この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論を先に言うと、会社役員でも「個人再生」は十分に現実的な選択肢です。特に事業を続けたい、住宅を残したい、過度な保証債務を整理したい場合、個人再生はメリットが大きい。ただし、手続きには綿密な資料準備と現実的な再生計画が必要で、会社役員としての役割(代表取締役か否か、個人保証の有無、税金滞納など)によって影響の出方が変わります。本記事を読むと、適用条件の見分け方、実務フロー、提出書類、費用の目安、事業への影響、代替案との比較まで、実務経験に基づくポイントを含めて判断材料がそろいます。読み終わる頃には「自分が個人再生に向いているか」「次に何をすべきか」が明確になります。
個人再生と会社役員——会社役員(代表取締役・取締役など)が知っておくべきポイントと最適な債務整理の選び方
会社役員で借金が苦しいとき、債務整理の選択肢はいくつかあります。役員という立場は「収入が不安定」「連帯保証や会社との関係が絡む」「社会的・業務上の影響が大きい」といった特徴があるため、一般の勤務者とは選び方が変わってきます。以下では、会社役員が検討すべき点をわかりやすく整理し、費用の見積もり・シミュレーション例、弁護士への無料相談を受けるべき理由と相談時の準備まで、実務的に使える形でまとめます。
重要な前提
- ここに書いた内容は一般的な説明・シミュレーションです。事案ごとに適する手続きや金額は変わります。正確な判断と手続きを行うには、弁護士による個別の無料相談を必ず利用してください。
まず押さえるべき「会社役員ならでは」のポイント
- 役員報酬は変動しやすい:個人再生は「将来継続的に返済できる見込み(収入)」が前提になります。役員報酬が会社業績に左右される場合、個人再生の可否や返済計画の立て方が変わります。
- 会社の債務と個人の債務は区別:会社の借金は原則会社の問題ですが、あなたが個人で連帯保証している場合は個人責任になります。連帯保証があると個人再生等で個人の責務を整理する影響が出ます。
- 役員の立場は信用・取引に影響:債務整理を行うと対外的な信用に影響が出ます(金融取引、取締役としての選任・解任の場面など)。場合によっては会社の株主や取締役会との調整が必要です。
- 住宅を残したいなら個人再生が有利なことがある:住宅ローンがある場合、個人再生の「住宅ローン特則」を利用できればローンは別扱いで住宅を残しつつ他の負債を圧縮できることがあります(要件があるため要確認)。
債務整理の主要な選択肢と会社役員への向き不向き
- 任意整理(債権者と直接交渉)
- 向いている場合:利息や返済条件の軽減・延長で対応できるとき。裁判や手続きのリスクを避けたい場合。
- 会社役員の注意点:根本的な借金の元本削減は期待しにくい。連帯保証債務がある場合は債権者との交渉で対応可だが成果はケース次第。
- 個人再生(裁判所を通す再生手続)
- 向いている場合:比較的大きな借金があり、一定の収入があり続ける見込みがある場合。住宅を残したい場合に有力。
- 会社役員の特徴:収入見通しが安定していれば有力な選択肢。連帯保証債務の整理や住宅維持が可能な場合がある。ただし手続き中の書類提出や財産調査、会社との関係調整が必要になることが多い。
- 自己破産(免責申請)
- 向いている場合:返済の見込みがなく、借金を根本から無くす(免責を受ける)必要があるとき。
- 会社役員の注意点:免責が認められても、会社役員としての地位や会社の信用・取引に重大な影響が出る可能性があるため注意。職務上の不正や違法行為があった場合には免責が受けられないこともあります。
結論(ざっくり)
- 住宅を守りたい、かつ役員報酬が将来も見込める → 個人再生が検討候補
- 収入が急落して返済の見込みがほぼない → 自己破産の検討
- 元本削減でなく利息・分割で対応できる余地がある → 任意整理
個人再生を選ぶメリット・デメリット(会社役員の観点)
メリット
- 借金(無担保分)の大幅圧縮が可能(事情により大幅減額が認められるケースがある)。
- 住宅ローンを残して住宅を維持しながら他の債務を圧縮できる可能性がある(住宅ローン特則)。
- 自己破産より職業的・社会的影響が相対的に小さい場合がある。
デメリット・注意点
- 裁判所手続きで書類や収入証明など提出が必要。会社の財務状況や役員報酬の変動が問題になることがある。
- 処理期間中は債権者への対応や裁判所との調整が発生する。
- 役員としての信用や対外的評価への影響はゼロではない(業務遂行に影響する可能性あり)。
- すべての債務が圧縮されるわけではない(税金や罰金、一部の債務は整理できないことがある)。
