この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論から言うと、「財産があるから個人再生を諦める必要はない」が基本です。ただし、所有財産の種類や額、自宅に住宅ローンがあるか、相続の有無によって手続きの進め方や払うべき金額(再生計画の支払額)は変わります。本記事を読むと、どの財産が換価(売却・現金化)の対象になりやすいか、どの財産は保護されやすいか、住宅資金特例(住宅ローン特則)で自宅を残す方法、相続財産が絡む場合の注意点、申立て時の書類・費用感まで、実務目線で整理できます。私自身が債務整理の相談に立ち会った経験(法テラスや地方法務窓口での相談事例を含む)も交えて、実際に使えるステップを提示します。
「個人再生」と「財産がある場合」のポイント — まず何を確認すべきか、最適な選び方と費用シミュレーション
個人再生を検討しているとき、手元に不動産や預貯金・自動車など「財産」があると、「財産を処分されるのでは?」「個人再生は使えるのか?」と不安になります。ここでは、財産がある場合に知っておきたい基本原則、選べる債務整理の種類と向き不向き、具体的な費用目安とシミュレーション、弁護士に相談するときの準備まで、わかりやすく整理します。最後に無料相談(弁護士の初回無料相談など)をおすすめする理由と相談時のチェックポイントをお伝えします。
注意:以下は一般的な考え方・目安です。実際の扱いや金額は個別事情(財産の種類・担保の有無・債務の内訳・収入の見込みなど)で大きく変わるため、まず専門家に無料相談して正確なシミュレーションを受けてください。
1) 基本的な考え方(財産があるとどうなるか)
- 個人再生は「借金を大幅に減らして、原則3~5年で分割返済する仕組み」です。住宅ローンを残して自宅を維持する特則(住宅ローン特則)を利用できる場合があります。
- 重要な原則:再生手続では「清算価値保障」の考え方があり、破産した場合に債権者に配当されるであろう金額(=財産を換価して得られる価値)が、再生計画で支払うべき最低額の参考になります。簡単に言うと、
- 手元に換価可能な財産(預金・不動産の純資産・高額の車など)があると、その分だけ再生計画で支払わなければならない額が増える可能性があります。
- 担保(抵当権・質権)が付いている財産は、担保権者の優先権があり、担保を維持する場合は担保債権部分は原則減額対象になりません(住宅ローンなどは別扱い)。
- 一方で、少額の家財や生活に必要な道具、年金の一部などは実務上で保護されることが多く、すべての財産が没収されるわけではありません。
短く言うと:財産があると「払わなければならない最低額」が上がる可能性があるが、個人再生には自宅を残せる道もあり、必ず不利というわけではありません。
2) 「どの債務整理が向いているか」の比較(財産がある場合の考え方)
- 任意整理(債権者との交渉)
- メリット:裁判所手続きではないため早く柔軟。弁護士が交渉すれば利息カットや支払期間延長が可能。
- デメリット:原則として元本カットは期待しにくい。債権者の合意が必要で、財産があると債権者が強硬になることも。
- 向く人:収入はあるが返済条件を調整したい、財産を手放したくない人。
- 個人再生(裁判所の手続)
- メリット:大幅な減額(場合によっては数十%~数分の一にまで減るケースあり)、住宅ローン特則を使えばマイホームを維持しやすい。原則として継続的な収入があれば利用可。
- デメリット:財産が一定以上あると再生計画の最低弁済額が上がる。手続には書類準備や手続期間(数ヶ月~半年程度)が必要。
- 向く人:複数の債権者・高額の無担保債務がある、住宅を残したい、収入で5年程度の分割返済が見込める人。
- 自己破産(免責)
- メリット:免責が認められれば原則借金がゼロになる。債権者への支払い終結。
- デメリット:一定の財産は換価されて配当に回されるため、処分される可能性がある。資格制限や一部職業制限がある(例:破産手続中の一部事務職など)。
- 向く人:財産がほとんどない、支払い不能で今後の経済的再建が難しい人。
財産がある場合の選び方:自宅を残したいか、処分を容認できるか、収入の見通しはどうか、財産の評価額(担保の有無含む)によって最適策が変わります。
