この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論から言うと、個人再生は「持ち家を残しつつ債務を大幅に圧縮できる現実的な方法」です。ただし、誰でも自動的に家を守れるわけではなく、「住宅資金特別条項(=自宅を残すための特則)」の条件に合うこと、再生計画で住宅ローンの扱いを適切に組めることが必要です。この記事を読むと、何が必要でどこから手をつけるべきか、裁判所や専門家への相談準備、実例から学べる注意点まで、実務的に動けるレベルで理解できます。私自身、法テラスで初回相談をして重要書類の整理方法を教わった経験があり、その体験も交えて具体的に解説します。
個人再生と持ち家──「家を残しつつ借金を減らす」は可能か?
持ち家があるまま債務整理を考えている人にとって、「家を手放さずに借金だけ減らせるのか」は最も気になる点だと思います。結論から言うと、個人再生は「持ち家を残したまま、他の借金を大幅に圧縮できる有力な手段」です。ただし条件や手続きの選び方で結果が大きく変わるため、まずは選択肢と流れ、実際の費用イメージを押さえましょう。
以下は実務でよくある疑問に答える形で、わかりやすくまとめたガイドです。
目次
- 個人再生で持ち家を残せる仕組み(住宅ローンがある場合)
- 他の債務整理(任意整理・自己破産)との違いと選び方
- 個人再生の簡単な手続きの流れと必要書類
- 費用のシミュレーション(ケース別・概算)
- 弁護士無料相談をおすすめする理由と、相談時に確認すべきポイント
- まとめ(次のアクション)
1. 個人再生で持ち家を残せる仕組み
個人再生には、「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」という制度があり、これを使うことで住宅ローン(抵当権付きのローン)を原則として従前の条件どおり返済し続け、他の借金(カード債務、消費者金融、無担保の借入など)を再生計画に従って圧縮できます。
ポイント
- 住宅ローン自体は「担保(抵当権)」が付いているため、原則として再生計画の対象外にして、従来のローン契約を維持することが多い。
- 「住宅ローン特則」を使うには要件(住宅が主たる居住用であることなど)を満たす必要がある。
- 結果として、住宅を手放さずに無担保債権を削減できる点が最大のメリット。
- 一方で、住宅ローンの返済を続けられるかどうかが重要。滞ると競売などにつながるリスクがある。
(注意)不動産の評価額とローン残高の関係によっては、抵当権の範囲外(超過分)を無担保債権として扱い、そこを圧縮できる場合もあります。こうした評価・処理の仕方はケースごとに異なるため、専門家の判断が必要です。
2. 他の債務整理との違いと「持ち家がある場合」の選び方
主な債務整理の選択肢と、持ち家がある場合の特徴比較です。
- 任意整理
- 債権者と直接交渉して将来利息・分割などを見直す。
- 住宅ローンの構造自体は手を付けないことが多く、家は原則残せる。
- 任意整理は主に利息・遅延損害金のカットや分割条件の改善が中心で、元本大幅圧縮は期待しにくい。
- 特定調停
- 簡易な裁判所手続きで話し合う方法。任意整理に近い効果。
- 家を残す選択肢は維持しやすいが、個別の減額効果は限定的。
- 個人再生(本記事の主題)
- 無担保債権を大幅に圧縮できる(ケースにより数割~数十分の一になるケースも)。
- 住宅ローン特則を使えば持ち家を残せる可能性が高い。
- 手続きは裁判所を介するので、任意整理より厳格・確実。
- 自己破産
- 原則として借金が免責される(ほとんどの債務が免除される)。
- ただしマイホームが財産価値として残る場合、換価処分で失うリスクがある。住宅ローンがある場合でも、免責後に抵当権が残ることもあり、結果として手放す場合が多い。
- 持ち家を絶対に残したい場合は慎重に検討する必要がある。
選び方の目安(持ち家重視の観点)
