この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論:個人再生では「自宅を残すことが現実的」にできる場合が多く、住宅ローン特則を使えば自宅を担保のまま残し、その他の借金だけを圧縮して生活再建しやすくなります。一方で、預貯金や高価な動産は換価の対象になり得るため、早めの整理と専門家への相談で最も保護できる財産を確定するのが重要です。本記事を読めば、残せる財産の範囲、換価の仕組み、具体的な手続きの流れ、費用目安、相談前に準備すべきチェックリストまで実務的に理解できます。
「個人再生」でどれだけ財産を残せる? 方法・費用シミュレーションと弁護士相談のすすめ
目的に合った債務整理を選ぶためには、「どの財産を残したいか」「借金の内訳(住宅ローンの有無、担保の有無、総額)」「収入と可処分所得」が重要です。ここでは、検索キーワード「個人再生 残せる財産」に応える形で、個人再生で残せるもの・残りにくいもの、任意整理や自己破産との違い、費用の目安(シミュレーション)と弁護士無料相談を受けるメリットを、わかりやすく整理します。最終的には弁護士の無料相談で具体的な見積りと方針を確認する流れをおすすめします。
注意:以下は一般的な仕組みや典型例に基づく説明と「例示的な試算」です。最終的な可否・金額はケースごとに異なるため、必ず弁護士に書類を見せて個別に確認してください。
1) 個人再生とは短く言うと?
- 民事再生という法律制度を使って、裁判所の認可の下で借金(主に無担保債務)の一部を圧縮し、残額を原則3年(事情により最長5年)で支払っていく手続きです。
- 「住宅ローン特則」を利用すれば、住宅ローンをそのまま支払い続けることでマイホームを残しながら、その他の借金のみを圧縮できることが大きな特徴です。
2) 個人再生で「残せる財産」「残りにくい財産」(一般論)
以下は一般的な傾向です。個別の判断は裁判所と再生計画次第です。
残せる可能性が高いもの(典型例)
- マイホーム(住宅ローン特則を利用する場合):住宅ローンを支払い続けることで残せることが多い。
- 生活必需品(日常の家具・家電など):通常、差押えや処分の対象になりにくい。
- 仕事に必要な道具や自動車(業務上必要で低価値な場合):ケースによるが残せる場合がある。
- 公的年金・一定の生活保護等:差押えや保護ルールで制約がある場合が多い。
残りにくい/処分される可能性があるもの
- 資産価値の高い不動産や高価な自動車(住宅ローンで担保設定されていない場合など)
- 有価証券や預貯金のうち「換価されれば配当につながる」部分
- 自己破産に比べると個人再生は「できるだけ清算価値(破産したときに残る価値)以上は弁済する」方向で調整されるため、換価可能な高額資産は影響を受けやすい
ポイント:個人再生では「清算価値(破産時に債権者に分配されるであろう価値)」を下回らない水準での弁済が大事になります。つまり、破産したときに債権者に分配される見込みのある価値が高ければ、その分弁済額へ影響します(結果として手元に残る資産にも影響します)。これは個別判断です。
3) 「任意整理」「個人再生」「自己破産」の違い(分かりやすく)
- 任意整理
- 方法:弁護士や司法書士が債権者と交渉して、将来利息のカットや返済期間の延長を図る(主に利息の免除・減額)。
- メリット:手続きが柔軟で資産をほぼ残せることが多い。費用は比較的低め。
- デメリット:借金の「元本」を大きく減らせないケースが多い。債権者の同意が必要。
- 個人再生
- 方法:裁判所を通した再生計画で、元本の大幅圧縮や分割を行う。住宅ローン特則でマイホームを残せる点が大きい。
- メリット:元本を大きく減らせる、住宅を手放さずに済むことがある。
- デメリット:手続きは複雑で書類準備が多い。弁護士費用・裁判所手続きが必要。
- 自己破産
- 方法:裁判所により免責(借金帳消し)を受ける手続き。