3) 個人再生で財産があるときの扱い(実務上のポイント)
- 担保付き財産(例:住宅ローンがある家)
- 担保がある部分は担保権者の優先。住宅ローン特則を使えば、住宅ローンの返済は従来どおり支払い続けることで自宅を残す道がある。ただし、ローンを滞らせると抵当権の実行(差し押さえなど)リスクあり。
- 担保のない財産(現金、預貯金、無担保の車、不動産の所有権など)
- 破産した場合に債権者に配当されるであろう価値(「清算価値」)が高いと、個人再生での最低弁済額が増えることがあります。裁判所・再生委員が財産評価や計画の妥当性を判断します。
- 結論:財産があるときも個人再生は選択肢になりますが、「どの財産が対象になり、どれだけの弁済が必要になるか」は個別評価が必要です。
4) 費用の目安(一般的な相場)と実際の支払い例
以下は一般的な相場レンジです(事務所や地域、ケースにより差があります)。あくまで目安として参考にしてください。最終的な費用は弁護士との相談で確定させましょう。
- 任意整理
- 弁護士費用(着手金+成功報酬):1社あたり3万円~5万円の着手金+過払金回収時は成功報酬割合、または債務減額があれば減額分に応じた成功報酬。
- 期間:数ヶ月。
- 個人再生
- 弁護士費用(事件総額):30万円~70万円程度が一般的なレンジ。複雑・不動産が絡むと高くなることがある。
- 裁判所費用・郵券・再生委員費用等:数万円~十数万円程度(目安)。
- 期間:通常4~8ヶ月程度(資料準備や裁判所の手続により変動)。
- 自己破産
- 弁護士費用:20万円~50万円程度(同様に事案により変動)。
- 裁判所費用等:数万円~十数万円。
- 期間:数ヶ月~半年程度。
重要:弁護士事務所によっては分割払いに対応しているところもあります。初期費用が心配な場合は相談時に支払方法を確認してください。
5) シミュレーション(例)—— 財産がある場合の月々の支払いイメージ
下は「計算方法の見本」と「想定例」です。実際は弁護士が財産評価を行い、個別に計算します。ここでは考え方とイメージをつかむためのサンプルです。
計算手順(概念)
1. 総債務額(無担保債務+担保付き債務の区別)を把握する。
2. 「清算価値(=破産したときに換価して債権者に配当されると想定される金額)」を概算する(預貯金や換価可能な資産の市場価値など)。
3. 個人再生での予定弁済総額は、通常「実務上の再生計画の算定」と「清算価値との差」を考慮して決まる。
4. 弁済期間(通常36~60か月)で割って月額を出す。
例1(小さめの財産があるケース)
- 総債務:5,000,000円(無担保債務のみ)
- 換価可能財産(預金等):300,000円(清算価値)
- 想定再生計画弁済総額(仮)=清算価値を下回らないように見積もり、ここでは500,000円を支払う計画になったと仮定
- 返済期間:60か月
- 月額:約500,000 ÷ 60 = 約8,333円/月
例2(高額財産があるケース)
- 総債務:8,000,000円(無担保債務多数)
- 換価可能財産(不動産の自己資本など):1,500,000円(清算価値)
- 想定再生計画弁済総額(仮)=1,500,000円(最低ライン)+手取り再建分などを勘案して、合計で2,000,000円に設定されたと仮定
- 返済期間:60か月
- 月額:約2,000,000 ÷ 60 = 約33,333円/月
ポイント:
- 上の数字はあくまで「例」です。実際は裁判所の審査、再生委員の評価、債権者の集会での合意などで変わります。
- 「財産が多い=必ず個人再生が不利」ではありません。上の例1のように、財産の額が小さければ月々の負担は非常に抑えられることもあります。
6) 「まず何をすべきか」:無料相談に行く前に準備すること
弁護士の無料相談(弁護士事務所によっては初回無料)を活用して、正確なシミュレーションを受けるのが最短です。相談前に下記を用意・整理すると、より具体的な助言・見積もりが得られます。
持参・提示すると良い書類(なければ直近の情報でも可)
- 借入先一覧(業者名・残高・金利・毎月の返済額)
- 預貯金残高の明細(通帳の写しや残高証明)
