この記事を読むことで分かるメリットと結論
まず結論から。個人再生が「できない」理由は大きく分けて(1)制度上の適格性を満たさない、(2)再生計画が現実的でない、(3)裁判所や債権者の判断で認可されない――の三つです。本記事を読むと、自分がどのパターンに当てはまるかがわかり、具体的な対処(任意整理、自己破産、特定調停など)や、必要書類・相談窓口(法テラス、日本弁護士連合会ほか)の動き方まで一通り把握できます。事例別(30代単身・40代事業主・年金受給者・共働きで住宅ローンあり)のシナリオも載せているので、「自分ならどうする?」がすぐわかりますよ。
「個人再生ができない場合」に読む — 最適な債務整理の選び方と費用シミュレーション
個人再生を検討していたが「できない」と言われた、あるいは自分で該当しないかもしれないと不安になっている方向けに、次に何をすべきかをわかりやすく整理しました。まず「なぜ個人再生ができないのか」を確認し、その上で実際に選べる手段、想定される費用・効果のイメージ、弁護士への無料相談のすすめ方まで、申し込み(相談)までスムーズに進められるようにまとめています。
重要:ここに書いた数字や効果はあくまで典型的なケースの「イメージ」です。最終的な可否や金額は個別事情(債権者の種類、収入、資産、時効状態、過去の状況など)で変わるため、まずは弁護士の直接相談で正確に見積もってください。
1) 「個人再生ができない」主な理由(よくあるケース)
個人再生が使えない、または不向きと言われる代表的な事情です。まず自分がどれに当てはまるか確認してください。
- 収入や継続的な返済能力がない
個人再生は再生計画に基づく分割弁済が前提のため、安定した返済原資(収入)がないと計画が成立しにくい場合があります。
- 債務の性質や金額が問題になるケース
債務の一部が税金や罰金など再生の対象外であったり、極端に大きな債務構成の場合、別の整理が現実的になることがあります。
- 不適切な債務原因(故意の不正や浪費等)
詐欺や資産隠しなど問題のある取引があると手続きが難しくなります。
- 同業者・事業の性質・過去の申立てなどの事情
自営業者であっても小規模個人再生が利用できる場合がありますが、事案によっては手続方法や可否が変わります。
- 資産(特に住宅)や担保の扱いによる制約
住宅ローンが絡む場合は「住宅ローン特則」など特別な処理が必要で、条件が合わないと利用が難しいことがあります。
まずは「なぜ使えないのか」をはっきりさせることが重要です。理由に応じて代替手段が変わります。
2) 個人再生が使えないときに検討する主な選択肢(メリット・デメリット)
個人再生以外の代表的な債務整理方法と、どんな場合に向くかを整理します。
- 任意整理(債権者と直接交渉)
- メリット:手続きが比較的短く、将来利息のカットや返済期間の延長で負担を軽くできる。官報掲載や免責手続きがないため社会的影響が比較的小さい。
- デメリット:債権者が応じないと希望通りにならない。借金の大幅な元本圧縮は期待しにくい。住宅ローンは基本的に対象外(別交渉が必要)。
- 向く人:収入はあるが利息負担や月々の返済が重い人。債務額が比較的少ない人。
- 自己破産(免責申立て)
- メリット:免責が認められれば原則借金がゼロになる。短期間で債務整理が完了することが多い。
- デメリット:一定の職業制限や財産処分、官報掲載、信用情報への影響が大きい(住宅や自動車を残せない場合がある)。免責されない例外(故意の不正行為等)がある。
- 向く人:返済の当ても収入もほとんど見込めない、債務が大きく圧縮しないと生活が立ち行かない人。
- 特定調停(簡易裁判所での和解仲介)
- メリット:裁判所が仲介する手続きで、手続き費用が比較的安く済む。任意整理より手続が形式化されるため交渉が進みやすいことも。
- デメリット:減額幅は限定的。長期化する場合も。裁判所を介するため匿名性は低いが自己破産ほどではない。
- 向く人:債務額がそこまで大きくない、かつ利息停止や分割交渉で利便性を取りたい人。
- 借り換え・金融機関の相談(返済計画の見直し)
- メリット:破産や官報掲載などの影響がないケースもある。