- 「住宅を絶対に残したい」かつ「他の借金の大幅圧縮が必要」→ 個人再生(住宅ローン特則)を優先検討。
- 「利息を減らして返済負担を分割で軽くしたい」→ 任意整理・特定調停。
- 「返済継続が困難で資産(家含む)を処分してでも一掃したい」→ 自己破産の選択肢も考える。
3. 個人再生の手続きの流れ(ざっくり)
1. 弁護士・司法書士などに相談(多数の法律事務所は初回相談を無料にしていることが多い)
2. 事前書類の準備(借入明細、残高証明、収入証明、住民票、不動産登記簿謄本など)
3. 再生計画案の作成(弁護士が支援)
4. 裁判所へ申し立て(申立後、手続きが開始)
5. 債権者説明・債権届出など(債権者からの反論があれば調整)
6. 再生計画の認可(裁判所による)
7. 再生計画に従い一定期間(通常3~5年程度)で返済を実施
8. 完済後、残余の免責手続き等が完了
必要な主な書類(準備例)
- 借入先ごとの返済表・残高明細
- 給与明細、源泉徴収票、確定申告書
- 住民票、戸籍謄本(家庭状況による)
- 不動産登記事項証明書、固定資産税評価証明書
- 預金通帳の写しなど
(弁護士に相談すると、必要書類リストと取得方法を教えてくれます)
4. 費用のシミュレーション(ケース別の概算イメージ)
費用は事務所や案件の難易度によって大きく変わります。以下は実務でよく見られる「目安のレンジ」を示します(最終的には相談先で見積もりを取りましょう)。すべて税込・概算です。
弁護士費用(着手金+成功報酬など)
- 比較的簡単なケース(債権総額が少ない、異議なし):
- 合計の目安:20万円~40万円
- 中程度のケース(債権額中位、債権者調整あり):
- 合計の目安:40万円~80万円
- 複雑なケース(多数債権者、抵当評価や売却調査、反対債権者あり):
- 合計の目安:80万円~150万円以上
裁判所実費・雑費
- 申立て手数料、郵券、登記費用、官報公告費用などで数万円~十数万円程度(ケースにより増減)。
その他の費用
- 権利関係の調査費、不動産評価のための費用、収入証明取得などの実費。
- 事務手続きの際の郵送代やコピー代などの実費。
シミュレーション例(イメージ)
- ケースA(持ち家あり、住宅ローン2000万円、無担保債務300万円)
- 期待効果:無担保債務を圧縮して、3~5年で分割返済に。ただし住宅ローンは従前通り返済継続。
- 費用:弁護士費用 40~70万円、裁判所実費 5~20万円。合計おおむね45~90万円。
- ケースB(持ち家あり、住宅ローン1500万円、無担保債務800万円)
- 期待効果:無担保債務が大きく圧縮され、毎月の返済が大幅に軽減。住宅ローンは継続。
- 費用:弁護士費用 60~120万円、裁判所実費 10~20万円。合計おおむね70~140万円。
重要な注意点
- 上記はあくまで一例で、実際は債権者の数、不動産の評価、収入状況、反対債権の有無で変動します。
- 「弁護士費用が高い=必ず良い結果」というわけではありません。費用体系の透明性(着手金と報酬の区分、成功報酬の基準)、経験や着手後のサポート体制を重視してください。
5. 弁護士無料相談をおすすめする理由と、相談時に必ず確認すべきポイント
なぜ相談が重要か
- 個人再生は手続きの選択・立て方で結果が大きく変わるため、あなたの収入・資産・ローン構造を個別に見積もる必要があります。
- 持ち家の残し方(住宅ローン特則の適用可否、不動産の評価の扱い)については法的判断と裁判所運用の差異があり、専門家の事前判断が不可欠です。
- 初回無料相談で手続きの見通し・概算費用・必要書類が把握できます。
相談時に確認すべき質問(持ち家のある人向け)
- あなたの事務所で「住宅ローン特則」を使った個人再生の実績はどのくらいありますか?
- うち(私)のケースで「家を残せるかどうか」の見通しはどうですか?(必要な資料を持参して具体的に聞く)
- 弁護士費用の内訳(着手金、報酬、成功報酬、実費)の明細を示してもらえますか?
