個人再生 不動産 清算価値を徹底解説|自宅を守る判断と計算の実務ガイド

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個人再生 不動産 清算価値を徹底解説|自宅を守る判断と計算の実務ガイド

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この記事を読むことで分かるメリットと結論

- 個人再生手続きで「自宅を残せるかどうか」の判断基準と結論がすぐにわかる。
- 清算価値(Liquidation Value)の計算方法と、不動産評価で押さえるべきポイントを具体例で理解できる。
- 住宅資金特例や小規模個人再生での実務的な対応、任意売却・競売の影響を実務視点で学べる。
- 手続きに必要な書類、裁判所や管財人とのやりとり、専門家を使うタイミングまで実践的に整理できる。



「個人再生」と「不動産の清算価値」──家を持っていても再生できる?費用・返済シミュレーションつきでわかりやすく解説


まず結論を簡潔に:
- 個人再生は「借金を減らしつつ財産(一部を含む)を維持できる」手続きです。住宅ローンがある場合でも、条件次第で自宅を残せる可能性があります。
- ただし「清算価値(=破産したときに債権者に分配される価値)」が再生計画の下限(最低弁済額)を左右します。自宅の“実質的な持分(時価−売却費−担保権)”が高ければ、返済総額が増えることがあります。
- 結果は個別事情で大きく変わるので、早めに専門の弁護士に無料相談して、権利関係や評価を正確に把握するのが最短ルートです。

以下、疑問を一つずつ解消し、想定ケースの費用・返済シミュレーションまで示します。

1) 個人再生とは簡単に言うと?

- 裁判所を使って借金の返済額と返済期間を見直す手続きです。
- 借金の一部を法律で減額(または分割の変更)して、原則として5年程度で分割返済することが多い(ただし個々の手続きタイプや裁判所判断で変わります)。
- 住宅ローンを抱えている場合でも、「住宅ローン特則」などを利用して自宅を維持しながら他の債務だけを整理する道があります(要件あり)。

※注意:個人再生と自己破産は別物。自己破産は財産がほぼ処分されて債務が免除されますが、財産の喪失や資格制限などの影響があります。任意整理は債権者と直接交渉して利息カット等を行う私的整理です。

2) 「清算価値(せいさんかち)」とは何か? 不動産がどう関係するのか

- 清算価値=もし「破産(自己破産)」したときに債権者が回収できる額の見込みです。
- 具体的には、資産(不動産、預貯金、車など)の売却で得られる見込額から、売却にかかる費用(仲介手数料や譲渡費用、登記費用など)や担保権(抵当権など)の優先弁済分を差し引いた「債権者配当可能な額」です。
- 個人再生での最低弁済額は、原則として「破産した場合に債権者が受け取る見込み額(=清算価値)」を下回れないため、不動産の実質的な持ち分が大きいと再生後の返済総額が高くなることがあります。

例示(イメージ):
- 家の時価 2,000万円、売却費用等で200万円、抵当権残債が1,600万円 → 残るのは200万円 → これが清算価値の一部となり、再生計画の下限に影響。

3) 具体的な影響パターン(不動産保有者の典型ケース)

1. 自宅の時価 − 抵当債権 > 0(いわゆる「持ち分(正味資産)」があるケース)
- 清算価値が増え、再生での最低弁済額が大きくなる可能性。
- ただし住宅ローン特則を使い、住宅ローンは従来通り払いつつ他の債務を圧縮する運用も可能(要件・裁判所判断あり)。

2. 自宅の時価 − 抵当債権 ≦ 0(任意売却しても債務超過する、いわゆる「水没」ケース)
- 清算価値がゼロに近くなり、再生での最低弁済への影響は小さい。
- 自宅を残す手続きも比較的取りやすい場合がある。

3. 不動産が複数ある、あるいは賃貸物件を所有している
- 収益物件や複数不動産があると清算価値が大きくなる場合が多く、再生の可否・回収額に影響が出ます。

重要:評価(時価)は専門的判断が必要。不動産の査定次第で結論が変わるため、早めに専門家に評価してもらうことが大切です。

4) シミュレーション:3つの想定ケースで計算してみる

※以下は「説明用の仮定」として具体的数値で示します。実際は評価や費用で変動します。最終判断は弁護士・不動産鑑定で確認してください。

前提(共通):他の無担保債務合計=500万円(カード・消費者ローンなど)