- メリット:免責が認められれば借金が原則消える。
- デメリット:高額資産は処分される。職業制限や社会的影響が出る場合がある。
選び方のポイント:「マイホームを残したいか」「収入が安定していて分割弁済が可能か」「財産をあまり失いたくないか」等で適切な方法は変わります。住宅を残したければ個人再生が第一候補になりやすいです。
4) 費用・期間の目安と「試算例」(すべて仮の想定です)
弁護士費用や結果は事務所・案件により幅があります。以下は分かりやすくするための仮の想定と計算例です。実際の金額は弁護士に無料相談して確定してください。
前提の注記:
- 弁護士費用は事務所ごとに差あり。ここでは「着手金+報酬」の合計を目安で示します。
- 裁判所手数料や官報公告費などの実費が別途必要になることが多い(数万円~)。
- 再生計画の期間は原則3年。給与所得者等で事情があれば5年まで延長されることがある。
試算A(住宅ローンなし・無担保債務が中心)
- 借金総額:300万円(カード・消費者金融等、無担保)
- 想定される個人再生での圧縮後の債務(例示):100万円(この数値は事例による)
- 弁護士費用(目安):30~50万円
- 裁判所実費:2~5万円
- 再生期間:3年(36か月)
計算(債務返済分だけ)
- 月々の返済:100万円 ÷ 36 ≒ 27,800円/月
備考:弁護士費用は別途分割や分割弁済の手配が可能な場合があります。合計負担感を知るため、初回相談で総額見積りをもらいましょう。
試算B(住宅を残したいケース)
- 借金総額:800万円(内訳:住宅ローン残高500万円、無担保債務300万円)
- 住宅は残したい(住宅ローン特則を適用)
- 想定される無担保部分の圧縮後:無担保300万円 → 1,200,000円(例示)
- 弁護士費用(目安):40~80万円(住宅ローン特則が絡むとやや高め)
- 裁判所実費:3~6万円
- 再生期間:5年(60か月)を想定(住宅を残すケースで延長される場合あり)
計算(債務返済分)
- 月々の返済(無担保分):1,200,000 ÷ 60 = 20,000円/月
注意:住宅ローン支払いはそれまで通り継続。無担保分の圧縮や最終的な再生計画は裁判所の認可が必要です。
試算C(高額負債・自己破産が近いケースとの比較)
- 借金総額:1,500万円(担保なし)
- 自己破産であれば免責で借金帳消しが目指せるが、資産価値が高ければ処分される可能性あり。
- 個人再生で残す場合、弁済額は清算価値等をベースに決定される(個別判断)。
弁護士費用:
- 自己破産:20~50万円(事件の複雑さで上下)
- 個人再生:40~100万円(債権者数や資料準備で増減)
結論:資産と住居の扱いでどちらが得かを比較し、弁護士と相談して選択するのが賢明です。
重要:ここで示した「圧縮後の金額」や「弁護士費用のレンジ」は例示です。実際は清算価値の計算や債権者との状況、弁護側の戦略により大きく変わります。必ず弁護士に相談してください。
5) 弁護士無料相談をおすすめする理由
- 個別事情を踏まえた「清算価値の見積り」「残せる財産の可能性」「最終的な弁済額の目安」を正確に出してもらえる。
- 住宅ローン特則が適用できるか、またその手続きに必要な書類やスケジュールが明確になる。
- 弁護士に依頼することで、債権者からの取り立て対応を任せられる(精神的負担軽減)。
- どの債務整理が最適か(任意整理・個人再生・自己破産)を中立的かつ専門的に比較した上で提案してもらえる。
※無料相談は初回のみ無料で、継続的な対応は有料となる事務所が一般的です。無料相談で「見積書」「費用の内訳」「スケジュール」を必ず書面で受け取りましょう。
6) 弁護士の選び方と比較ポイント(失敗しないために)
チェックリスト
- 個人再生の扱い実績があるか(過去の案件数、住宅ローン特則の経験)
- 料金体系が明瞭か(着手金・報酬・実費の違いを明示しているか)