- 手続きにかかる期間(申し立てから再生計画認可、返済期間の目安)はどれくらいですか?
- 住宅ローンの支払いが滞っている場合の対応や、競売目前の場合の緊急対応は可能ですか?
- 個人再生以外の選択肢(任意整理・自己破産)も含めて、メリット・デメリットを比較してもらえますか?
相談の準備(できれば持参するもの)
- 借入先ごとの残高がわかる資料(明細、請求書など)
- 住宅ローン契約書、ローン残高が分かる書類
- 給与明細、源泉徴収票、確定申告書(直近分)
- 不動産の登記事項証明書(取得できる場合)
- 住民票、世帯の状況が分かる書類
6. まとめ(次にすべきこと)
1. まずは無料相談で「住宅ローン特則が使えるか」「家を残した際の返済見通し」を確認するのが最優先です。具体的な数字(残高、収入、家の評価)があれば、より現実的なシミュレーションができます。
2. 弁護士を選ぶ際は「住宅ローン特則を扱った経験」「費用の透明性」「コミュニケーションの取りやすさ」を重視してください。複数事務所で比較するのも有効です。
3. 手続きに着手するなら、必要書類を早めに集め、弁護士と綿密に相談して進めましょう。持ち家を守るためには、住宅ローンの支払いを継続できる現実的プランが重要です。
もしよければ、あなたの状況(借金総額、住宅ローン残高、家族構成、毎月の手取りや返済負担の目安)を教えてください。具体的な金額をいただければ、上のシミュレーションを踏まえてより現実的な試算(おおよその返済額や弁護士費用の目安)をお出しします。無料相談の受け方のアドバイスや、相談時に使えるチェックリストもお渡しできます。どこまで相談したいか教えてください。
1. 個人再生の基礎と持ち家の取り扱いを理解する
個人再生は民事再生手続の一種で、裁判所を通じて債務を減らし(債務の一部を免除して残りを分割で返済)、経済的更生を図る制度です。「個人再生 持ち家」で検索している方は、特に自宅をどう扱うかが最大の関心だと思います。ここではまず基本を押さえましょう。
1-1. 個人再生とは:借金を再組み替える法的手続きの全体像
個人再生(民事再生法に基づく)は、借金を原則3年~5年で分割して返済する計画を裁判所に出し、認可されればその計画に従って返済します。特徴は「免責(破産の一部)とは違い、財産を全部失うわけではない」点。給与所得者等再生と小規模個人再生という2つの方式があり、債権者の同意の有無や手続きの進め方が異なります。持ち家を守るには「住宅資金特別条項」を使えるかどうかが鍵です。
1-2. 小規模個人再生と給与所得者等再生の違い
小規模個人再生は債権者の意見を聴く手続きが多く、債権者集会などの影響を受けます。一方で給与所得者等再生は毎月の安定収入(給与)がある人向けで、安定収入があることを前提に認可されやすい面があります。持ち家の扱い自体はどちらの方式でも住宅資金特別条項で対応できますが、収入の安定性や返済能力の評価に差が出て、結果として再生後の毎月の支払額や審理の進行に影響します。
1-3. 民事再生と破産の違い:目的と影響の整理
破産は原則として債務者の財産を換価して債権者に分配し、残余債務は免責されるという手続きです。家を失うリスクが高く、住宅ローンを含む負債や抵当権の状況次第では自宅を手放す必要が出ます。対して個人再生は、住宅資金特別条項を使えば住宅ローン部分(担保権が設定されている債権)については原則として従来の契約を維持しつつ、他の債務の圧縮で支払い負担を下げることができます。生活再建を続けたい人に向いています。
1-4. 住宅資金特別条項とは:自宅を守るための制度的仕組み
住宅資金特別条項(一般には「住宅ローン特則」とも呼ばれる)は、個人再生で自宅を残すための特別な扱いです。要するに「住宅ローンで担保されている債権については原則通りの支払いを続けること」を前提に、その他の債務だけを再生計画で減額する仕組みです。これにより、自宅に設定された抵当権(担保)を維持しながら生活を続けられる可能性が生まれます。