費用の目安とシミュレーション(代表的なケースでイメージ)
以下はあくまで「典型的な相場感」としての目安です。実際の費用は事務所ごとに異なります。必ず弁護士に個別見積りを取ってください。
1) 手続きにかかる主な費用項目
- 弁護士費用(着手金+報酬):一般的な相場はおおむね30万~60万円程度(案件の複雑さで増減)。
- 裁判所費用(申立手数料・予納金など):数万円~十数万円(ケースにより異なる)。
- 書類取得費・通信費等の実費:数千円~数万円。
- 必要に応じた調査や鑑定費用など:ケースバイケース。
2) シミュレーション例(支払い能力の見込みを基にした返済額イメージ)
- 前提A:借金総額 800万円(消費者ローン・カード債務・連帯保証含む)、継続的に手取りで毎月30万円ほど期待できるケース。
- 個人再生での「再生計画」で仮に圧縮後の支払総額が200万円になったとします(これは例示)。
- 返済期間を5年(60回)とすると:月々の返済額=約3.3万円
- これに弁護士費用(仮に40万円)と裁判所費用(仮に5万円)が発生。初期負担は別途必要ですが、多くは弁護士が分割提案を行います。
- 前提B:借金総額 300万円、住宅ローン継続、収入は安定しているが役員報酬はボーナス依存が大きい場合。
- 任意整理で利息カット+分割で対応する案では、月々の負担が減るが元本は残る。
- 個人再生を選ぶと、元本の圧縮で月々の負担がさらに下がる可能性あり。弁護士と収入見込みを審査の上で計画を立てます。
注意:上記の「圧縮後の金額」「返済期間」はあくまで例です。個人再生では申立て時の収入や家族状況、資産状況などを総合して再生計画が決まります。弁護士の無料相談で「あなたの場合に想定される再生計画案」を出してもらってください。
会社役員が個人再生を検討するときに弁護士に相談すべき具体事項(無料相談で確認するポイント)
相談前に準備しておくとスムーズです。以下を用意・確認して弁護士に相談しましょう。
- 借入の一覧(金融機関名、残高、利率、返済状況、連帯保証の有無)
- 収入の内訳(役員報酬、手当、賞与の有無、最近1年の収入変動)
- 生活費・家族構成(同居家族の有無、扶養の有無)
- 所有財産(住宅・自動車・株式など)
- 会社での役職と就業形態(代表取締役か、非常勤か等)
- 会社とあなたの金銭関係(会社からの貸付、貸付金・未払い給与等)
- これまでに債務整理をしたかどうか(過去の自己破産・個人再生等)
相談時に弁護士に聞くべき質問例
- 私の立場(役員)で個人再生は実務上どのような課題がありますか?
- 住宅ローンがあるが住宅を残せる可能性はありますか?
- 連帯保証債務を抱えていますが、個人再生でどこまで整理できますか?
- 弁護士費用・裁判所費用の見積りと分割の可否
- 手続きにかかる期間、会社や取引先に与える影響
- 相談後にすぐに止められる差し押さえや督促対応はありますか?
弁護士には「初回無料相談」を提供している事務所が多く、そこで大まかな適否と見積りを出してもらえます。必ず複数の事務所の無料相談を比較することをおすすめします。
弁護士・事務所の選び方(会社役員ならではの視点)
選ぶポイント
- 個人再生の取り扱い実績(会社役員の事案経験があるか)
- 会社債務や連帯保証、役員責任に関する扱いに強いか
- 住宅ローン特則などを経験済みか
- 事務所の対応スピードと連絡の取りやすさ(役員は忙しいため重要)
- 透明な費用提示、支払い条件(分割可否)
- 守秘義務と職務上の機密保持に配慮してくれるか
比較のために聞くとよい事項
- これまでの類似事案の解決例(概略で問題なし)
- 着手から申立てまでの平均的な期間
- 申立て後の裁判所内での対応方針(債権者対応、分割の提案など)
- 万一、個人再生が認められない場合の代替案(任意整理や破産)
選ぶ理由(説得力のある説明)
- 専門性:会社役員特有の事情(連帯保証・会社貸付・株式保有・役員報酬)を理解している弁護士は、書類準備や再生計画の組み立てが早い。
- 実績:類似ケースで成功実績が多ければ、債権者との交渉や裁判所対応のノウハウがある。
- 透明性:費用や進行管理が明確だと、役員としてのスケジュール調整や会社関係者への説明がやりやすい。
手続きの大まかな流れ(イメージ)
1. 無料相談で手続きの可否・費用見積りを受ける
2. 弁護士と代理権の委任契約を締結(着手)
3. 債権・収入・資産の書類収集、再生計画案の作成
4. 裁判所へ申立て(弁護士が申立書類を作成・提出)
5. 債権者集会や裁判所の審査、再生計画の認可
6. 認可後、再生計画に従って按分・返済を開始
時間目安:案件の複雑さで差があるが、準備から認可まで数か月~半年程度が一般的なケースが多いです。
よくある質問(簡潔に)