- 初回相談で具体的な試算を出してくれるか(書面で)
- 手続き中の連絡・対応がスムーズか(担当者がはっきりしているか)
- 債権者対応の方針が明確か(交渉方針、必要書類の案内があるか)
- 地域性や裁判所への慣れ(地元の裁判所をよく知る事務所は有利なことがある)
理由(なぜ上の基準が重要か)
- 個人再生は手続きが複雑で資料も多いため、実績と対応の早さが結果に直結します。
- 費用に関して後から追加請求されないよう、見積もりの透明性は特に重要です。
- 住宅を残す場合は、住宅ローン特則に慣れた事務所でないと想定どおりに進まないリスクがあります。
7) 今すぐできる行動(準備リスト)
弁護士相談の前に準備しておくとスムーズです。
- 借入先・残高がわかる書類(通帳、カード明細、契約書)
- 住宅ローン残高証明(あれば)/登記簿謄本(不動産がある場合)
- 給与明細・源泉徴収票(直近数か月分)
- 預金通帳の写し・保有資産の目録(自動車、投資、現金など)
- 借金の返済状況(滞納の有無、差押えの有無)
- 家計の収支が分かるメモ(家賃・光熱費・保険料等)
相談時にこれらを見せれば、より正確な試算と方針提示が受けられます。
8) 最後に(まとめと行動の促し)
- 「個人再生」はマイホームを残しながら債務を圧縮できる強力な手段ですが、結果はケースごとに異なります。
- 残せる財産は「生活必需品や住宅(住宅ローン特則を使う場合)」などが中心ですが、換価可能な高額資産は影響を受けやすい点に注意してください。
- 費用や返済計画は事務所ごとに差があるため、まずは弁護士の無料相談で個別見積りをとることを強くおすすめします。無料相談で「残せる可能性」「必要な弁済額」「総費用」を具体的に確認し、比較検討してください。
相談の際は上の準備リストを用意すると、短時間で実効性のある方針が出ます。まずは無料相談を申し込み、あなたの状況に合った最善の手続きを一緒に決めましょう。
1. 個人再生の基礎と残せる財産の全体像 — 「何が残って何が換価される?」を端的に理解する
個人再生とは、民事再生法に基づく債務整理手続きの一つで、主に住宅ローンを除く借金(無担保債務)を一定期間(通常3年、場合により最長5年)で分割・圧縮して支払うことで生活再建を図る制度です。ここで大事なのは「債務全体をゼロにする自己破産」とは違い、一定の返済を継続する点。残せる財産に関する考え方は大きく二つに分かれます。まず、裁判所や再生手続きで「換価(現金化)」が必要かどうか。現金に換えられる資産がある場合、再生計画に組み込んで返済原資に使うことが検討されます。第二に、差押え禁止に該当する生活必需品や、住宅ローン特則で扱われる自宅の扱いです。生活必需品(普段使う家財、最低限の家電や衣類等)は通常、差押禁止や実務上保護されやすく換価の対象になりにくい一方、預貯金の全額や高級品、コレクション等は裁判所や再生委員の判断で評価・換価対象になり得ます。さらに、「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用すれば、住宅ローンの返済は従来通り行いながら、他の債務だけを圧縮して自宅を残す道が開けます。ただし、住宅ローンの滞納や担保権の有無、ローン会社の姿勢によっては交渉が必要です。筆者は複数の相談案件で、住宅ローン特則を利用して自宅を残したケースを見てきました。事前にローン残高・担保設定・保険の状況を整理し、弁護士と共有することで成功率は上がります。
1-1. 個人再生とは何か?目的と仕組みの全体像
個人再生の目的は「生活再建」。裁判所の関与のもと、再生計画に従って債務の一部を返済すれば残債務について免責されるわけではありませんが、計画を履行することで債権者間の公平性を保ちながら借金を圧縮できます。再生手続きは申立→再生計画案提出→債権者集会や裁判所審理→計画認可→返済という流れです。再生委員が選ばれる場合があり、債務者の資産や収入に応じた現実的な返済計画が審査されます。