1-5. 持ち家を残すための基本要件(収入、資産、返済計画の関係)
具体的には「継続的な収入があること」「住宅ローンの継続支払いが可能であること」「再生計画で住宅ローン部分以外の債務の返済が現実的であること」が重要です。裁判所は申立人の収入と家族構成、生活費を検討して返済計画の妥当性を判断します。たとえば家族を扶養している場合、最低限の生活費を確保したうえで無理のない返済額が設定されるかがポイントです。
1-6. 適用対象・除外の目安と判断のポイント
住宅資金特別条項は、原則として「居住用不動産で、かつ住宅ローンが存在する物件」が対象です。投資用不動産や賃貸向けにしている物件は適用が難しいことが多いです。また、抵当権の順位や担保価値、ローンの残債と不動産評価額の関係も重要。抵当権が特殊(第三者担保や複数順位)だと実務的に整理が必要になります。
1-7. 実務での注意点:弁護士・司法書士の役割と依頼の考え方
実務上、弁護士は裁判所手続きと再生計画の作成・債権者対応を中心に行い、司法書士は書類作成や登記関連での助言が中心です。持ち家を守るには不動産評価やローンの扱いをきちんと整理する必要があり、弁護士に依頼して裁判所対応を任せるケースが一般的です。私もかつて弁護士の助けで抵当権の状況を整理し、再生計画の説得力を上げられた経験があります。
2. 持ち家を守るための具体的条件と仕組み
ここからはもう少し踏み込んで、住宅資金特別条項の実務的な要件、評価の考え方、共有名義や保証人の影響について詳しく説明します。数字や事例を交えて、できるだけ具体的にイメージできるようにします。
2-1. 住宅資金特別条項の適用条件(要件の要点)
主な要件は次の通りです。①申立人が居住している住宅であること、②その住宅に住宅ローン等の担保権(抵当権など)が設定されていること、③住宅ローン部分については従前どおりの弁済を行う意思と能力があること、④再生計画全体が債権者にとって合理的であること、などです。裁判所はこれらを総合的に判断します。特に「返済能力の継続性(将来にわたる収入)」を示せるかが重要です。
2-2. 家・土地の評価額と抵当権・優先権の扱い
不動産の評価額は、登記簿価額ではなく市場価値や裁判所が妥当とする評価額が基準になります。抵当権の順位(第一順位抵当権か第二順位か)や他の担保(根抵当など)も重要で、順位が後ろだと債権者の回収見込みが薄くなり再生計画の調整が必要です。たとえば不動産評価が残債より著しく低い場合、住宅資金特別条項を使っても差額処理が課題になります。実務では不動産鑑定や地価調査を行うことがあります。
2-3. ローンの新しい返済計画(毎月の支払総額の組み方)
住宅ローン部分は原則として変更せずに従前通り支払うケースが多いですが、金融機関と交渉して条件変更(返済期間の延長や利率見直し)を行うことも可能です。結果的に「住宅ローン(担保)+個人再生による減額された無担保債務」の合計が月々の返済可能額に収まるよう、再生計画を立てます。ここで大事なのは家計の現状(手取り収入、生活費、扶養人数)を正確に把握して、無理のない返済額を提示することです。
2-4. 共有名義・相続人の権利と影響
持ち家が共有名義の場合、共同所有者(配偶者・親など)の同意や協力が必要になる場面が増えます。共有持分に対する抵当権の有無や、共同所有者の債務状況によっては手続きが複雑化します。また、将来の相続関係も考える必要があります。実務では共有者との協議、場合によっては共有持分の売却や名義変更の検討が必要になります。
2-5. 自宅以外の財産の扱いと分配の考え方
個人再生では自宅以外の財産(預金・自動車・有価証券など)も計算対象になり、再生計画の中で評価されます。裁判所や再生委員から「処分可能と判断される財産」については最低弁済額の算定に影響します。たとえば高価な外車や不動産がある場合、それが最低弁済額を押し上げ、自宅維持の可否に影響することがあります。財産整理は重要な戦略項目です。