ケースA:自宅に十分な“持ち分”がある(影響大)
- 自宅時価:2,000万円
- 抵当債務(住宅ローン残高):1,200万円
- 売却経費(仲介手数料等概算):120万円
- 清算価値の計算(概算):
- 2,000万円 − 120万円 − 1,200万円 = 680万円
- ここから、破産時に債権者に分配される可能性が約680万円なので、個人再生の最低弁済額は概ねこれを下回れない可能性があります(注:他資産や債権者構成で変動)。
- 結果イメージ:無担保債務500万円を抱える人が、清算価値680万円なら、再生での支払総額は少なくとも680万円程度になる可能性があるため、借金の減額効果は限定的。代替として任意整理や自己破産を含む総合検討が必要。

ケースB:自宅が債務超過(影響小)
- 自宅時価:2,000万円
- 抵当債務:2,300万円(ローンが上回っている)
- 売却経費:120万円
- 清算価値:
- 2,000万円 − 120万円 − 2,300万円 = −420万円 → 実質ゼロ扱い
- 結果イメージ:清算価値はほぼゼロなので、個人再生での最低弁済額は小さく抑えられる見込み。自宅を残す住宅ローン特則を活用できれば、他の債務だけ整理して生活再建がしやすい場合がある。

ケースC:賃貸物件など別の不動産を所有(高い影響)
- 自宅時価:1,800万円、抵当:1,200万円、売却費:110万円
- 投資用不動産時価:1,000万円、抵当:300万円、売却費:60万円
- 清算価値合計:
- 自宅:1,800 − 110 − 1,200 = 490万円
- 投資物件:1,000 − 60 − 300 = 640万円
- 合計 = 1,130万円
- 結果イメージ:清算価値が大きく出るため、再生での最低弁済額が高くなる。投資用不動産の扱いで結論が大きく影響する。

以上のように、不動産があるかどうか、抵当権の残高、時価、売却費用によって清算価値は大きく変わります。個別査定と法律的検討が不可欠です。

5) 個人再生にかかる費用(目安)と期間

※下記は一般的な目安です。事務所・地域・案件の複雑さによって幅があります。

- 弁護士・司法書士の着手金・成功報酬(目安)
- 着手金:20~50万円程度(事務所により低め~高め)
- 報酬(再生計画成立時):30~100万円程度(住宅ローン特則を使う場合は高めになることが多い)
- 総額の目安:30~100万円~数十万円~100万円台(簡易な案件は安め、住宅ローン特則や不動産複数所有は高め)
- 裁判所費用・実費
- 書類作成や登記費用、郵便費用、鑑定費用等が別途必要。数万円~十数万円が一般的な目安です。鑑定が必要な場合は鑑定費が数十万円かかることもあります。
- 期間
- 書類準備から再生計画認可まで:おおむね4~12ヶ月が一般的(事情により短くも長くもなる)。
- 再生計画の履行期間:通常3~5年程度(個別の条件で変動)。

必ず「見積りを複数の事務所で確認」し、費用内訳が明確な弁護士を選んでください。

6) 競合する債務整理の方法と違い(選び方)

- 任意整理
- 特徴:債権者と直接交渉して利息カットや分割を合意する方法。裁判所を使わない。
- 向いている人:主に利息・遅延損害金の整理が目的で、財産を残したい人。住宅ローンの整理が不要なケース。
- メリット:手続きが比較的短期間で費用が安いことが多い。
- デメリット:債権者の同意が必要で、合意できない債権者がいると全体解決になりにくい。

- 個人再生
- 特徴:裁判所を通じて法的に債務を減額し、再生計画に従って返済する。住宅ローンを残して他の債務を整理できる可能性あり。
- 向いている人:住宅を残したい、かつ一定の収入があり返済計画が立てられる人。債権者の同意が得られなくても手続きできる点が強み。
- メリット:大幅な債務圧縮が可能で、住宅を維持する道もある。
- デメリット:手続きが複雑で費用と時間がかかる。清算価値次第で減額効果が限定される場合がある。