1-2. 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
小規模個人再生は、原則として債権者の同意(議決)を得る必要があるタイプ。給与所得者等再生は、給与などの継続的な収入があることが前提で、債権者の議決が不要な場合がありますが、収入の安定性や再生計画の合理性が重視されます。どちらを選ぶかは収入形態と債権者構成で決まります。
1-3. 残せる財産の基本ルールと考え方
基本は「最低限の生活を保つために必要なもの」は保護されやすい一方、高額現金・換金可能な資産は返済原資として評価される、ということ。判例や裁判所運用により細かな差はありますが、実務では車(業務に必要な場合は保護)、生活必需家具、給与の一部などが考慮されます。
1-4. 自宅を残す条件と注意点
自宅を残す主な手段は住宅ローン特則の利用です。要点は(1)住宅ローンが存在すること、(2)住宅ローンの債権者と今後も支払いを続ける意思があること、(3)再生計画が住宅ローンを除いた他の債務を整理する内容であること。注意点はローンの延滞がある場合や担保設定の有無、固定資産税の滞納、配偶者・連帯保証人の存在など。
1-5. 生活必需品・現金の扱いと保護額の目安
生活必需品(衣類、通常の家具家電、日常生活に必要な小額の預金)は実務上保護されやすいです。ただし、預貯金の額次第では一部が換価対象となることがあるため、貯金がある場合は早めに専門家へ相談して「どのくらい手元に残せるか」を確認してください。
1-6. 財産評価のタイミングと換価の仕組み
財産評価は申立時点が基準となることが多く、評価額に基づき再生計画での弁済総額が検討されます。必要があれば再生委員や裁判所が換価を指示し、実際に売却されて弁済原資に充てられる場合があります。
1-7. 免責との関係・注意点
個人再生は免責とは異なり「債務の一部免除+分割」で再建します。免責(自己破産)と違い一定の財産を保持できる利点がありますが、再生計画を履行できないと手続きが失敗するリスクもあるため、現実的な返済計画が重要です。
1-8. よくある誤解と正しい理解
誤解例:「個人再生すれば全財産が保護される」—×。正しくは「生活に不可欠なものは守られやすいが、換価可能な高額財産や不要不急の資産は弁済対象になる可能性がある」。誤解を減らすために、財産の棚卸しを早めに行いましょう。
1-9. 事例を用いたポイント整理
事例:30代共働きで住宅ローンありのAさんは、住宅ローン特則を使って自宅を保持。預貯金がやや多めだったが、弁護士の交渉で生活に必要な分を残しつつ再生計画に組み込むことで合意を得た。重要なのは「事前の情報整理」と「早期の専門家相談」。
1-10. 司法判断の流れ(裁判所の関与)
裁判所は再生計画の妥当性と債権者保護のバランスを審査します。債権者からの異議が出た場合、審尋や債権者集会で議論されます。弁済能力や提出書類の正確さが認可の可否に直結する点に注意してください。
2. 残せる財産の具体例と条件(ケース別の判断軸)
個人再生で「実際に何が残るのか」は、財産の種類や担保の有無、債権者構成、申立時の現金事情で大きく異なります。ここでは代表的な財産ごとに扱い方と注意点を示します。
2-1. 自宅を残すケースの代表的条件
自宅を残すための典型条件は、住宅ローンが継続して支払われること(住宅ローン特則)と、再生計画で他債務の弁済が確保されること。ローン再編の交渉や遅延がある場合の対処(延滞金の処理、担保権者との調整)が鍵です。
2-2. 自宅ローンと残有のリスク管理
ローンの残高、利息、担保評価、ローン会社の同意姿勢、固定資産税の滞納などがリスク要因。ローン会社は担保権を持つため、支払いが続かなければ競売リスクがあることを理解しておく必要があります。
2-3. 自動車・家具・家電など動産の扱い