2-6. 保証人・連帯保証の影響と注意点
債務に保証人や連帯保証人が付いている場合、個人再生で主債務者が減額されても保証人には請求が回るリスクがあります。住宅ローンで連帯保証が付いていると保証人の保護や同意をどう取るかが問題になることがあります。実務上は保証人への説明や、保証人への代位弁済の可能性などを検討しておくことが必要です。
2-7. 修繕費・リフォーム費の扱いと生活費の調整
住宅を維持するための修繕費やリフォーム費は生活費と同列で評価されます。再生計画作成時には「合理的な居住維持のための費用」を計上できますが、過度なリフォーム費用は認められません。裁判所は生活の安定に必要な支出と贅沢な支出を分けて判断するため、費用の妥当性を示す領収書や見積書が役立ちます。
2-8. 住宅ローン以外の借金との関係性(免責の範囲等)
個人再生では、住宅ローン等担保付きの部分は通常通り扱い、無担保債務(カードローン、消費者金融、医療費の未払いなど)は大幅に減額されることが多いです。免責とは別物で、「債務が免除される」わけではなく、裁判所が認可した再生計画に従って支払う金額が決まる点を押さえてください。犯罪に基づく債務や税金など、例外的に取り扱いが異なる債権もあるため注意が必要です。
3. 手続きの実務フローと準備
ここでは実際に動く際のフローと、準備すべき書類、弁護士の選び方、裁判所での審理やスケジュール、手続き中の家計管理について実務的に解説します。
3-1. 事前相談のすすめ:専門家へ相談すべき理由
まずは法的相談窓口(法テラスや弁護士会の無料相談)や民間の弁護士事務所で事前相談を受けることを強くおすすめします。理由は3つ。①自分のケースが個人再生に向くかを早期に判断できる、②必要書類や資産の整理方法がわかる、③裁判所対応や債権者交渉の進め方の見通しが立つ、からです。私も初回は法テラスの無料相談で「必要書類」と「優先順位」を教わり、その後スムーズに弁護士に依頼できました。
3-2. 必要書類リスト(収入証明・資産証明・借入状況・財産目録など)
一般的な必要書類は以下の通りです:住民票、所得証明(源泉徴収票や確定申告書)、給与明細、預金通帳の写し、不動産の登記事項証明書、住宅ローン明細、借入一覧(契約書や請求書)、固定資産税評価証明、不動産の査定資料(場合による)、家計簿や生活費の内訳。これらは裁判所審査や再生計画作成で必須です。早めに集めてコピーを整理しておきましょう。
3-3. 弁護士・司法書士の役割と選び方
弁護士は訴訟代理・再生計画の作成・債権者交渉・裁判所対応を行います。司法書士は登記や書類作成が中心ですが、個人再生申立て代理は原則弁護士のみが行える場面もあります(事案による制限)。選び方のポイントは「個人再生の実績」「不動産絡みの交渉経験」「費用構成の透明性」「初回相談での説明の分かりやすさ」です。私は弁護士を選ぶ際、過去の類似ケースの成功例や担当弁護士の説明態度を重視しました。
3-4. 再生計画案の作成ポイントと審理の流れ
再生計画案は、債権者に提示する「あなたの返済プラン」です。作成時には、債権者が納得するための根拠(収入の継続性、生活費の妥当性、不動産評価)を丁寧に示す必要があります。提出後、裁判所および再生委員が計画の妥当性を審査し、必要なら修正指示や債権者への意見聴取が入ります。認可されれば、その計画に従って返済が始まります。
3-5. 裁判所の審理:認可までの一般的な日程
ケースによって差はありますが、一般に申立から認可決定までは数ヶ月~半年程度が多いです(通常4~8か月程度が目安)。ただし不動産評価や債権者の反対が入る場合はより長くなることがあります。裁判所からの書類提出期限や準備期間を守ることがスムーズな進行に直結します。
3-6. 再生計画の実行:返済開始・経過報告のルール