- 自己破産
- 特徴:裁判所で免責が認められれば原則として借金が免除される。
- 向いている人:返済不能で、財産を処分してでも債務免除を受けたい人。
- メリット:借金がゼロにできる可能性がある。
- デメリット:住宅など多くの財産は処分対象になりうる。職業上の制限や社会的影響が生じることもある。

選び方のポイント:
- 自宅を失いたくない → 個人再生(住宅ローン特則)の検討
- 財産少なく返済不能 → 自己破産の検討
- まだ支払い能力があり手早く利息削減で対応したい → 任意整理
最終判断は弁護士に収入・資産・債権者構成を見てもらった上で決めるのが確実です。

7) 良い弁護士・事務所の選び方(チェックリスト)

- 個人再生(住宅ローン特則)の取扱経験が豊富か
- 不動産評価や鑑定人手配の実績があるか
- 費用の内訳が明確か(着手金・報酬・実費の区別)
- 初回相談が無料または低額で、説明がわかりやすいか
- 連絡や進捗報告の体制が整っているか(担当者がつくか)
- 実務での裁判所対応経験(地元裁判所の慣例に精通しているか)
- 評判や口コミ(ただし過度に鵜呑みにせず複数確認)

弁護士は「単に書類を出す人」ではなく、「生活再建のパートナー」です。費用やコミュニケーションの相性は慎重に見てください。

8) まず何をすべきか(次の3ステップ)

1. 現状の整理(無料でできる)
- 借入先・残高・利率・返済日を一覧にする
- 自宅のローン残高と最近の査定額(不動産業者の簡易査定でも可)を準備
- 預貯金・車・その他資産の有無を把握

2. 弁護士の無料相談を受ける(早めに)
- 「個人再生」「住宅ローン特則」に経験がある弁護士を選び、無料相談を申し込む
- 上記の一覧を持参すると具体的アドバイスが得られやすい

3. 評価と方針決定
- 弁護士が不動産評価や債権者の状況を精査し、最適な債務整理手段(任意整理/個人再生/自己破産)を提示してくれます
- 費用見積り、期間、想定結果(自宅を残せるか否か)を示してもらい、納得したら正式依頼へ

9) よくある質問(簡潔に)

Q. 「家のローンが残っていたら必ず自宅は手放すのか?」
A. いいえ。住宅ローン特則の利用や、抵当権の状況次第で自宅を残せるケースがあります。ただし清算価値が高い場合は影響します。

Q. 「清算価値はどうやって決まるの?」
A. 基本は市場価値(査定)−売却に要する費用−担保権等の優先弁済額です。評価方法や売却コストの考え方で差が出ますので、専門家による査定が必要です。

Q. 「弁護士費用は折り合わない場合はどうする?」
A. 事務所によっては分割払いに対応したり、費用構成を工夫してくれるところもあります。複数相談して比較検討してください。

10) 最後に(行動を促す)

不動産が関係する債務整理は、評価や権利関係の確認が成否を大きく左右します。まずは下記の準備をして、個人再生やその他の債務整理に強い弁護士の無料相談を受けてください。

準備リスト(持参推奨)
- 借入一覧(金融機関名、残高、利率、契約書)
- 住宅ローン契約書(残高証明)
- 売却査定(不動産業者の簡易査定で可)
- 預金通帳の写し、給与明細(最近数ヶ月分)
- 住民票や登記簿謄本(可能なら)

無料相談で「自分の清算価値の見込み」「最も現実的な手続き」「概算費用と期間」を確認し、納得したうえで正式依頼するのが安全で効率的な再建の近道です。まずは一度、相談を予約してみてください。


1. 個人再生と不動産の基本を押さえる — まず「全体像」をつかもう

個人再生(民事再生の個人向け手続)は、過剰な借金を合理的に整理して生活を続けるための裁判所手続きです。再生計画に基づき、債務の一部を圧縮して一定期間で返済する仕組みで、自己破産のように原則として財産を全部処分するわけではありません。ただし「清算価値(せいさんかち)」という概念が重要で、これはもし破産(清算)した場合に債権者に分配されるであろう金額を指します。個人再生では、債権者が再生計画で受け取る額がこの清算価値より下回ってはならない、つまり最低限の保証として清算価値が参照されます。