- デメリット:借り換えができない場合も多く、根本的圧縮にはつながらない。
どの手段も長所短所があります。重要なのは「自分の収入・資産・優先したい条件(住宅を手放したくない等)」を明確にして選ぶことです。
3) 費用と期間の目安(弁護士利用の一般的イメージ)
弁護士に依頼したときの費用感の目安(幅あります)。事務所や事件の複雑さで差が出ます。
- 任意整理
- 弁護士費用(着手金 + 成功報酬):債権者1社あたりおおむね数万円~10万円程度のことが多い(事務所により異なる)。
- 期間:債権者との交渉で数ヶ月~1年程度。
- 特定調停
- 弁護士費用:任意整理と同程度かやや低めの事務所もある。裁判所手数料は数千円~1万円程度。
- 期間:数カ月~半年程度。
- 個人再生(今回は不可の前提だが費用イメージ)
- 弁護士費用:一般に比較的高め(総額で数十万円)+裁判所に支払う費用あり。
- 期間:6カ月~1年程度。
- 自己破産
- 弁護士費用:比較的幅があるが、一般的に数十万円程度(同時廃止か管財事件かで差)。裁判所費用・予納金が別途必要になる場合あり。
- 期間:数カ月~1年(管財事件の場合は長くなることも)。
注:無料相談を受け付ける法律事務所は多く、最初の相談で概算費用や見込み手続きが聞けます。まずは無料相談を活用して複数見積もりを取ることをおすすめします。
4) ケース別:簡易シミュレーション(イメージ)
以下は「想定例」で、個別結果を保証するものではありません。弁護士に相談した場合の代表的な選択肢ごとのイメージを示します。前提は「すべて消費者ローン・カードローン等の無担保債務」とします。
ケースA:借金総額 80万円、収入は安定している(給与)
- 任意整理:利息カット+分割で月々支払が楽に。最終的な支払い総額は概ね80万円前後(利息相当分の減少で若干減る)。弁護士費用:債権者1~3社で合計数万円~数十万円。期間:数ヶ月。
- 特定調停:同様に月支払軽減。費用はさらに抑えられることが多い。
- 自己破産:手続上可能だが、80万円程度では社会的影響(職業制限、財産処分など)を考えると通常は選択肢になりにくい。
ケースB:借金総額 350万円、手取り収入あり、住宅を維持したい
- 任意整理:債権者が応じれば利息停止+分割で負担軽減。元本圧縮は限定的。弁護士費用:債権者数によるが数十万円が目安。
- 個人再生(利用可能なら):元本圧縮で大幅に減額される可能性があり、住宅を守る「住宅ローン特則」の活用も検討可能(条件あり)。ただし今回は「個人再生が使えない」想定なので代替は自己破産または任意整理。
- 自己破産:住宅を残したい場合は不向き。収入があると管財事件となり費用・期間が増えるケースも。
ケースC:借金総額 1,200万円、収入少ないか不安定
- 任意整理:債権者交渉で利息停止や分割は可能だが、元本大幅圧縮が難しい。
- 個人再生が使えれば救済効果大(ただし事案による)。今回不可なら、自己破産の検討が現実的。弁護士費用・裁判所予納金等が必要。自己破産後の生活立て直し支援を併せて相談するのが重要。
(上の金額は説明のための想定です。実際の減額率や支払い計画は債権者や裁判所判断、弁護士の交渉力、個別事情で変わります)
5) 弁護士無料相談を活用する方法(相談前に準備するもの)
多くの弁護士事務所は初回の無料相談を実施しています(要確認)。相談を最大限有効にするためのチェックリスト:
- 準備するもの(できるだけ)
- 借入一覧(業者名、残高、契約日、最終返済日)
- 直近の給与明細(3~6カ月分)や確定申告書(自営業者の場合)
- 預金通帳の写し(直近の入出金)
- 保有資産の情報(車、住宅、貯金、有価証券)
- 過去の督促状や訴訟・差押えの有無に関する書類
- 相談で聞くべきこと
- 自分のケースで利用可能な手続きは何か(個人再生不可の理由の明確化)
- それぞれの手続きで期待できる結果(減額の目安・期間)
- 全体の費用見積もり(着手金、報酬、実費)と分割支払の可否
- 住宅・自動車を残せるか、職業への影響はあるか
- 相談後の進め方と必要書類・スケジュール