- 不動産関係(登記簿謄本・ローン残高の資料・固定資産税納税通知書等)
- 車検証や自動車のローン契約書
- 給与明細(直近3か月)/源泉徴収票
- 家計の収支がわかる資料(家賃・光熱費など)
- その他、借入の経緯メモや督促状の写し
相談時に確認しておくこと
- 自分の財産がどの程度「清算価値」に該当するか
- 個人再生で自宅を残す場合の具体的な方法(住宅ローン特則の可否)
- 予想される弁護士費用の総額と分割払いの可否
- 具体的な月額支払シミュレーション(複数ケース)
- 手続にかかる期間・リスク(職業制限や信用情報の扱い)
7) 弁護士事務所・専門家の選び方(比較ポイント)
- 消費者債務の取扱い経験:個人再生・自己破産・任意整理の実績が豊富か。
- 住宅ローン特則や不動産絡みの対応経験:不動産が関係する場合は重要。
- 料金体系が明瞭か:着手金・報酬、裁判所費用等の内訳を明確に提示するか。
- 支払い方法の柔軟性:分割払いや成功報酬の有無。
- 相談のしやすさ・レスポンス:実務ではやり取りが頻繁になるため連絡体制が重要。
- 無料相談の有無と、その相談でどの程度のシミュレーションが出るか(概算でなく具体的な月額提示ができるか)。
選ぶ理由としては「不動産や財産が絡むケースほど、経験がある事務所を選ぶべき」ことを強くおすすめします。
8) 最後に(おすすめのアクション)
1. まずは弁護士の初回相談(無料で行っている事務所が多い)を利用して、あなたの具体的な「財産評価」と「想定弁済額」を出してもらってください。
2. 相談時は上記の書類を持参し、複数の事務所で見積もり・意見を比較するのが安心です。
3. 相談の際、弁護士に「個人再生で自宅を守れるか」「想定される月額」「総費用(弁護士費用+裁判所費用)」の3点は必ず明確にしてもらいましょう。
4. 最終的な判断は「自宅・大きな財産を残すか」「今後の収入で返済可能か」「破産で一度清算した方が生活再建につながるか」を総合的に考えて決めてください。
個別のシミュレーションや手続の進め方については、まずは無料相談で具体数値を出してもらうのが近道です。資料を揃えて相談に行くだけで、あなたにとって現実的な選択肢(任意整理・個人再生・自己破産の比較)を明確に示してくれます。必要なら、相談の準備や質問リスト作成のお手伝いもできます。どうしますか?相談時に聞くべき質問リストを作りますか。
1. 個人再生と財産の基本理解|財産がある場合の全体像を掴む
個人再生(個人民事再生手続)は、借金を大幅に減額し、原則として3~5年で分割返済する手続きです。財産があると「再生計画で実際に支払う額」が増えるケースがありますが、制度自体は財産保有を理由に排除しません。ここではまず基本ルールと、財産がある場合に必ず押さえておきたい考え方を整理します。
1-1. 個人再生の目的と財産との基本的な関係
個人再生の目的は「生活再建」を優先しつつ、債権者に一定の配当を行うことです。裁判所は「もし破産したら債権者は財産を換価して配当を受けるだろう」という観点で、個人再生の再生計画がそれに劣後していないかを確認します(清算価値保障の考え方)。つまり、所有財産のうち「換価可能な部分」は再生計画で考慮され、支払総額に反映される可能性があります。
- 重要なポイント:財産がある=必ず失う、ではない。評価・換価の対象か、自由財産(保護される財産)に該当するかがポイントです。
1-2. 換価の対象財産と自由財産の区別
「換価の対象」としてまずチェックされるのは、簡単に売れる資産(不動産、現金、預貯金、有価証券、貴金属、車など)です。一方、生活必需品や一定額までの現金、業務に不可欠な機械などは裁判所や担当者によって保護される場合があります(自由財産)。ただし、自由財産と認められる範囲は制度や裁判所運用によって差が出ます。
- 実務メモ:地方裁判所の運用差があるため、同じ資産でも裁判所によって扱いが変わるケースあり。事前に地裁の運用や担当弁護士の経験を確認するのが賢明です。
1-3. 免責と財産の取り扱いの基本原則