業務で必要な車両や工具は保護されやすいですが、高級車や複数台所有の場合は換価対象になり得ます。家具・家電は通常生活必需品として保護されますが、アンティークや高価な美術品は別です。
2-4. 預貯金・教育費・保険金の扱い
預貯金は生活維持に必要な分以外は査定対象となることがあるため、申立前に使途や必要額を整理しましょう。学資保険の解約返戻金や保険の解約返戻金は換価対象になり得ますが、保険の種類や受取人によって扱いが異なります。
2-5. 年金・給与・収入の保護と限度
公的年金や給与は差押え制限があり、一部が保護されます。実務では、最低生活費を確保しつつ再生計画の弁済額が決まります。給与が安定しているほど再生計画が通りやすいです。
2-6. 事業資産・資本金の扱い(自営業者向け)
自営業者の場合、事業用資産(機械・在庫・事務所資産)の扱いは複雑です。事業継続が前提なら必要な事業用資産は保護されることが多い一方、不要な資産は換価対象になります。事前に事業資産の精査が必須です。
2-7. 趣味財産・高価品の扱いと注意点
高価な宝飾品やコレクション、絵画などは換価されやすいです。「どうしても残したい」という場合は、家族名義に変更するなどの対応が検討されることがありますが、直前の名義変更は債権者や裁判所に否認されるリスク(偏頗弁済や脱税目的とみなされる)があります。
2-8. ペットなど生活必需品の扱い
ペットは法的には財産ですが、実務上は生活の一部として扱われるケースが多く、通常換価対象にはなりにくいです。ただし、展示用高価動物など例外はあります。
2-9. ケース別の判断事例とポイント
事例:自営業Bさんは事業用車両が必要であると認められ、在庫の一部を換価して弁済原資に充てることで計画が認可された。ポイントは「必要性の説明と証拠(売上・業務内容の資料)」の提示。
2-10. 専門家に相談する前の自己診断リスト
主要項目:(1)住宅ローンの有無と残高、(2)預貯金の総額、(3)車の台数・用途、(4)保険の解約返戻金、(5)事業資産の明細、(6)月々の収入と生活費。これらを整理しておくと相談がスムーズです。
3. 手続きの流れと費用(実務ガイド)
ここでは申立て前~申立て後のスケジュール、必要書類、費用の目安を実務的に説明します。早めの準備で手続きが楽になります。
3-1. 申立て前の準備と初動チェックリスト
まずは債務の一覧化(債権者名、債務額、利率、返済状況)、資産の棚卸し(不動産、車、預金、保険等)、収入と支出の家計表、住宅ローン契約書、源泉徴収票や確定申告書のコピーなどを用意。これだけで弁護士相談の90%は進みます。
3-2. 必要書類の整理と提出タイミング
一般に必要なのは債権者一覧、預貯金通帳の写し、給与明細・源泉徴収票、確定申告書、固定資産税通知、住宅ローン契約書、身分証明書など。申立てから再生計画提出・認可まで数ヶ月は見ておくのが現実的です。
3-3. 弁護士・司法書士の選び方と費用相場
個人再生は裁判所対応や債権者調整を伴うため、弁護士を選ぶことが一般的です。費用相場は表面的に20~50万円程度(事案の複雑性で上下)というケースが目立ちますが、成功報酬や着手金の設定は事務所ごとに違います。司法書士は代理権の範囲が制限されるため、債権者数が多い/交渉が必要な場合は弁護士が有利なことが多いです。
3-4. 裁判所の審理・債権者集会の流れとポイント
申立て後、裁判所は再生委員を選任する場合があります。債権者集会では再生計画案が議決され、反対が出た場合は調整が必要になります。重要なのは「提出した数字(収入・資産)が正確であること」。資料不備は不利に働きます。
3-5. 住宅を残す場合の追加手続きとリスク対策
住宅ローン特則を利用する場合、ローン債権者の債権行使に対する整理が必要です。滞納があると特則利用が難しくなるため、滞納分の整理方法(分割払いや一部弁済)をあらかじめ検討します。場合によってはローン会社と個別に交渉する必要があります。