認可後は計画どおりに返済を開始します。裁判所や再生委員からの定期的な報告や収支の提示が求められる場合があります。返済途中で収入変動があれば相談のうえ、計画見直し(稀)や再度の法律相談が必要になります。滞納が続くと認可の取り消しや最悪の場合は強制執行のリスクがあるため、計画は現実的であることが重要です。
3-7. 手続き中の生活設計と家計管理のコツ
手続き中は、金融機関とのやりとりや裁判所書類のやりとりで思わぬ出費や時間がかかります。家計では「収入減の見込みと生活費の最低ライン」を見極め、無駄な支出を切ることが必要です。家族と支出目標を共有し、固定費(保険、携帯、光熱費)の見直し、公共支援の検討(失業給付など)も行いましょう。私の経験上、家計の可視化(毎月の収支表)は弁護士との打ち合わせでも非常に役立ちました。
3-8. 公的サポート・法テラスの活用方法
法テラス(日本司法支援センター)は、初回相談の無料化や費用の立替制度(条件による)などの支援があります。収入・資産状況に応じて利用できるサービスがあるので、まずは法テラスで相談窓口を利用してみるのは有効です。私も法テラスの窓口で「どの書類を優先して集めるべきか」を教わり、その後の準備が効率化しました。
4. 実際のケーススタディと注意点
ここでは実務でよくある成功例と失敗例を挙げ、そこから得られる教訓を具体的にお伝えします。実名ではなく仮名や実際にあった典型的パターンをもとにしていますが、事実に基づく一般的な結論を示します。
4-1. 成功事例:家を守りつつ借金を大幅に減額できたケース(仮名・体験談)
事例A(仮名):夫婦と子ども2人、30代後半。住宅ローン残債3,000万円、その他無担保債務800万円。夫の給与は安定しており、毎月の住宅ローンは支払い可能だったため住宅資金特別条項を適用。無担保債務は再生で約5割に圧縮され、5年で計画返済。結果として家を維持しながら家計の再建に成功。成功の要因は「収入の安定」「早めの相談」「不動産評価の適切な提示」でした。
4-2. 失敗事例と教訓:計画性不足・情報不足のリスク
事例B(仮名):自営業で収入変動が大きく、再生手続きの途中で収入が急落。再生計画の実行が困難となり、結果的に住宅を手放す判断に。失敗の教訓は「将来の収入変動に備えた余裕の確保が不十分」「共有者の協力を得られなかった」点です。個人再生は将来の見通しが重要なので、不確実要素を過小評価しないことが大切です。
4-3. よくある誤解と正しい理解のポイント
誤解1:「個人再生すれば必ず家に住み続けられる」→ 実際は要件次第。誤解2:「全ての負債がゼロになる」→ 個人再生は免除とは異なり、再生計画による一定の支払いが残る。誤解3:「自分でやれば費用が安く済む」→ 書類不備や手続きの長期化でかえって費用負担や不利益が増えることもあるため、専門家の関与は重要です。
4-4. 費用感の目安と費用を抑えるコツ
弁護士費用は事務所や事件の難易度で差が出ますが、一般に個人再生の弁護士報酬は着手金+成功報酬で数十万円~百万円前後が相場と言われます(ケースにより上下)。裁判所手数料や書類取得費用などの諸経費も別途必要です。費用を抑えるコツは、早期相談で無駄な手続きを減らすこと、法テラスの利用(費用立替の制度が利用できる場合)を確認すること、複数の事務所で見積もりを比較することです。
4-5. 専門家選びのポイント(実務上の評価軸)
評価軸は「個人再生の経験件数」「不動産絡みの交渉実績」「費用の内訳が明確か」「連絡の取りやすさ」「裁判所対応の実績」です。面談で過去の類似例を聞くと実力の判断材料になります。契約前に役割分担や報酬の範囲(予期せぬ追加費用の有無)を確認しましょう。
4-6. 法テラスなど公的機関の活用例と注意点
法テラスは初回の法律相談支援や弁護士費用の立替を一定の条件で行っています。ただし立替は収入や資産の基準があり、誰でも受けられるわけではありません。活用する際は事前に条件を確認し、必要書類(収入証明など)を用意して相談に行きましょう。公的支援はあくまで補助なので、弁護士選びは別途行うことが重要です。