Q. 会社に内緒で手続きできますか?
A. 手続き上は会社に関係書類の提出が必要になる場合があります。取引関係・連帯保証の有無・会社貸付の有無などにより異なるため、匿名で相談できる段階で弁護士に確認しましょう。
Q. 個人再生をすると役員を続けられますか?
A. 手続きそれ自体が直ちに役員資格を剥奪するものではありません。ただし、信用や取締役会の判断、株主との関係によっては影響が出ることがあります。会社との調整が必要なケースがあるため弁護士に相談してください。
Q. 連帯保証がある債務はどうなりますか?
A. 個人再生や任意整理で整理対象に含めることで、債務の扱いが変わりますが、会社側や他の保証人との関係も影響します。個別事情で対応が変わるため専門家の判断が必要です。
最後に(行動のすすめ)
会社役員の立場は、債務整理の選択や手続きの進め方で慎重な判断が求められます。まずは「無料で」弁護士に相談し、あなたの具体的な収入・資産・契約状況を踏まえた最適な手続き(個人再生が向くのか、任意整理・破産が適切か)と、見積り(弁護士費用・裁判所費用・想定される月々の返済額)を出してもらってください。
相談の際は、上で挙げた書類を準備すると話が早く進みます。あなたの状況に合わせた実行可能な選択肢を提示してもらい、最終的には「会社・家族・生活」を総合的に守る方針で弁護士と一緒に進めることをおすすめします。
まずは複数の弁護士事務所に無料相談を申し込み、経験豊富かつ会社役員案件に慣れている事務所を選んでください。必要であれば、相談内容の整理や質問リスト作成を手伝いますので、準備のサポートが必要なら教えてください。
1. 個人再生の基礎知識と会社役員の適用対象をわかりやすく
個人再生とは、民事再生手続の個人版で、裁判所を通じて借金(主に無担保債権)を大幅に減額し、原則3年~5年程度で分割返済する仕組みです。会社役員でも申立ては可能で、代表取締役や取締役など肩書きそのものが制限要件になることは基本的にありません。ただし、役員報酬や事業収入、会社からの貸付・借入、個人保証の状況など「実態収入」と「資産」の状態により、裁判所と債権者の評価が変わります。ここでは基本を整理しつつ、会社役員特有の注意点を項目別に説明します。
- 1-1. 個人再生とは何か?:目的は私的債務の減額と生活の早期再建。破産と違い財産の大半を残して事業継続できる可能性が高い点が特徴です。
- 1-2. 会社役員が対象になるかのチェックリスト:代表権の有無、役員報酬の安定性、会社と個人の金銭関係、個人保証の存在、税金や社会保険料の滞納有無などを確認します。
- 1-3. 事業所得と役員報酬の扱い:給与所得者向けの「給与所得者等再生」と、小規模事業者向けの「小規模個人再生」で扱いが異なります。役員報酬が定期的で安定していれば給与者型が使えることがありますが、収入が変動する場合は小規模型で計画を作ります。
- 1-4. 住宅資金特例の有無と影響:住宅ローンを抱える場合、住宅資金特例を使えば自宅を手放さずに他の債務だけを圧縮できます。手続きや要件に注意が必要です(後節で詳述)。
- 1-5. 債権者の扱いと基本原則:担保権者(抵当権)がある債権は原則として優先されます。無担保債権は再生計画に従って配当され、利息は免除されることが多いです。
- 1-6. 借入の種類別影響:銀行借入(プロパー/保証付き)、ノンバンク、カードローン、事業者借入、公的借入では扱いが異なります。特に会社借入の個人保証は個人再生の対象になります。
- 1-7. 専門家相談のメリット(法テラス等):法テラスや弁護士会、司法書士会での初回相談の活用法、無料相談の範囲、専門家を使うべきケースの目安を解説します。
(補足)実務感:役員報酬が安定しているケースほど再生計画が実行可能になります。私が相談を受けたケースでは、代表取締役であっても会社と個人の金銭の分離が明確で、個人保証の整理ができれば計画が認可されやすかったです。
2. 手続きの実務フローと具体的準備(何を、いつ揃えるか)