まずは「無料相談で現状の可否をはっきりさせる」ことが肝心です。複数の弁護士事務所で意見と見積もりを取ることをおすすめします。
6) 弁護士(あるいはサービス)を選ぶポイント — 他サービスとの違い
債務整理に関わる選択肢は「弁護士・司法書士・債務整理のサービス会社」など多岐にわたります。選ぶ際の比較視点:
- 法的手続きを任せるなら弁護士か司法書士か
- 弁護士:裁判手続き全般、自己破産や個人再生、複雑な交渉、訴訟対応など広く対応。
- 司法書士:代理権は限られる(簡易裁判所での範囲や書類作成中心)ため、債務の内容や金額に応じて使い分けが必要。
- どちらも資格があるが、事案の複雑さや債権者数、訴訟・差押えの有無により最適な担当が変わる。
- 弁護士事務所と「債務整理代行業者」の違い
- 弁護士事務所は法的代理権を持ち、訴訟や裁判所手続きに強い。法律上の守秘義務があり、法的判断に基づく助言が可能。
- 代行業者は法的代理ができない場合があり、できることが限定的。費用が安く見える場合もあるが、対応範囲とリスクを確認する必要がある。
- 選ぶ基準(優先順位の例)
- 経験と実績(債務整理件数、同種の事例)
- 費用の透明性(見積もりの内訳、追加費用の有無)
- コミュニケーション(分かりやすく説明してくれるか)
- 面談のしやすさ(対面・オンライン対応)と対応速度
- レビューや口コミだけでなく、初回相談での印象で判断する
選ぶ理由は「自分の事情を最も正確に分析し、現実的な処理プランを提示してくれるか」です。広告だけで判断せず、相談で見積もりと方針を比較してください。
7) まずやるべき3つのステップ(申し込みまでの流れ)
1. 書類を揃えて、複数の法律事務所で無料相談を受ける(できれば2~3か所)。
2. 「個人再生が使えない理由」を明確にしてもらい、可能な代替手続きの説明と費用見積もりを取得する。
3. 費用・期間・住宅等の保全要否をもとに弁護士を決める。着手する前に委任契約の内容(報酬規定、成功報酬の基準、解約時の扱い)を必ず確認する。
8) 最後に(まとめ・行動の勧め)
- 個人再生ができない理由は様々です。まずは「なぜ不可なのか」を明確にすることが重要です。
- 個人再生以外にも有力な選択肢(任意整理、特定調停、自己破産など)があり、収入・資産・住宅の扱いに応じた最適解があります。
- 費用や期間は事務所や事件の性質で大きく変わります。まずは複数の弁護士による無料相談で見積もりを取り、納得してから依頼しましょう。
- 相談に行くときは借入一覧・収入証明・資産情報を持参し、想定される結果と費用、手続きの影響(住宅・車・職業)を必ず確認してください。
必要なら、あなたの現在の状況(借入総額、収入の目安、住宅の有無、督促や差押えの有無など)を書いてください。そこから想定される選択肢や、相談で確認すべきポイントをより具体的にアドバイスします。どの手段が最も現実的か、一緒に整理していきましょう。
1. 個人再生はどんな手続き?基本と要件の全体像 — まず仕組みと要点をしっかり押さえよう
個人再生は、借金を原則として一部減額し、一定期間(通常3年~5年)で分割返済することを認める民事手続です(民事再生法に基づく)。目的は、破産に比べて財産を手放さず生活を立て直すこと。大きな特徴は「再生計画」によって債権の減額割合や弁済期間を定め、それが裁判所に認可されれば債務が整理される点です。
- 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
- 小規模個人再生:個人事業主や会社員など幅広く使える。提出した再生計画は債権者集会での決議が影響する(債権者多数の反対があると計画が否認されるリスクがある)。
- 給与所得者等再生:サラリーマンなど安定した給与がある場合に使うルート。債権者の集会決議は必要ないが、継続的な収入があることが前提。
どちらを使うかで手続きの進め方や認可されるハードルが違います。
- 再生計画の基本構成と成立要件
- 再生債権の一覧(誰にどれだけの債務があるか)
- 償還(弁済)方法:減額後の総額と弁済期間(3~5年が一般的)
- 優先弁済の扱い(担保債権、税金など)