不動産(特に自宅)は高額資産なので、清算価値の算定で結果が大きく左右されます。具体的には、不動産の市場評価額から、競売時の差引コスト(売却手数料や税金、滞納費用、引越し費用、登記抹消費用など)を引いた「実際に債権者が取り戻せる見込み額」が清算価値に反映されます。個人再生で自宅を守るかどうかは、清算価値の計算結果と「住宅資金特例(住宅ローン特則)」の可否、再生計画での支払能力との兼ね合いで決まります。

実務経験では、清算価値の算定は裁判所・管財人・債権者間で争点になりやすく、鑑定評価や固定資産評価証明、近隣の取引事例を揃えて合理的に説明することが重要でした。後のセクションで具体的な書類と足し算の方法を示します。

1-1. 個人再生とはどんな手続きか(基礎)

個人再生は「破産ほど厳しくはないが支払不能を正面から解消する」選択肢です。小規模個人再生(債権者数が少ないなど)と給与所得者等再生(雇用形態に応じたルール)などの類型があります。裁判所が再生計画を認可すれば、計画期間(通常3~5年)で残債の一部を返済し、完了すると残債が免除されます。ここで大事なのは「再生計画で債権者に配当される額が、清算価値相当額以上であること」が求められる点です。

1-2. 清算価値の意味と役割(なぜ重要か)

清算価値は「破産した場合に債権者が得るであろう金額」。個人再生では、債権者が再生を受け入れる最低ラインとして扱われます。たとえば不動産の市場価格が高くても、競売での落札価格は市場価格より低いことが多く、そこから売却費用を差し引いた額が清算価値に反映されます。清算価値が高いと、再生計画で支払う総額も増えます(自宅を残す判断が難しくなる可能性)。

1-3. 不動産が清算対象になる条件(基本)

原則として、債務者が所有する換価可能な資産は清算価値の対象です。自宅も対象になりますが、以下の点が影響します。
- 抵当権などの担保がついているか(担保額は優先的に回収)
- 居住用不動産で「住宅資金特例」を使えるか(次節で詳述)
- 固定資産税評価額や市場の取引事例、近隣の相場による実勢価値
- 競売や任意売却での予想売却額と諸費用

1-4. 清算価値と再生計画の関係性(相互作用)

再生計画は、清算価値を下回ってはいけません。つまり、清算価値が大きいほど、再生計画での債権者への支払総額も大きく計算されます。逆に清算価値を合理的に下げられれば、再生計画は有利になります。実務では、不動産の評価方法(鑑定・路線価・取引事例)を組み合わせて清算価値を示し、裁判所の了解を得る努力をします。

1-5. 競売・任意売却との違いと選択肢(実務上重要)

競売(強制執行)と任意売却(債権者の同意を得て売る)は売却方法によって想定回収額が変わります。競売は一般に成約価格が低く、売却費用も差し引かれるため清算価値が低く算定されがちです。一方、任意売却は仲介手数料などの費用は発生するものの、買手が広がるため高値が付きやすく、結果として債権者回収額が高くなる場合があります。どちらを選ぶかは、債務者の希望、ローン残高、債権者(金融機関)の対応に左右されます。

1-6. 実務でのポイントと注意点(経験談)

私が相談を受けたケースでは、固定資産税評価額ベースでしか説明せずに清算価値が高く見積もられ、再生計画の可否が危ぶまれた例があります。そこで不動産鑑定士の簡易鑑定と近隣の取引事例を整理して提出したところ、裁判所の認識が変わり、住宅資金特例を利用して自宅を維持できたケースもありました。大事なのは「数字で説明できる根拠」を用意することです。

2. 清算価値の計算と評価の実務 — 数字で示す方法

清算価値の計算は、単純な「評価額-ローン残高」では終わりません。実際に債権者が回収できる見込み(実行可能額)を合理的に示す必要があります。ここでは実務で使われる主要な方法と計算の流れを具体的に示します。