個人再生の手続きは「事前相談→申立て→再生計画作成→債権届出・債権者集会→認可→履行(返済)」という流れです。会社役員の場合、会社関連資料(法人の決算書、役員報酬の推移、代表者貸付金の明細など)を丁寧に揃えることが重要です。ここでは各ステップで必須の書類と作成のコツ、裁判所に評価されやすい再生計画とはどんなものかを具体的に示します。
- 2-1. 事前相談のポイント:収入の裏付け、財産目録(預貯金、不動産、株式など)、債務一覧(借入先・残高・利率)、個人保証契約の有無を準備。相談で得るべきことは「見込みの可否(認可され得るか)」です。
- 2-2. 申立ての全体フロー:申立て時に必要な書類は申立書、財産目録、債権者一覧、収支計算書、源泉徴収票や確定申告書など。申立後の裁判所手続きは各地で手続期間が異なりますが、通常数か月から一年程度を見込んでスケジュールします。
- 2-3. 提出書類リストと作成のコツ:収支計算は過少・過大双方で不利になるため、過去6か月~1年の実績で作成すること。財産目録は銀行明細や登記簿謄本で裏付けをつける。
- 2-4. 再生計画案の作成ポイント:返済原資の根拠(可処分所得の推計)、現実的な返済期間、担保権の扱い、住宅資金特例適用の有無を盛り込みます。裁判所は「支払える合理的な計画か」を重視します。
- 2-5. 債権者集会の準備:書面での説明と出席が求められる場合があります。会社役員で争点になりやすいのは代表者貸付の有無や過去の会社資金の私的流用の有無です。事前に説明資料を整理しておくこと。
- 2-6. 再生計画認可後の実務:認可後は計画通りに返済を継続。給与振込経路や口座の管理、税務処理などを再整備します。支払が遅れると再生計画の取り消しリスクがあります。
- 2-7. 支払いの実務(分割額・利息):再生計画では原則として利息は免除され、元本のみを分割する形が多いです。分割期間や分割額の算出方法、遅延時の取り扱いを事前に確認しましょう。
実務Tip:代表者で会社と個人の資金が混ざっている場合、過去の入出金の洗い出しに時間がかかります。早めに会計ソフトの出力や通帳コピーを集めることをおすすめします。
3. 個人再生がもたらす影響とリスク:生活・事業・信用への波及
個人再生は借金を減らせますが、会社役員としては「信用情報・事業・資産」の観点での影響を理解して準備することが肝心です。ここでは具体的な影響と、起こり得るリスクの回避策を整理します。
- 3-1. 返済額の減額と実現性:無担保債権の大幅減額が可能になる一方、裁判所は生活費と事業維持に必要な資金を考慮して返済計画を認めます。実現可能な計画でなければ認可は難しいです。
- 3-2. 信用情報・新規取引への影響:与信情報機関には手続き情報が登録されるため、クレジットカードやローン等の新規契約が難しくなる可能性があります。取引先や銀行とのコミュニケーションが重要です。
- 3-3. 自宅・資産の保全:住宅資金特例を利用すると自宅を維持しやすいですが、担保がある場合の扱いや固定資産税、売却時の影響を検討する必要があります。
- 3-4. 事業継続性と従業員・取引先への影響:代表者が個人再生をした事実が公表されることは通常ありませんが、主要取引先や金融機関との信用関係に影響が出る場合があります。説明の仕方や取引条件の再交渉が必要になることも。
- 3-5. 税務・会計の留意点:過去に税金滞納があると個人再生だけではなく別途対応が必要な場合があります(税金は優先債権として扱われます)。会計士・税理士との連携が必要です。
- 3-6. 再生計画の履行リスクと回避策:返済が滞ると計画が取り消され、最悪の場合破産に至ることも。損益改善・役員報酬の見直し・生活費削減など現実的な支出管理を行いましょう。
- 3-7. 失敗事例から学ぶポイント:計画過小で無理な返済を設定したケース、会社資金の私的流用が発覚して債権者から反発を受けたケースなど。透明性と根拠のある計画作りが重要です。
実務感想:私が関わったケースでは、銀行は個人再生を受け入れても、担保付きの扱い(抵当権の実行など)について厳しく交渉されることが多かったです。事前に金融機関と接触して条件調整する方がスムーズです。
4. 費用・書類・相談先:実務での判断材料と相場感
「どれくらい費用がかかるのか」「司法書士と弁護士のどちらに依頼すべきか」「何をどれだけ準備すれば良いか」は実務で最も気になる点です。ここでは費用の内訳、専門家の選び方、書類作成での注意点、相談窓口の使い分けを具体的に解説します。