再生計画は「現実的に支払える」こと、かつ「債権者の利益を不当に損なわない」ことが求められます。
- 申立てから認可までの大まかな流れ
1. 事前相談・書類準備(収入証明、債権一覧、資産目録など)
2. 裁判所へ申立て(書面提出)→保全処分や債権者への通知が行われる
3. 再生計画案の作成・提出
4. 債権者集会(小規模再生では投票が行われることがある)
5. 裁判所の認可決定 → 再生計画に従って弁済開始
6. 弁済完了後、残余債務が免除される(再生手続による整理が終了)
- 申立てに必要な主な書類と事前準備(代表例)
- 債権者一覧(借入先ごとの残高、利率、契約日)
- 直近数年分の給与明細・源泉徴収票または事業の収支書類
- 預金通帳、税金・社会保険料の納付証明、固定資産台帳(持ち家がある場合)
- 身分証明、住民票 等
書類の不備や金額の不一致は手続きの遅れや不認可につながりやすいので、丁寧に揃えましょう。
- 生活再建の目安期間と現実的な見通し
- 再生計画の弁済期間は通常3年~5年とされています。実務上は「毎月の可処分所得(生活費を除いた支払余力)」が大きな評価対象です。
- 認可まで数か月~1年程度かかることもあるため、早めに相談して準備するのが得策です。
(補足:ここで説明した制度的な枠組みが、「なぜできない場合があるか」の土台になります。以下で具体的な"できない"ケースと対処を掘り下げます。)
2. できない場合が起きる主な原因とその対処法 — 「なぜ認められないのか」をケース別に解説
ここでは実務でよく見る「できない」パターンを原因別に整理し、それぞれの現実的な対処法を示します。各項は現場の弁護士や相談窓口で頻繁に出る論点です。
2-1. 収入・返済能力の評価が難しいケースと対処法
- 問題点:再生計画は「現実に返せる計画」であることが最低条件。収入が不安定、あるいは可処分所得がほとんど残らない場合、裁判所は認可を渋ります。特に自営業で売上変動が激しい場合や、病気・障害で収入が落ち込んでいる場合は要注意です。
- 対処法:最新の確定申告書や売上台帳、固定費の見直し、家族の協力で収支を安定させるプランを作成。補助資料として過去数年分のデータを提出すれば裁判所の理解を得やすくなります。給与所得者なら源泉徴収票や勤務先の在籍証明を用意しましょう。
2-2. 資産・財産の扱いが認可の障害になるケース
- 問題点:不動産(持ち家)や車などの高額資産があると、換価(売却)や引当てが求められ、再生計画の弁済額が高くなることがあります。資産隠しが発覚すると手続きは悪化します。
- 対処法:資産評価を正確に行い、残債やローンの有無を明確にする。場合によっては不動産を維持するために住宅ローン特則を利用したり、任意売却の検討するなど柔軟な選択を提示します。透明性を確保することが第一です。
2-3. 事業性借入・事業資産の扱いに関する注意点
- 問題点:事業用の借入や法人債務が絡む場合、個人再生では扱いづらくなることがあります。事業に関わる担保や法人代表者としての責任分離が問題になるケースも。
- 対処法:事業と個人の債務を切り分け、必要なら税務署や取引先との交渉、あるいは法人破産の選択肢を専門家と検討します。事業性債務が個人保証されている場合は、その解決策を弁護士と検討するのが実務的です。
2-4. 免責不許可事由の可能性と回避のポイント(※破産との関係も含めて)
- 問題点:「免責不許可事由」は本来、自己破産における免責(借金の帳消し)に関する概念ですが、個人再生でも「再生手続の信頼性」を損なう事実(債権隠匿、財産の不正移転など)があると不利益になります。虚偽の申告や財産隠しは裁判所の信頼を失い、個人再生が不認可になったり、最悪の場合破産手続に進むことになります。
- 対処法:事実は全て開示し、過去のカード利用や借入履歴も正直に示す。問題のある行為が過去にあれば、弁護士と相談のうえで事情説明書を作成し、誠実に対応することが重要です。
2-5. 債権者の反対・裁判所の判断要因の読み解き
- 問題点:小規模個人再生では、再生計画案に対して債権者の集会で一定数以上の反対があると計画が否認されることがあります。主要債権者(カード会社や消費者金融など)の反対は計画破綻のリスクを高めます。