「免責」は主に破産手続で出てくる概念ですが、個人再生では「再生計画で定めた弁済を終えれば残債務が免除される」点は同様です。しかし、再生計画の前提にある「支払総額」は財産の評価に左右されます。つまり財産が多ければ「免除される額」は相対的に小さくなることがある、という理解が必要です。
1-4. 住宅資金特例(住宅ローン特則)の意味と適用の大枠
住宅資金特例(住宅ローン特則)は、ローンで担保された住宅を残すための特別ルールです。要点は次の通りです。
- 住宅ローンが付いた自宅については、原則そのローン債権の部分は再生計画の対象外にできる(ローンは従来どおり支払い継続)。
- その代わり、ローン以外の債務(無担保債務)は再生計画で軽減されうる。
- 適用には細かな条件(所有・居住状況、ローンの性質、裁判所の判断など)があるため、申立て前に確認が必要。
実際、住宅ローン特則を使って自宅を残したまま個人再生を行うケースは多く、私の相談経験でも自宅を守れた例が複数あります。ただし、ローン滞納が続いていると裁判所や債権者の対応が厳しくなることがあるため、早めの相談が重要です。
1-5. 財産がある場合の審査ポイントと判断の流れ
裁判所が見る主なポイントは以下です。
- 所有財産の種類と評価額(時価・換価可能性)
- 債務総額と返済能力(収入・可処分所得)
- 住宅ローンの有無とその担保関係
- 相続予定や既に受けた遺産の有無
- 申立人の誠実性(開示の適正性)
これらを踏まえ、弁護士や裁判所が「再生計画での弁済額」と「もし破産なら得られる配当額(換価額)」を比較します。
1-6. 実務的な申立て準備の流れ(いつ・誰に・何を出すか)
基本的な流れは次の通りです(実務の順序・書式は裁判所や事案により異なる)。
1. 弁護士・司法書士あるいは法テラスで事前相談
2. 財産・債務の一覧作成(不動産登記簿、預貯金通帳、有価証券明細、車検証、評価見積もり等)
3. 再生計画案の素案作成(弁済案と現金化見込み)
4. 申立て(地方裁判所への申立書提出)と並行して債権者への通知
5. 債権者集会・裁判所の審査・計画認可
6. 認可後に分割弁済を実行
必要書類は多岐にわたり、特に不動産関係や収入証明は必須です。弁護士に依頼すると手間はかなり軽くなります。
2. 財産カテゴリー別の取り扱いと戦略|実務的な判断ポイント
ここでは具体的な資産別に、個人再生でどう扱われるか、どんな戦略があるかを見ていきます。自分のケースに当てはめて、事前に想定できるリスクと選択肢を整理しましょう。
2-1. 不動産を所有している場合の扱いと選択肢
不動産(自宅・投資物件)の扱いは最も重要です。選択肢は主に次の3つです。
- 住宅ローン特例を使って自宅を残す(ローンはそのまま継続)
- 再生計画で不動産を換価して債務弁済に充てる(売却)
- 任意売却や譲渡で債務の一部を処理する
ポイントは「担保であるか」「担保価値と負債のバランス」「居住継続の必要性」。例えば住宅ローンの残高が担保価値を超えている(いわゆるオーバーローン)場合、売却よりも住宅ローン特則を使う方が有効な場合があります。逆に投資用不動産で利益が見込めるなら、売却して債務を圧縮するという選択もあります。
私の経験談:相談事例では、ローン残債が大きく返済不能だったケースで、住宅ローン特則を活用して自宅を維持しつつ無担保債務を再生計画で圧縮した結果、精神的にも生活面でも安定した例がありました。重要なのは「銀行との交渉をどう整理するか」です。
2-2. 現金・預貯金・有価証券の扱いと計画
現金や預貯金は換価が容易なため、再生計画で評価されやすい資産です。日常生活上不可欠な一定額(生活費)は考慮されますが、大きな貯金があるとその分だけ支払総額が上がる可能性があります。有価証券(株式・投資信託)は評価変動があるため、申立時の時価で扱われます。
- 戦略例:資産の一部を生活必需品に置き換える、または早めに専門家に相談して最も損失が少ない換価方法を検討すること。但し、意図的な財産隠匿は違法で、後で不利になります。
2-3. 自動車・機械・宝石・貴金属などの資産の扱い
車両や貴金属、宝石は比較的換金しやすい資産です。業務で必須の車両や機械は、事業継続のために保護されるケースもありますが、その場合でも評価が行われ、計画に反映されます。高級時計や宝飾品は換価対象になりやすいです。