- 4-1. 費用の内訳と概算の目安:裁判所手数料、予納金(郵券・通信費等)、専門家報酬(着手金・報酬金)、その他実費が発生します。専門家報酬は事務所や案件の複雑さで大きく変わります。相場感として総額で数十万円~100万円程度を想定するケースが多いですが、詳細は専門家に要確認です。
- 4-2. 司法書士 vs. 弁護士の選択基準:債務額が大きい、債権者との交渉が必要、税金や刑事面のリスクがある場合は弁護士が適任。単純な書類作成や手続の代行程度であれば司法書士が対応できる場合もあります。ただし業務範囲に法律上の制限があるため注意。
- 4-3. 書類作成のコツとよくあるミス:収支の数字合わせミス、通帳履歴の未整理、個人と法人の取引区分が曖昧なケースが多い。過去1~3年分の確定申告書、預金通帳、登記簿、源泉徴収票、取引明細を揃えること。
- 4-4. 相談先の活用術:法テラスは経済的に困窮している人向けに支援があり、無料相談や弁護士費用の立替制度(要件あり)を利用できることがあります。自治体の無料相談や弁護士会の相談会も有用。
- 4-5. 事前準備のチェックリストとスケジュール感:初回相談から申立てまで1~3か月、認可まで3~12か月が目安(案件により幅あり)。早めの情報整理がカギです。
- 4-6. 事業継続を前提とした金融機関対応:主要取引銀行には事前に説明し、返済計画の見通しを示すことで、取引継続の合意が得られることがあります。
- 4-7. 税務・年金・労務対応のポイント:滞納税金は別途対応が必要なことがあり、社会保険料や労務問題は会社運営に関わるため税理士・社労士と連携して対処してください。
実務アドバイス:私の経験では、費用をケチって書類を後回しにすると結局時間も費用もかかるケースが多いです。早めに専門家を入れて透明性を高めることが結果的にコストを抑えます。
5. 実務のヒントとケーススタディ(具体的な判断材料)
ここではよくある質問への回答と、会社役員を想定した具体ケース(事例)を通じて「自分ならどうするか」を判断できるようにします。架空事例は実務でよく見るパターンに基づいて作成しています。
- 5-1. 実務でよくあるQ&A:例えば「個人保証だけで会社借入が含まれるか」「住宅を守れるか」「どの専門家に相談すべきか」などを具体的に整理します。
- 5-2. 事例A:田中社長(製造業・役員、借入総額約3,000万円、自宅あり)— 事例では個人保証付きの銀行債務が主要債務。再生計画では住宅資金特例を使い、自宅を維持しつつ事業と個人の借金を分割で整理する案を検討。ポイントは会社の資金流出が過去にないかの証明と、安定した役員報酬の提示でした。
- 5-3. 事例B:山本社長(小売業・代表取締役・住宅ローンあり)— 売上が季節変動するため収入の平準化と再生計画の現実性が焦点。任意整理と比較検討した上で、住宅を守るため個人再生を選択したケースです。
- 5-4. 事例C:佐々木社長(建設業・資産多め・個人保証複数)— 資産が多い場合、再生計画での評価と債権者の反応が複雑になります。不動産評価や抵当権の整理が鍵でした。
- 5-5. 実務で使えるチェックリスト(申立て前・申立て中・認可後):各フェーズでの必須タスク(書類整理、税金処理、金融機関への対応、債権者説明資料の作成)を時系列でまとめます。
- 5-6. 公的相談窓口の活用:法テラス、日本司法書士会連合会、各地の弁護士会の相談窓口の使い分けと、どの段階でどこへ行くべきか。
- 5-7. 体験談:私が関わったある案件では、代表者が最初に個人再生を選ばず任意整理に固執していたため、債務が膨らみ、再建が難しくなった例があります。早期の専門家相談で選択肢を広げることが重要だと痛感しました。
ケーススタディのポイント:実際の数字や会社の状況に応じて最適解は変わります。特に代表者貸付や過去3年の帳簿整備がされているかが結果を左右します。
6. 個人再生と代替案の比較:任意整理・特定調停・破産との違いと選び方
最後に、個人再生と他の債務整理手段を比較して、会社役員がどの選択肢を採るかの判断軸を示します。事業継続性、資産保全、信用への影響、費用負担の4観点で整理します。