- 対処法:再生計画作成前に主要債権者と交渉し、理解を得る努力をする。弁護士が代理人となることで交渉の難易度が下がることが多いです。
2-6. すでに適用外となる典型的なケースと次善策
- 適用外の例:収入が全く見込めない、債務が特殊(刑事罰に基づく賠償等で再生対象外の場合がある)など。
- 次善策:任意整理(債権者と直接交渉して利息カットや分割交渉をする)、自己破産(免責の可能性を検討する)、特定調停(簡易裁判所の調停)などがあります。それぞれメリット・デメリットがあるため、専門家と比較検討してください。
(補足:免責不許可事由や債権者の扱いは個別事情で大きく変わります。早めに弁護士や司法書士、法テラスに相談しましょう。)
3. できない場合の代替案と相談窓口の活用法 — どの道を選べばいいかの判断基準
個人再生が難しいとわかったとき、選べる道は複数あります。ここでは代表的な代替案と実務的な進め方、相談窓口の使い方を具体的に示します。
3-1. 任意整理の特徴と適用の目安
- 特徴:債権者と直接交渉して将来利息のカットや返済期間の延長を行う私的整理。裁判所を通さないため手続きが早く、生活の影響が比較的小さい。
- 適用の目安:収入はあるが一時的に返済が苦しい人、借入先が比較的少なく交渉余地がある場合に向く。
- 注意点:元本そのものの減額は限定的で、債権者が同意しないと成立しない。
3-2. 自己破産の基本的な流れと生活影響
- 基本:裁判所が免責を認めれば、原則としてほとんどの債務が免除される。
- 流れ:相談 → 申立て → 財産の処分(自由財産の範囲を除く) → 免責審尋 → 免責決定。
- 生活影響:官報に名前が載る、資格制限(例:一部の職業)や信用情報への登録など。マイホームは原則処分対象だが、ケースによって選択肢があります。
- 向く人:収入がほとんどない、任意整理や再生でどうしても再建が困難な場合。
3-3. 代替案選択の判断ポイント(どの道を選ぶべきか)
- 主な判断基準:収入の安定性、資産の有無、住宅ローンの有無、債務総額、家族への影響(扶養義務)など。
- 実務アドバイス:住宅を残したいなら個人再生が第一選択、住宅を手放しても負債を清算したいなら自己破産、交渉で早期解決を図るなら任意整理が候補になります。
3-4. 法テラスなど公的な窓口の活用方法と予約の流れ
- 法テラス(日本司法支援センター)は、弁護士費用の立替(要件あり)や無料相談の窓口を提供しています。電話・ウェブで予約し、初回相談(要件に応じて無料)を受けられるケースが多いです。
- 利用の仕方:法テラスに電話またはウェブで予約 → 相談受ける(必要に応じて弁護士紹介や費用の立替申請)→ 指示に従って専門家へ。地域の弁護士会や司法書士会でも相談会を行っています。
3-5. 弁護士・司法書士への相談の進め方と費用感
- 相談の流れ:電話予約 → 初回相談(30分~1時間)→ 受任契約 → 交渉・手続き開始。
- 費用の目安(一般的な範囲):任意整理は交渉1社あたり数万円~、個人再生は着手金+成功報酬で総額30万円~80万円程度(事案の難易度により変動)、自己破産も同様のレンジ。法テラスの費用立替が使える場合もあるので相談時に確認を。
- 実務ポイント:費用の内訳(着手金、報酬金、裁判所費用、予納金)を必ず確認しましょう。
3-6. 住宅ローン・マイホームへの影響と対応策
- ポイント:住宅ローン特則(住宅ローン条項)を利用すると、住宅ローンを維持しつつ他の債務を整理できる場合がある。ただし条件が厳しく、ローンの滞納や差し押さえがあると選択肢が狭まります。
- 対応策:ローンの滞納が始まる前に銀行と交渉、任意売却やリスケ(返済条件変更)も検討。住宅を守る優先度が高い場合は、早めに専門家に相談しましょう。
3-7. 生活費・家計の見直しポイントと実践ガイド
- 実用的なチェックリスト:固定費(保険、通信、サブスク)、変動費(食費、光熱費)、借入条件(利率と返済額)を一覧化。毎月の生活費を最低限のラインまで落とす訓練をします。