2-1. 清算価値の計算の基本的考え方

基本は「想定される売却価格(市場・競売いずれか)-売却にかかる費用(仲介手数料、引越費用、登記抹消費用、税金、競売費用等)-優先弁済される担保債権の金額=清算価値(債権者が得る正味)」という流れです。たとえば簡単な計算例:
- 市場価格(想定任意売却) 3,000万円
- 仲介手数料等(約3%+消費税) 100万円
- 抵当権の優先回収額(ローン残高) 2,600万円
→ 清算価値 = 3,000 - 100 - 2,600 = 300万円
ただし、競売想定では落札価格が市場価格の60~80%程度になることが多いため、ここでの想定を変えると最終値は大きく変動します。

2-2. 不動産評価の主な方法と使い分け

不動産評価の代表的手法は3つあります。
- 取引事例比較法:近隣の成約事例を比較し、類似性に基づき価格を推定。居住用不動産でよく使われます。
- 収益還元法:賃貸収入がある物件向け。将来の収益を割引いて現在価値を出します。
- 原価法:土地と建物の再調達原価を積算する方法。特殊物件向け。
実務では、取引事例比較法+固定資産税評価額や路線価等の補助資料を組み合わせ、必要なら不動産鑑定士による鑑定評価書を添付します。鑑定士の鑑定書は説得力が強く、裁判所や管財人に対する根拠として有効です。

2-3. 路線価・公示地価・取引事例比較の使い方

- 公示地価・基準地価:国土交通省が公表。広域の価格動向を示す。
- 路線価:国税庁が公表。相続税・贈与税の課税基準だが、評価の目安になる。
- 取引事例比較:不動産流通機構(REINS)や国土交通省の取引価格情報を参考に、同種の物件での実取引価格を探す。
これらを組み合わせ、実務では「公的指標で下限を示し、近隣取引で実勢を示す」やり方が多いです。競売予想価格は公示価格や過去の競落比率を踏まえた安全側の推定を行います。

2-4. 清算価値 vs 市場価値の差を理解する

市場価値は「その物件なら売れるであろう価格(任意売却想定)」、清算価値は「実際に換価され、債権者に配当されるであろう正味金額」です。差の主因は売却手段(任意売却か競売か)、諸費用、抵当権等の優先弁済、滞納税などです。実務的には市場価値の70%前後を保守的な清算価値として用いることが多いですが、地域や物件の特殊性により変わります。

2-5. 競売・任意売却の費用と影響(数値でイメージ)

競売時は、差押え費用、開札費用、清算にかかる弁護士報酬等が発生し、売却価格も低めになりやすいです。一方任意売却は仲介手数料(通常売買価格の3%+6万円+税)や譲渡所得税の控除などが考慮されます。例:市場価格3,000万円の場合
- 任意売却後の正味回収 = 3,000 - 仲介手数料100 - 残債2,600 = 300万円
- 競売想定(落札率65%)= 1,950万円 - 手数料等100万円 - 残債2,600 = -750万円(=債権者の回収は残債を下回るので、抵当権処理や追加差押等で調整)
こうした差が清算価値の大きな要因になります。

2-6. 専門家(弁護士・司法書士・不動産鑑定士)活用の重要性と選び方

- 弁護士:個人再生や債権者との交渉、裁判所提出書類の作成で必須級。
- 司法書士:登記・ローン残高の確認、抵当権処理の補助。
- 不動産鑑定士:裁判所・管財人に提出する鑑定評価書の作成。非常に説得力あり。
選び方は、個人再生の取り扱い実績、裁判所での交渉経験、不動産評価に強いかを確認してください。私の経験則では、鑑定があると清算価値の交渉がスムーズに進むケースが多かったです。

3. 住まいを守る選択肢と条件 — 自宅を残すための現実的ステップ

自宅を守りたい場合、利用できる主な手段は「住宅資金特例の適用(住宅ローン特則)」、小規模個人再生での扱い、あるいは任意売却による利得の最大化です。ここで具体的な条件とリスクを示します。