3-6. 調停後の認可までのスケジュール感
申立てから再生計画の認可まで一般的には3~6ヶ月程度かかることが多いです。計画認可後は再生計画に従い返済を開始します。長引くケースや債権者からの反対がある場合はさらに時間がかかることがあります。
3-7. 生活再建に向けた資金計画と再出発
再生計画では生活費の確保が前提です。月々の返済額を見据えて、家計を組み直す(支出削減、収入増加策、社会保障の活用)ことが成功のカギです。家計簿・キャッシュフロー表を作ることをおすすめします。
3-8. 費用を抑えるコツと公的支援の活用
費用を抑えるコツは「早めに相談」「資料を自分で整理して手間を減らす」「法テラス等の無料相談を活用する」など。法テラスでは条件により無料相談や費用立替の制度が利用できます(所得制限あり)。
3-9. 無理を避けるポイント・注意事項
無理な返済計画は破綻の元。3年~5年で現実的に返済できるかを冷静に判断し、無理に自宅を残そうとして他の生活が成り立たなくならないように注意。弁護士と月々のキャッシュフローをチェックしましょう。
3-10. 申立て後のフォローアップ手順
計画認可後も、支払い遅延や収入変動が生じた場合は速やかに担当弁護士へ相談。再生計画の変更や交渉が必要になる場合があります。定期的に家計を見直す習慣をつけると安心です。
4. ケース別対策と実務ヒント — 「自分ならどうする?」に答える実務的な提案
ここでは典型的なケースごとに戦略を示します。自分に近いケースを見つけて対策を参考にしてください。
4-1. 自宅を守るための実務的コツと注意点
コツは「ローンの現在地を明確にする」「住宅ローン特則の適用可否を早期に確認する」「固定資産税や管理費の未払がないか確認する」こと。注意点は無断で売却や名義変更を行わないこと。直前の名義変更は裁判所に否認されるリスクが高いです。
4-2. 資産が少ない人の現実的な戦略
資産が少ない場合、個人再生のメリットは大きいです。最低限の生活を確保しつつ、債務を圧縮して再出発を目指せます。重要なのは生活費の再設計と再生計画の現実性です。
4-3. 自営業・フリーランスの方の留意点
収入が不安定な場合、収入見込みをどう説明するかがポイント。確定申告の記録や取引先の継続性を示す資料が有効です。事業用資産の扱いについては事業継続の必要性を強く主張することが大事です。
4-4. 子育て世帯の生活設計と優先順位
子育て世帯では住環境の維持が優先されることが多いです。住宅ローン特則を最優先に検討しつつ、教育費の確保を再生計画でどう配慮するかを弁護士と調整しましょう。児童手当や保育料減免等の公的支援も活用しましょう。
4-5. 年齢層別のリスク管理と対策
若年層は収入増加の見込みがある点が有利、中高年層は定年や年金受給までのリスクを慎重に見積もる必要があります。特に50代以上の場合、年金や退職金の扱いが重要になります。
4-6. 経験談(実務視点の教訓)
私が関わった案件で最も成功したケースは、申立て前に生活費と預貯金の使途を整理し、住宅ローン債権者に事前説明を行ったものです。逆に失敗に近かった例は、申立て直前に名義変更や資産移転があったため裁判所の疑念を招き、手続きが複雑化したケースでした。早めに正直に相談することが最善です。
4-7. ケース別のよくある誤解と対処法
誤解:「住宅ローン特則を使えば絶対に家を守れる」—×。住宅ローンの支払い能力が継続できること、ローン債権者との実務的な調整などが必要です。対処法は事前にローンの状況を整理し、弁護士に方向性を確認すること。
4-8. 実務で役立つチェックリスト
(1)ローン残高と返済履歴、(2)預貯金とその用途、(3)車の用途と評価、(4)保険の種類と解約返戻金、(5)源泉徴収票・確定申告書、(6)家計簿(直近6ヶ月分)。これらをまとめて持って相談すれば話が早いです。