- 効果的な方法:家計管理アプリで現状把握→不要な固定費カット→債権者との返済交渉→必要なら家族と協力して収入増(副業など)を図る。
(実務的補足:法テラス、日本弁護士連合会、各地の弁護士会・司法書士会は相談窓口の代表例です。利用前に各機関の受付時間や要件を確認してください。)
4. ケース別の読み解き(ペルソナ別シナリオ) — 自分に近い事例で具体策をイメージしよう
ここからはペルソナ別に現場的に「できない場合」に直面したらどう動くかを示します。各項は現実に近い相談でよく出るパターンを基にしています。
4-1. ペルソナA(30代・独身・収入安定・借金増加)のケース
- 背景:月収は安定しているが、クレジットカードや消費者金融で借入が膨らみ、毎月の返済が生活を圧迫。住宅ローンはない。
- できない場合の主な要因と回避策:収入自体は安定しているため、個人再生の見込みは比較的高い。ただし可処分所得が少なく再生計画での弁済が困難だと判断される場合、任意整理で利息カット→毎月の返済負担を軽くする選択肢が有効です。弁護士が介入すれば、債権者も応じやすくなります。
- 申立て準備の具体的ステップ:給与明細3~6か月分、源泉徴収票、預金通帳、借入先一覧を用意。
- 弁護士への相談のタイミング:返済が滞る前、または滞りそうになった段階で早めに。
- 相談料金の目安:初回相談無料~1万円程度のところが多く、その後の受任で個人再生なら30万円~のケースが一般的(事務所により幅あり)。
4-2. ペルソナB(40代・夫婦・子どもあり・事業性借入)のケース
- 背景:自営業の収入が落ち、事業資金の借入が個人保証になっている。家族の生活を守りたい。
- 家族への影響を最小化する方策:まず生活費の確保を最優先に。個人再生で住宅を維持しつつ事業性債務の扱いを調整できるか弁護士と検討する。事業の整理(廃業や事業譲渡)と並行して債務再編を図ることが多い。
- 認可を左右するポイント:事業収入の安定性と再生計画の現実性。売上の増減が大きい場合は、過去数年の会計資料を整え、説得力ある計画を作る必要あり。
- 代替案と比較表:小規模個人再生(住宅を残せる可能性あり) vs 自己破産(資産処分は避けられないが根本解決) vs 任意整理(事業債務の整理には時間がかかる場合も)。
- 相談窓口の活用例:法テラスで初期相談→弁護士紹介→事業の売却や清算のサポートを受ける。
4-3. ペルソナC(自営業・資産保有)ケース
- 背景:不動産や預貯金がある一方で、多額の借入も抱えている。資産があると個人再生での弁済額が高くなる恐れあり。
- 資産評価のポイントと影響:不動産の評価額ー残債=純資産が再生計画の弁済原資に影響します。評価を低く抑える正当な理由(築年数、周辺相場)を示すことが重要。
- 事業資金の扱いと再生計画の現実性:事業資産と個人資産をどう切り分けるかが鍵。法人関係が絡む場合は税理士や事業再生の専門家とも連携が必要です。
- 免責の可能性と注意点:個人再生で残余債務が免除される点は魅力だが、資産が多いと弁済額が膨らむ可能性がある。自己破産との差も含めて比較検討を。
- 専門家選びのチェックリスト:事案の経験数、同種案件の実績、費用の透明性、信頼できる税理士との連携実績などを確認。
4-4. ペルソナD(年金受給者・低所得)ケース
- 背景:年金+わずかな雑所得が収入源。債務は過去の借入や医療費。収入が低いため個人再生での弁済能力が限定的。
- 年金収入の扱いと再生計画の現実性:年金も裁判所は収入として評価しますが、生活保護ラインに近い場合は弁済余力がほとんどないことも。任意整理で分割猶予を受けるか、自己破産を検討することが現実的。
- 生活費圧迫をどう抑えるか:公的扶助、医療費減免、低所得者向けの相談窓口を使う。法テラスや市役所の生活相談窓口が役に立ちます。
- 代替案の適用可能性:自己破産の方が現実的なことが多い。任意整理も、相手が合意すれば可。
- 専門家への相談タイミング:できるだけ早め、無料相談が利用できる窓口を活用。
4-5. ペルソナE(共働き・住宅ローンあり)ケース
- 背景:共働きで収入はあるが、住宅ローンとカードローン等の重複で家計が圧迫。住宅は守りたい。