3-1. 小規模個人再生での不動産の扱い

小規模個人再生では、原則として所有財産は対象になりますが、再生計画で自宅を残すための条件を満たせば維持可能です。重要なのは、再生計画が清算価値を下回らないこと、住宅ローンに関しては「住宅資金特例」の適用可否(後述)を整理することです。

3-2. 住宅資金特例の適用条件と適用範囲(わかりやすく)

住宅資金特例(一般に「住宅ローン特則」と呼ばれる)は、居住用不動産に設定された住宅ローンを抱える債務者が、再生計画においてその住宅ローンについて別扱いを受け、自宅を維持できる制度です。主なポイント:
- 対象は「居住用の住宅」であること(一定の条件あり)
- ローンが抵当権で担保されていること(金融機関が対象債権者)
- 債務者はローンの支払いを継続する意思と支払可能性を示す必要がある
- 再生計画では住宅ローンを除く他の債務の圧縮割合が決まる
適用には裁判所の許可が必要で、債権者(主に住宅ローンの貸し手)との協議が重要です。制度は自宅を守る強力な選択肢になりますが、将来にわたる住宅ローン返済の継続が必要なため、返済見通しが立たない場合は適用が困難です。

3-3. 自宅を残す場合のリスクと注意点

自宅を残すことは心理的負担が軽いですがリスクもあります。
- 住宅ローンの支払いが継続するため、返済不能になれば最終的に競売になるリスク。
- 再生計画での支払が完了しないと免責が認められない可能性。
- 家族や相続に絡む複雑さ(配偶者や共有持分がある場合)。
- 再生後も住宅の売却や転居をする際に制約が生じることがある。
これらを踏まえ、現実的な生活収支のシュミレーションをしておくことが必須です。

3-4. 自宅を手放すべきか判断する基準(実務的なチェックリスト)

- ローンを今後支払える見込みがあるか(収入見通し・家計を試算)
- 清算価値が低く、再生計画の負担が小さいか
- 任意売却で得られる受取額と競売での想定差を比較(任意売却の方が高ければ売却のメリットあり)
- 家族の居住ニーズ(子どもの通学や妻の職場など)
- 相続・共有名義など法的リスク
数値がキー(毎月の手取り、ローン残高、想定売却価格)なので、専門家と数値シュミレーションを行いましょう。

3-5. 自宅以外の資産の活用・代替案

- 他の不動産の売却や賃貸化(賃貸に回すことで収入化)
- 生命保険解約金、退職金の一部活用(税務上の影響を確認)
- 親族からの一時的な資金援助(贈与税や将来の相続影響に注意)
- 事業資産がある場合は事業再構築による収益改善
代替案は家計を立て直す観点で検討し、長期的な見通しを作ることが大切です。

3-6. 実務上の判断ポイントと失敗を避けるコツ(アドバイス)

- 数字は保守的に見積もる(競売リスクを常に想定)
- 鑑定書や取引事例を早めに取得して裁判所へ説得的な資料を出す
- 任意売却を検討するなら、早めに金融機関と協議する(遅れると競売手続きが進む)
- 感情で判断せず、家族含めたライフプランで決める
実務では「早めの相談」が一番の成功要因です。私が関わったケースでも、早期に鑑定と弁護士相談をした方は自宅を残せる確率が高まりました。

4. 実務の流れと手続きのポイント — 書類とスケジュールを押さえる

個人再生の手続きはステップがはっきりしています。ここでは、準備段階から裁判所での審査、決定までの流れを実務的に整理し、提出書類の具体例と注意点を列挙します。

4-1. 手続き準備と事前チェックリスト

- 家計の現状を整理(収入、支出、家族構成)
- 借入先一覧と残高確認(金融機関名、弁済履歴)
- 登記簿謄本(登記事項証明書)取得:不動産の権利関係を確認
- 固定資産税評価証明書:評価額の根拠に使う
- ローン残高証明書や返済予定表:金融機関に発行してもらう
- 耐用年数や築年数、管理状態の記録(写真)
これらを揃えて弁護士に相談するとスムーズです。