- 実務のコツ:査定業者や専門家の見積もりを複数取り、裁判所に提示することで評価の妥当性を主張できます。
2-4. 事業用資産がある場合の評価と処分の可能性
自営業者や店舗経営者の場合、事業用資産(機械、在庫、店舗設備)が問題になります。これらは業務継続に不可欠な場合は保護される可能性がありますが、資産価値が高ければ換価が求められることもあります。また、在庫は流動性が低いため評価方法がポイントになります。
- 実務アドバイス:税理士や事業再生の専門家と協働して、事業価値と個人財産を分けて評価することが重要です。早期に売却やリース転換を検討することも実務的には有効です。
2-5. 相続財産・遺産分割が絡むケースの注意点
相続財産がある場合は扱いが複雑です。相続が既に発生しているか、将来的な相続見込みかで対応が異なります。
- 既に受け取った遺産(現金、不動産等)は申告が必要で、換価対象になり得ます。
- 将来相続が見込まれる場合、その権利自体(相続分)は再生手続で考慮される場合があります。
- 遺産分割が未了の場合、分割協議の内容次第で債務整理に影響が出ます。
実務上の注意:相続開始前後での財産移転は債権者から「偏頗弁済」や「財産隠匿」と見なされるリスクがあり、裁判所でも精査されます。専門家と連携して正確に開示することが必須です。
2-6. 財産がある場合の再生計画案の作成ポイント
再生計画案は「支払能力」と「換価可能性」に基づいて現実的に作る必要があります。主な構成要素は以下です。
- 支払総額の設定(可処分所得×年数、清算価値の考慮)
- 支払期間(通常3年~5年)
- 住宅ローン特則適用の有無の明示
- 財産の評価と換価スケジュール
- 部分的弁済や分割回数の提示
実務的には、裁判所や債権者に合理性を説明できる根拠(査定書、収支表、見積書)を添付すると通りやすくなります。
2-7. 住宅の維持と再生計画の両立戦略
自宅を守りつつ再生を成功させるためのポイントは次の通りです。
- 銀行と綿密に交渉し、ローンの条件継続を確認する
- 再生計画で無理のない弁済額を設定(生活費を圧迫しない)
- 万が一に備え、任意売却や住み替えプランも同時に検討
経験上、銀行が抵当権を行使する前に早めに対策(交渉・再建計画)を打つと選択肢が増えます。
3. ケース別の具体シナリオと手続きの実務対応|現実的な選択肢を検討する
ここでは典型的な状況ごとに具体的な対応策と注意点を示します。自分の状況に近いケースを読み、どの選択肢が現実的かを判断してください。
3-1. 自宅を保有しつつ個人再生を選ぶ場合のシミュレーション
シナリオ例:30代・サラリーマンで自宅ローン残高がある。無担保債務が多い場合、住宅ローン特則を使う選択肢が有力です。手順は以下になります。
1. 住宅ローン特則を適用する旨を再生計画案に明記
2. 銀行に対し、ローン継続の合意を得る(支払を続ける意思を示す)
3. 裁判所へ住宅ローンと担保の現況を詳述(登記簿、ローン残高証明)
4. 再生計画が認可されれば無担保債務のみ圧縮
実務ポイント:銀行が合意しないケースもあるので、早期に銀行と接触して方針を確認しましょう。
3-2. 自営業で資産があるケースの対応策と注意点
自営業者は事業用資産と私財を分けて評価する必要があります。実務対応では、収益性を根拠に「事業継続に不可欠」と主張するケースが多いです。また、税理士の作成する試算表や収支見込みを添付すると説得力が増します。もし在庫や機材を処分してでも債務を圧縮するか、事業を縮小して生活基盤を確保するか、選択を迫られることがあります。
3-3. 相続財産がある場合の優先順位と手続き
相続が絡む場合の現実的な順序は次のとおりです。
- 相続が既に完了している場合:受遺財産は申告対象。評価と換価計画が必要。
- 相続がこれからのケース:可能性としての相続分や期待権は裁判所で査定される場合あり。遺産分割協議は早めに進めて、配当の見込みを明確にする。
注意点:相続関連の財産移転や贈与は、債権者が異議を出す可能性があります。争点になりやすいため、専門家と密に連携することを勧めます。
3-4. 貯蓄が多い場合のリスクと対処法
貯蓄が多い場合、換価対象にされて支払総額が上がるリスクがあります。対処法としては:
