生計画とは別に3年で分割返済する合意。
結果:家を残しつつ、月々の負担を抑えて生活を立て直した。重要だったのは夫婦での家計の徹底見直しと生活行動の改善(固定費削減、保険の見直し)。
専門家コメント(家計再生プランナー):再生手続きは「減額」だけでなく、「将来の家計管理」を同時に整えられるかが成否を分ける。
4-3. 体験談3:50代・定年前のケース(再生計画の現実性)
状況:Cさん(54歳、正社員)はリストラで収入が下がり、住宅ローンを含む借金が膨張。定年前のため家を残す意向が強いが、収入が不安定。
対応:
- 個人再生を検討し、給与所得者等再生で申立て。
- 再生計画では3年返済を基本としたが、収入減少で5年まで延長できる理由を裁判所に説明し、認められた。
- しかし住宅ローンの滞納額が大きく、金融機関は任意売却を勧めたため、交渉の末に「期限付きでの滞納処理」と「将来の売却条件」を設定。
結果:最終的に家を残すことはできたが、再生計画の履行が厳しい局面が続いた。結果として、将来の住み替え計画を立てて段階的に負担を軽くする戦略を採った。
専門家コメント(弁護士):年齢が高い事案では、将来の収入見通しが鍵。無理な返済計画は結果的に失敗につながるため、長期視点での生活設計が重要。
4-4. 専門家のコメント:法テラスの活用と無料相談の使い方
- 法テラスは初回相談で現状整理と、利用可能な支援(無料相談、弁護士費用の立替等)を案内してくれます。収入要件があるため、事前に条件を確認してください。
- 弁護士に依頼する場合、複数事務所で相見積もりを取ることをおすすめします。費用内訳(着手金・報酬・実費)を明確に提示してもらいましょう。
4-5. 専門家のコメント:再生計画のポイントと注意点
- 再生計画は「現実的に返済できるか」が最重要。無理な前提で作ると認可されない。
- 住宅ローン特則を使う場合でも、銀行との別途合意や書面が鍵。合意があれば安心度は大きく上がる。
- 債権者集会や意見書の取り扱いに備え、説明資料を整えておくと裁判所の評価が高くなる。
4-6. リスクと注意点:再生を選ぶ際の落とし穴
- 滞納が長引くと競売に間に合わない恐れがある。早い段階で動くこと。
- 弁護士費用や手続きの実務負担を甘く見ない。準備不足で申立てが却下されるケースあり。
- 家を残すための合意が金融機関から得られない場合、任意売却や自己破産を検討する必要が生じる。
- 信用情報への影響は長期に及ぶ。住宅ローンの継続が可能でも、新たな借入や住宅ローン借り換えは困難になる。
5. よくある質問と解決策(FAQ) — 具体的な疑問に答えます
ここでは実務でよく聞かれる質問をピンポイントで解説します。短く、すぐ使える回答を目指しました。
5-1. 家を守る条件はどんなときに満たせるのか
家を残せる主な条件:
- 住宅ローン特則が利用できる(ローンは再生計画の対象外とする)
- ローンを継続して支払える収入見込みがある
- 銀行と滞納分の扱いについて実務的な合意が得られる(書面が望ましい)
- 競売手続きが進んでいない、または競売を止められる見込みがある
要は「収入見込み+金融機関との交渉力+裁判所の認可」が揃えば家を残せる確率が高いです。
5-2. 再生計画の期間の目安はどれくらいか
- 原則3年での返済が基本。事情があれば最長5年まで延長可能です。延長の可否は裁判所の判断に委ねられ、収入や生活事情の詳細な説明が必要です。
5-3. 費用の目安と資金計画の作り方
- 裁判所手数料:ケースにより数千円~数万円程度(収入印紙や郵券等)。
- 弁護士費用:着手金と成功報酬を合わせて概ね30万円~80万円がよく見られる範囲。ただし事案の複雑さで増減します。
- 日常生活費:申立て後も一定の手元資金が必要。家賃・光熱費・食費などの緊急支出を把握しましょう。
資金計画は「申立て前後3か月分の生活費+手続き費用」を目安に確保しておくと安心です。法テラスの費用立替制度が使える場合があるので相談してみましょう。
5-4. 信用情報機関への影響(CIC/JICC等)
- 個人再生を行うと各信用情報機関に「債務整理」の記録が残ります。期間は機関によって異なりますが、5年から10年程度の影響が出ることが一般的です。住宅ローンの借り入れやクレジットカードの新規発行は難しくなります。
5-5. 申立て後の生活費の管理と再建のコツ
- 再生計画認可後は計画に従った返済を継続することが前提。家計簿で支出を見える化し、固定費(保険、通信、光熱費)の削減を優先すると効果が出やすいです。