4-2. 提出書類の具体リストと作成のコツ

主な提出書類(例):
- 再生手続開始申立書(弁護士が作成)
- 債権者一覧表(氏名・住所・債権額)
- 家計収支表(直近数年分)・源泉徴収票・給与明細
- 不動産に関する書類(登記簿謄本・固定資産評価証明書・鑑定書があれば添付)
- 住宅ローン関係書類(残高証明、契約書)
作成のコツは、矛盾がないように数字を揃え、出典(例:固定資産評価証明は市区町村発行)を明示すること。裁判所は整然とした書面を重視します。

4-3. 裁判所・管財人の役割と連携

- 裁判所:再生計画の申立て・審査・認可を行う。必要書類のチェックや債権者集会の開催を指示。
- 管財人(必要時):財産の評価・処分の監督、清算価値の査定に関与する場合がある(事案により異なる)。
管財人が選任されるかは事案次第ですが、選任された場合は評価や手続きが厳格になります。早期に管財人の視点を想定した資料準備が有効です。

4-4. 再生計画案の作成ポイントと注意点

再生計画案には、返済期間、各債権者への配当案、住宅ローン扱い等を明確にします。ポイント:
- 清算価値を下回らない配当設計
- 毎月返済の原資(給与・事業収入)をリアルに示す
- 住宅資金特例適用の有無とその扱いを明示
- 予備的措置(たとえば、再生計画不履行時の代替案)を考えておくと説得力が増します。

4-5. 債権者集会と決定までの流れ

債権者集会では、債権者による再生計画案の賛否が問われます。小規模個人再生では、一定の条件を満たすと債権者の同意が不要になる場合もありますが、重要債権者(住宅ローンの貸し手等)との関係は計画の成否に直結します。裁判所は集会の結果や提出資料を踏まえて認可の判断を行います。

4-6. 清算価値の算定が再生計画に及ぼす影響

清算価値が高いと再生計画での配当(金額・割合)が大きくなり、再生が不利になる可能性があります。逆に合理的に低く算定できれば、再生計画は組みやすくなります。実務では、鑑定士を活用した評価報告書や任意売却の見積りを添付して説得力を持たせるのが定石です。

5. よくある質問(FAQ)と解決策 — 不安を1つずつクリアに

ここでは検索で多い疑問に答えます。短くても実務的な回答を心がけます。

5-1. 自宅を残す再生は現実的か

現実的です。ただし、住宅ローンの継続支払いが可能で、裁判所が住宅資金特例を認めることが条件になります。地域・物件による清算価値やローン残高との関係で可否が分かれます。

5-2. 清算価値が低い場合の対応策

清算価値が低い(債権者が得る額が小さい)ケースは、再生計画の支払い額を下げやすく、再生の承認が得られやすくなります。重要なのは「低いと予想される合理的な根拠」を示すこと。任意売却の見積り、競売実績、鑑定評価を揃えましょう。

5-3. 弁護士・司法書士費用の目安と費用対効果

弁護士費用は代理範囲や事案により変動しますが、個人再生事件の着手金+成功報酬という形が一般的です(合計で数十万円から数百万円の幅)。ただし、再生に成功して自宅を守れる可能性や債務圧縮による将来的な生活再建を考えると、費用対効果は大きい場合が多いです。費用見積りは複数の事務所で比較しましょう。

5-4. 再生計画が否認された場合のリスク

否認されると、従来の支払義務は残り、最悪の場合は破産手続きへ移行することがあります。否認の理由は資料不備、支払能力の不足、債権者の強い反対など。否認を避けるために、事前の資料準備と専門家の助言が重要です。

5-5. 税務上の影響と注意点

債務免除が発生すると「債務免除益」が課税対象になるケースがありますが、個人再生での免除部分には特例が適用される場合があります(事案により異なる)。税務上の扱いは複雑なので、税理士と早めに相談してください。

5-6. よくある誤解と正しい理解

- 誤解:個人再生すれば必ず自宅は守れる → 正しくは「条件次第」
- 誤解:清算価値=固定資産税評価額 → 正しくは「市場や競売を踏まえた正味回収見込み」
- 誤解:任意売却はいつでも有利 → 正しくは「金融機関の合意やタイミング次第」
正しい理解のために、客観的な数値と証拠を揃えることが最も有効です。

6. ペルソナ別ケーススタディ(具体的なシミュレーションで体感する)