- 生活必需品の支出計画を明示して必要最低限を確保する
- 金融商品を急いで現金化してしまうと「隠匿」と見なされるリスクがあるため、必ず専門家に相談して手続きを行う
- 再生計画での弁済スケジュールを現実的にし、裁判所に納得できる根拠を示す
経験上、適切に開示して正面から評価を受けるほうが結果的に有利になります。
3-5. 連帯保証人・保証会社が関与するケースの影響
連帯保証人がいる債務は、個人再生で債務が減額されても、保証人に対する求償関係が残ることがあります。特に保証会社が介在する商業ローンでは、保証会社が代位弁済後に保証人(申立人)に求償してくる可能性があり、保証人を守る観点からの配慮が必要です。
- ポイント:再生による債務圧縮は本人の債務関係の整理が主目的。保証人や連帯債務者の立場については別途リスク管理が必要です。
3-6. 専門家のサポート活用と相談窓口の使い分け
どの段階でも専門家のサポートが有効です。目安として:
- 事前相談:法テラス(日本司法支援センター)や最寄りの弁護士会の無料相談を活用
- 手続き代行:弁護士(個人再生の経験豊富な弁護士がおすすめ)
- 面倒な書類作成や登記・査定:司法書士や税理士を併用
私の経験では、事務的手続きを弁護士に任せると手続きのスピードと通過率が上がります。費用はケースにより変動するため、見積もりを複数取るとよいでしょう。
3-7. 実際の審査で見落としやすいポイントと対策
よく見落とされるポイントには次が含まれます。
- 収入の一時的増減(ボーナスや臨時収入)を反映し忘れる
- 相続や贈与のタイミングとその説明不足
- 売却予定の不動産評価の根拠が弱い
- 連帯保証人に関する説明不足
対策として、事前に必要資料をリストアップし、専門家にチェックしてもらうこと。特に不動産や有価証券の評価は、査定書や市場価格の根拠を残すと裁判所の審査がスムーズになります。
最終セクション: まとめ
まとめると、財産がある場合でも個人再生は実行可能で、重要なのは「透明な開示」と「現実的で説得力のある再生計画」です。特に自宅を守りたい場合は住宅資金特例の活用、事業資産がある場合は事業継続の必要性を証明すること、相続が絡む場合はタイミングと開示の正確性が鍵になります。実務では地方裁判所ごとの運用差や金融機関の対応によって結果が変わるため、早めに経験豊富な弁護士や税理士に相談することを強くおすすめします。
私の体験的アドバイス:
- まずは現状の資産・負債を一覧にして、重要な書類(登記事項証明書、通帳、税関連書類)を揃えましょう。
- 次に法テラスや弁護士会の相談で方向性を決め、弁護士と再生計画案を作成するのが安全です。
- 財産を急いで処分したり、第三者に移転すると後で不利になる可能性があるので、必ず専門家に相談した上で手続きを進めてください。
よくある質問(FAQ)
Q1:貯金が少しだけある場合、申告しないとばれますか?
A:申告義務があります。金融機関や税務情報から把握される可能性があり、後で不利になるリスクがあります。正直に開示しましょう。
Q2:住宅ローン特則は誰でも使えますか?
A:要件があります。自宅であること、ローンが住宅取得のためのものであること、再生計画でローン以外の債務処理が明確であること、などが関わります。事前に弁護士と確認してください。
Q3:相続があると申立ては遅らせた方が良いですか?
A:ケースバイケースです。遅らせることで相続で得た財産が換価対象になることもあり得るため、タイミングや遺産分割の見通しを専門家と相談の上で判断してください。
個人再生で車を残せる?「清算価値」の計算方法と手続きの全ポイントをやさしく解説
最後に一言:早めの相談が最大の防御です。話を先延ばしにすると取れる選択肢が減ります。まずは書類を揃えて、専門家と一緒に最適なプランを作っていきましょう。
出典・参考(本文中では引用していないが、情報は下記を基に整理しています)
- 裁判所(民事再生関係の実務解説、手続案内)
- 法務省(民事再生法の概要)
- 法テラス(日本司法支援センター)の相談事例・手続き案内
- 日本弁護士連合会・各地弁護士会の個人再生に関する実務ガイド
- 実務書籍・判例集(個人民事再生手続に関する解説書)