- 副収入の確保や就業支援(職業訓練、ハローワークの職業相談)も再建には有効です。
5-6. 配偶者の同意や影響について
- 住宅を夫妻で共有している場合、配偶者の同意や協力が必要になる場面があります。例えば連帯保証人がいれば影響が及びますし、不動産の名義が共有なら協議が必要です。配偶者と事情を共有し、早めに一緒に専門家に相談するのが安全です。
用語解説(簡単)
- 抵当権:ローンの担保として不動産に設定される権利。金融機関の返済が滞れば実行されることがある。
- 任意売却:金融機関の同意のもとで市場で売却する方法。競売より価格が有利なことが多い。
6. 今すぐできる準備と次の一歩 — 具体的チェックリスト付き
ここからは「今すぐやること」を具体的に書きます。行動できるチェックリストをそのまま使ってください。私は相談現場でこのチェックリストを共有して、初動の改善率が格段に上がりました。
6-1. 自分の現状の棚卸し(借入総額・滞納期間の把握)
- 借入先ごとに「契約日」「残高」「最新の滞納状況」を一覧にして書き出す。
- 督促状や取引履歴のコピーを集める(直近6か月分が目安)。
- 住宅ローンの返済予定表(ローン残高表)を取得する。
チェック:まずA4用紙1枚に「債務一覧」を作る。これが相談時に最も役に立ちます。
6-2. 借入先ごとに現在の返済状況を整理
- 銀行/信用金庫/消費者金融/クレジット会社それぞれの担当窓口をメモする。
- 既に差押えや競売手続きが進んでいないか確認する(裁判所からの書面があれば保管)。
6-3. 法テラスの無料相談予約の進め方
- 法テラスに電話またはウェブで相談予約。初回相談で基本情報を整理してもらえる場合がある。収入基準を満たすと弁護士費用の立替支援が利用できる可能性があります。
- 予約時に「住宅ローン滞納」「個人再生を検討している」と伝えると適切な窓口につながりやすい。
6-4. 弁護士費用の目安と資金計画の立て方
- 相見積もりをとる(最低2~3事務所)。費用項目(着手金、報酬、実費)を明確にしてもらう。
- 着手金が払えない場合は法テラスの制度を活用するか、分割払いの相談をする。
- 手元資金は「生活費3か月分+手続き費用の見込み」を確保しておくと安心。
6-5. 家計の見直しと安定収入の確保に向けた具体的行動
- 固定費の洗い出し(保険、通信、サブスク等)を行い、優先順位をつけて削減。
- 一時的な収入増を作る(副業、単発バイト、在宅ワーク等)を検討。
- ハローワークや地域の職業支援サービスを活用して長期的な安定収入を模索。
6-6. 次のステップを決めるチェックリスト(そのまま使える)
- [ ] 債務一覧を作成した(貸金業者名・残高・滞納額を記載)
- [ ] 主要書類(源泉徴収票、確定申告、通帳コピー、登記簿謄本)を用意した
- [ ] 法テラスに相談予約を入れた、または弁護士に面談予約をした
- [ ] 銀行の督促状や差押えに関する書面を確認した
- [ ] 家計見直し(固定費削減案)を3つ作った
行動の原則は「早めに相談して準備を進める」こと。悩んで手をこまねいている時間が一番リスクを高めます。
まとめ — 最後に大事なことを短く整理します
- 個人再生は、住宅ローン滞納があっても家を残す有力な選択肢になり得ますが、住宅ローン自体は再生計画の対象外(住宅ローン特則)で、ローンを払い続けることが前提です。
- 成否のカギは「早さ」と「交渉力」。滞納が長期化して競売が進むと選択肢が狭まります。
- 任意整理、自己破産、任意売却と比較して、家を残すなら個人再生が最も適切な場合が多いですが、個々の事情で最適解は変わります。
- 最初の一歩は法テラスや弁護士への相談。借入一覧を作ることが相談を有意義にする最大の準備です。
私の体験的アドバイス:迷ったら早めに相談。資料を整理して渡すだけで、専門家は具体的な選択肢を提示してくれます。問題を一人で抱え込まず、まずは相談窓口へ連絡してみましょう。
破産宣告 親族への影響と手続き完全ガイド:家族が破産したときに知るべきことと再建の実践ステップ
出典・参考(最後にまとめて一度だけ記載します)
- 法テラス(日本司法支援センター)
- 裁判所(民事再生に関する解説)
- 法務省(民事再生法の概要)
- 日本弁護士連合会(債務整理の説明)
- CIC、JICC、全国銀行個人信用情報センター(信用情報関係の案内)
(上の出典は参考にした公的・専門機関の情報に基づき、制度・手続きの要点を整理して解説しています。個別事案は必ず専門家に相談してください。)