実際の数字でイメージを作ると判断がしやすくなります。以下は代表的シナリオの簡易シミュレーションです(概算・単位は万円)。

6-1. ケースA:自宅を残す再生の数値シミュレーション(40代自営業男性)

前提:自宅市場価値3,500、ローン残高2,800、その他無担保債務800、毎月家計赤字はなし(収入安定)。
- 任意売却想定回収:3,500 - 仲介費120 - 抵当回収2,800 = 580
- 競売想定回収(落札率70%):2,450 - 競売費等100 - 抵当回収2,800 = -450(実質抵当権処理で差額発生)
清算価値は任意売却前提で580。再生計画では無担保債務(800)のうち清算価値分(580)が担保を受ける信用額として扱われ、残りは再生計画により圧縮(例:3割返済で240を分割)という設計が可能。住宅資金特例を使い、ローンは従来通り返済を続ける形で自宅維持が現実的となる例です。

6-2. ケースB:自宅を手放す判断のケース(30代会社員女性)

前提:自宅市場価値2,200、ローン残高2,500(オーバーローン)、無担保債務300。
- 任意売却でも残債が出るため自宅売却が検討されるケース。売却で残債が残る場合、再生計画で残債の取り扱い(分割で負担)を検討。自宅維持は現実的でないと判断されることが多いです。

6-3. ケースC:相続財産が絡む複雑なケース(60代専業主婦)

相続の見込み資産(預金500、共有不動産500)がある場合、清算価値の算定に影響。相続発生のタイミングや共有持分の処理によって再生計画の設計が変わるため、相続・民法上の手続と連動して検討が必要になります。

6-4. ケースD:賃貸活用による回復の可能性(投資物件を持つ50代経営者)

投資用不動産は収益還元法で評価。賃料収入が安定していれば、再生計画での返済原資に組めるため、自宅以外の不動産を残して事業再建に充てる選択肢があります。賃料と管理コストの差額で返済原資が確保できるかが鍵です。

6-5. ケースE:事業者と不動産の整理ケース(事業用不動産を持つ経営者)

事業と個人の借入が混在する場合、事業収支の改善計画、設備売却、事業譲渡など多面的な対策が必要。再生手続きだけで全て解決するのは難しく、税理士・中小企業診断士と連携することが成功率を上げます。

最終セクション: まとめ — 判断の旗印と次のアクション

結論を簡潔にまとめます。
- 「個人再生 不動産 清算価値」は自宅を残すか手放すかを決める重要指標。市場価値だけでなく競売想定や費用も加味して計算される。
- 住宅資金特例は自宅を守る強力な制度だが、ローンの継続支払い能力が前提。裁判所の判断や債権者との調整が必須。
- 清算価値を合理的に示すためには、不動産鑑定、取引事例、公的評価(固定資産税評価や路線価)を揃えることが効果的。
- 実務では「早期相談」「数字での説明」「専門家の協力」が成功の鍵。任意売却の可能性や税務面の影響も含めて総合判断すること。

体験から言うと、最も多い失敗は「相談が遅れること」です。時間が経つほど競売のリスクが高まり、選択肢が狭くなります。まずは現状の家計と借入残高、不動産の登記事項証明書・固定資産評価証明書を用意して、弁護士等に相談することをおすすめします。

出典・参考(本文の各主張・制度説明は以下の公的情報等に基づいています)
個人再生とは?個人事業主(自営業)が知っておくべき手続き・費用・事業継続の実践ガイド
- 法務省(民事再生手続に関する案内)
- 裁判所(民事再生手続の概要)
- 国土交通省(地価公示、土地・住宅の価格動向)
- 国税庁(路線価・評価基準)
- 日本不動産鑑定士協会連合会(鑑定評価に関する基準)
- 日本弁護士連合会(個人再生の実務・相談窓口案内)
- 実務書籍・判例集(個人再生・住宅ローン特例に関する実務解説)

(注)本記事は一般的な解説を目的として作成しています。個別具体的な判断はケースバイケースであり、正確な数値整理や法的判断を要する場面では弁護士・税理士・不動産鑑定士等の専門家に必ず相談してください。

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