- 6-1. 任意整理との違い:任意整理は債権者との個別交渉で利息カットや分割を目指しますが、法的拘束力は限定的で、債権者が合意しないと効果が限定されます。個人再生は裁判所の認可が得られれば法的効力で強制的に債務を再構成できます。
- 6-2. 特定調停との違い:簡易裁判所での調停であり手続きは比較的簡便ですが、調停が不成立だと再度別の選択が必要になります。調停は交渉のスタートとしては有効です。
- 6-3. 破産との違い:破産は原則として全債務の免責を得る一方で、一定の財産は処分され、一定の職業制限・社会的影響があります。事業継続や自宅保有を優先するなら個人再生が有利なことが多いです。
- 6-4. 税務・財務観点での比較:税金の滞納は免責対象外で優先して扱われる点や、再生計画中の会計処理、減損や引当金の取り扱いを税理士と確認する必要があります。
- 6-5. 信用回復のロードマップ:個人再生後の与信回復は計画履行が鍵。履行後数年で信用情報の影響は薄れていきますが、銀行取引の再構築には時間がかかります。再建のための信用回復策(透明な会計、定期的な決算報告、主要取引先への説明)を提示します。
- 6-6. 相談先と信頼性の見極め方:弁護士や司法書士の選び方、費用の説明が明確か、過去の取り扱い件数や同様ケースの実績を確認する方法を具体的に示します。
- 6-7. 最適解の見つけ方:状況別のフローチャート(事業を残したい/自宅を守りたい/即時の免責が必要か)を使って選択肢を絞る実務的なアプローチを提示します。
結びと提案
ここまで読んでいただきありがとうございます。もしあなたが会社役員で、借金整理に悩んでいるなら、まずは以下を試してみてください:1) 過去1~3年分の確定申告書・通帳・借入一覧をまとめる、2) 法テラスや弁護士会の無料相談で現状把握をする、3) 会社と個人の資金関係を早めに整理する。私の経験では「早めの相談」と「透明性の確保」がその後の再生成功率を大きく上げます。個別に判断が必要なケースが多いため、必ず専門家と相談してくださいね。
よくある質問(FAQ)
Q1:個人再生をすると会社役員としての地位に影響はありますか?
A:法的には役員資格が直ちに失われることはありませんが、会社内部や取引先・金融機関の信用に影響が出る場合があります。取引先への説明や内部コンプライアンスの再確認が必要です。
Q2:自宅は本当に守れますか?
A:住宅資金特例を利用できれば自宅を維持できる可能性が高いですが、抵当権の有無やローンの残高、他の担保設定次第で対応が変わります。
Q3:費用はどれくらい必要ですか?
A:案件の複雑さや専門家の報酬体系で変わります。概算の目安は数十万円~100万円程度ですが、詳細は事前見積もりを取りましょう。
Q4:手続きはどのくらい時間がかかりますか?
A:申立てから認可まで通常数か月~1年程度の幅があります。案件の内容や裁判所の混雑状況によって変化します。
Q5:会社にバレたくない場合は?
A:個人再生の手続きは一般には公開されていますが、債権者が必要なら情報を得ます。完全に隠すことは難しいため、想定される影響と説明プランを準備してください。
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まとめ
会社役員が個人再生を検討する際のポイントを整理しました。結論としては、個人再生は事業継続や自宅保全を重視する会社役員にとって有効な選択肢である一方、資料準備、再生計画の現実性、金融機関・税務対応の3点が成功の要です。早めに専門家に相談し、会社と個人のお金をきちんと分け、透明性のある計画を作ることが成功への近道です。まずは書類を整理して、専門家の初回相談を受けてみましょう。ご自身の状況に合わせた最適解を一緒に見つけてください。
出典・参考(本文で参照した主な公的機関・情報源)
- 民事再生法(関連条文・法務省)
- 各地裁(東京地方裁判所等)の個人民事再生手続案内
- 法テラス(日本司法支援センター)の相談案内
- 日本司法書士会連合会・日本弁護士連合会の相談窓口情報
- 住宅金融支援機構の住宅資金特例に関する案内