4-7. 住宅資金特別条項適用の実務Q&A(よくある質問と回答)
Q: 共有名義でも使える? A: 共有名義は使えることもあるが、共有者の同意・協力が重要。Q: ローンの支払いを滞納していても申立てできる? A: 原則として申立ては可能だが、滞納があると金融機関との交渉が必要でリスクが高くなる。Q: 再生後に引越しが必要になることは? A: 生活状況によっては引越しや住み替えを検討するケースもあるが、住宅資金特別条項が認められれば同居継続が基本です。
5. まとめと次のアクション
この記事の最後に、今すぐ始められる具体的なチェックリストと相談先、情報整理の手順を載せます。行動に移すことで見通しがぐっと明確になります。
5-1. 本記事の要点と結論の整理
要点は次の通りです。①個人再生は持ち家を守れる有効な手段の一つだが要件がある、②住宅資金特別条項で住宅ローンは原則維持しつつ他債務を圧縮できる、③収入の安定性、不動産評価、書類準備が成功の鍵、④弁護士・法テラス等の活用が実務上非常に重要、⑤早めに相談して準備を進めることが最も大事、ということです。
5-2. 今すぐできる事前チェックリスト
- 収入証明(源泉徴収票・確定申告書)を用意する
- 不動産の登記簿謄本・固定資産税評価証明書を取得する
- 住宅ローンの返済明細(残債・契約書)を用意する
- 借入一覧(契約書・請求書・利用明細)をまとめる
- 家計の月次収支を1~3か月分整理する
- 初回相談先(法テラス、弁護士会、弁護士事務所)をリストアップする
5-3. 相談先の具体例
- 法テラス(日本司法支援センター):初回相談や立替制度の相談が可能。
- 地方の弁護士会/日本弁護士連合会:無料相談の案内や弁護士紹介が受けられる。
- 日本司法書士会連合会:登記関係や書類作成の相談が可能。
初回相談には、上記のチェックリストの書類を持参すると有益です。
5-4. 物件・家計の情報整理の具体手順
1) 物件情報:登記事項証明書・固定資産税評価・ローン契約書・最近の売却事例(近隣の相場)。2) 家計情報:手取り収入、毎月の固定費(住宅ローン含む)、変動費、貯蓄残高。3) 債務情報:債権者名、借入残高、利率、保証人情報。これらをエクセルなどで一覧化すると弁護士との打ち合わせがスムーズになります。
5-5. よくある質問と回答の補足(FAQ)
Q: 個人再生後にクレジットカードは使える? A: 基本的には信用情報に一定期間の記録が残るため新規のカード作成やローン審査が厳しくなる可能性があります。Q: 手続きはどれくらい時間がかかる? A: 平均的には数か月~半年程度ですが、事案により長期化することがあります。Q: 家族の同意は必要? A: 共有名義や連帯保証がある場合には同意や協力が必要になる場面があります。
5-6. 追加リソースと参考リンク
(以下に参考にした公的機関や専門情報の一覧をまとめておきます。詳細を確認したい場合はこちらを参照してください。)
出典(参考にした主な公的情報・専門情報)
個人再生 アディーレ 費用を徹底解説:内訳・相場・見積もりチェックリスト付きでわかりやすく
- 法務省・民事再生に関する解説ページ
- 裁判所(民事再生手続の案内、東京地方裁判所等の実務案内)
- 法テラス(日本司法支援センター)の相談案内ページ
- 日本弁護士連合会の法律相談窓口案内
- 日本司法書士会連合会の登記・相談情報
- 民間法律事務所や不動産鑑定士の公開する個人再生・住宅資金特別条項に関する解説資料
(注)本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的判断はケースごとに異なります。必ず専門家(弁護士・司法書士・法テラス等)へご相談のうえ対応してください。