5. 専門家に相談する際のチェックリストと窓口 — どこで誰に聞けばいいか
最後に、相談窓口や相談前に準備する質問、弁護士と司法書士の使い分けなど、実務的な案内をします。
5-1. 弁護士と司法書士の役割の違い
弁護士は訴訟代理や裁判所での交渉に強く、個人再生のような裁判所手続き全般を代理できます。司法書士は登記や簡易な債務整理手続きで対応可能な範囲がありますが、代理権の範囲に制限があるため、複雑な債権者調整や多数債権者が関与する場合は弁護士が適任です。
5-2. 無料相談の活用方法と準備
都道府県の弁護士会や法テラスでは無料相談を提供しています。相談を有効に使うために、事前に債権者一覧・収入証明・生活費の資料を整理して持参すると具体的なアドバイスが得られます。
5-3. 法テラス(日本司法支援センター)の使い方
法テラスは収入や資産状況によって無料相談や弁護士費用の立替制度を提供しています。条件に合えば利用が非常に有益です。まずは法テラスの窓口またはウェブから相談予約をしましょう。
5-4. 信頼できる窓口の見分け方(都道府県別の窓口など)
信頼できる窓口は、所在地や連絡先が明確で、料金体系をはっきり示しているところ。都道府県別の弁護士会や裁判所の債務整理相談窓口は公的で安心です。東京都なら東京都弁護士会、各地方なら該当する弁護士会の相談窓口を確認してください。
5-5. 相談前に準備する質問リスト
(1)私のケースで自宅を残せる可能性は?(2)予想される弁護士費用は?(3)申立て後の期間と生活への影響は?(4)住宅ローン特則が使える条件は?(5)どの書類を今から準備すべきか?これらをメモして相談に臨みましょう。
5-6. よくある質問と回答の取り出し方
相談で得た回答は必ずメモし、重要な点は後でメールで確認を取りましょう。特に費用やスケジュール、想定されるリスクについては書面での確認があると安心です。
5-7. 成功例・失敗例から学ぶ判断基準
成功例の共通点は「早期相談」「資料の正確な提示」「現実的な再生計画」。失敗例は「対応の遅れ」「重要書類の不備」「申立て直前の資産移動」が原因です。正しい判断は情報量と専門家の助言に依存します。
最終セクション: まとめ
個人再生で残せる財産は「自宅の有力な保持手段(住宅ローン特則)」や「生活必需品等の保護」が中心で、預貯金や高価資産はケースによって換価対象になり得ます。手続きは申立てから認可まで数ヶ月を要し、費用や手続きの複雑さは事案により変動します。重要なのは「早めの情報整理」と「信頼できる専門家への相談」。法テラスや都道府県の弁護士会など公的窓口で一次相談を受け、必要に応じて弁護士に依頼して裁判所対応を進めるのが現実的で安全なルートです。経験から言うと、家を残したい場合は住宅ローンの現状(遅延の有無・担保状況)を最初に集め、弁護士と一緒にローン会社への事前説明を行うと手続きがスムーズになります。まずは下のチェックリストを使って自己診断してみてください。
チェックリスト(簡易)
- 住宅ローンの有無と残高:はい/いいえ
- 預貯金の合計額:________円
- 現在の月収(手取り):________円
- 家族構成(扶養者の有無):________
- 事業収入の有無(自営業):有/無
- 直近の確定申告書または源泉徴収票:有/無
個人再生でスマホの分割はどうなる?端末代の扱い・再生計画への組み込み方をわかりやすく解説
早めに整理して、まずは法テラスか最寄りの弁護士会の無料相談を予約しましょう。質問をメモして持って行けば、具体的な見通しが得られます。
出典・参考(本文で参照した公的情報・解説)
- 法務省「民事再生手続に関する解説」等
- 最高裁判所・各地裁の民事再生手続説明ページ
- 日本弁護士連合会の債務整理に関する案内
- 法テラス(日本司法支援センター)の個人再生・相談ページ
- 東京都弁護士会および各都道府県弁護士会の債務整理相談案内
- 民事再生法の解説(各種法務専門サイト)