- 住宅ローンとの共存の可否:住宅ローンを維持したい場合、個人再生の住宅ローン特則の利用が検討されます。特則を使えるかはローンの契約内容と滞納状況に左右されます。
- 家計再建計画の作成ポイント:夫婦で収入・支出を可視化し、ローン以外の負債をどう整理するかを決定。配偶者の収入も計上して再生計画を立てる。
- 再生期間の現実的な設定:通常3~5年。共働きの場合、支払能力が高ければ短期の計画も可能。
- 夫婦での協議ポイント:住宅維持の優先度、子どもの教育費、将来の収入見込みを夫婦で共有。専門家は家計表作成のサポートをしてくれます。
- 相談窓口の活用例と費用目安:住宅ローン特則を行う場合、個人再生の手続費用(弁護士費用・裁判所予納金)を含め総額で数十万円~が一般的。早めに試算して選択肢を比較しましょう。
FAQ(よくある質問) — 具体的な疑問に短く答えます
Q1. 「個人再生と自己破産、どちらがいい?」
A1. 住宅を残したいなら個人再生、財産を処分してでも借金を根本的に整理したいなら自己破産が選択肢です。収入・資産・家族構成でベストは変わります。
Q2. 「申立てが却下されたらどうなる?」
A2. 却下理由によって対応が異なります。書類不備なら補正で済む場合もあるが、信用や隠匿行為が原因なら別の手続(自己破産等)に移行する可能性があります。弁護士に速やかに相談してください。
Q3. 「申立て中に借金が増えたら?」
A3. 原則として再生手続き開始後の新たな借入は厳しく、事前に申告や裁判所の承認が必要になることが多いです。無計画な借入は避けましょう。
Q4. 「費用が払えない場合は?」
A4. 法テラスの費用立替や分割払い、弁護士事務所による分割対応があります。まずは相談して利用可能な支援策を確認してください。
Q5. 「家族や勤務先にバレる?」
A5. 個人再生手続自体は裁判所を通じて行われますが、債権者からの連絡停止や官報掲載(破産の場合)が問題になることがあります。勤務先に通知が行くのは典型的ではないが、給与差押えや債権者側の行動によっては影響が出る可能性もあるため、専門家に状況を相談してください。
最終セクション: まとめ — 今すぐ何をすればいいかをシンプルに
ここまで読んでいただいてありがとうございます。最後に今すぐやるべき優先アクションをまとめます。
- 1)まず書類を揃える:借入先一覧、給与明細(または確定申告書)、預金通帳を用意。これだけで専門家の相談が具体的になります。
- 2)早めに相談する:法テラスや地域の弁護士会の相談窓口で初期相談を受け、選択肢(個人再生・任意整理・自己破産)を比較しましょう。
- 3)隠さず正直に:過去の取引や資産については正直に開示することが大事。虚偽や隠匿は手続きを悪化させます。
- 4)生活費の見直し:家計の現状把握はどの解決策でも必須です。無駄な固定費を切るところから始めてください。
- 5)専門家と二人三脚で:弁護士や司法書士、税理士と連携して、あなたの事情に最も適した道を選びましょう。
ひと言(個人的な見解と体験から):
私自身、家計相談の現場で「相談のタイミング」が分かれ目だと感じました。借金が膨らんでから慌てて相談するより、少しでも返済が苦しくなり始めた段階で専門家に見てもらうと、選べる選択肢が格段に増えます。恥ずかしがらずに早めに扉を叩いてください。相談先は法テラスや地域の弁護士会から始めるのが手軽です。
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【出典・参考資料(本記事で言及したデータや制度の根拠)】
- 民事再生法(電子政府の法令検索)
- 最高裁判所/司法統計(個人再生や破産に関する統計)
- 日本司法支援センター(法テラス)公式情報(無料相談・費用立替制度について)
- 日本弁護士連合会(弁護士費用に関する指針・相談案内)
- 各地の弁護士会・司法書士会による債務整理関係の案内ページ
(注)本記事は一般的な情報提供を目的としています。最終的な法的判断は個別事案ごとに異なりますので、必ず弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください。