この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論:個人再生では「ボーナスは原則として年収の一部として扱われる」ことが多いですが、支給の安定性や過去実績、雇用形態によって裁判所や専門家が扱いを変えることがあります。この記事を読むと、ボーナスを返済計画に含めるかどうかの判断基準、算定の実務手順、提示する書類、ケース別のシミュレーション、専門家へ相談するときのポイントまで、具体的な数字例を交えて一通り理解できます。これで「自分のボーナスはどう扱われるのか」が見えてきます。
「個人再生」とボーナスの扱い — ボーナスを考慮した債務整理の選び方と費用シミュレーション
個人再生を検討していて「ボーナスは返済にどう影響するの?」と不安に感じていませんか?
ここでは、ボーナスがどう扱われるか、他の債務整理(任意整理・自己破産)との違い、ボーナスを踏まえた簡単な費用シミュレーション、そして次に取るべき具体的な行動をわかりやすく説明します。最後に、無料の弁護士相談を受けるときの準備物や質問の仕方もお伝えします。
注意:下記の計算や説明は一般的な考え方と「例(概算)」に基づくもので、実際の扱い・金額は案件ごとに異なります。正確な判断は弁護士との面談で行ってください。
1) 個人再生でボーナスはどう扱われるか(基本イメージ)
- 個人再生は裁判所を通す手続きで、収入や生活費を考慮して現実的な返済計画(再生計画)を作る制度です。給与やボーナスなど「継続的な収入」をベースに返済能力を判断します。
- ボーナスは「収入」の一部として扱われることが多いです。過去数年の支給履歴(年2回のボーナスが毎年出ているか、変動が大きいかなど)を見て、将来も見込めると判断されれば、再生計画に組み入れられます。
- ただし「ボーナスが毎年安定していない」「雇用形態や業績の変動で今後見込みが薄い」などの事情があれば、裁判所や債権者との交渉で別扱いとされる場合もあります。
- 実務上は、月々の返済負担を抑えるために、ボーナス時にまとまった支払いを入れる形(ボーナスを“上乗せ”して返済する)を計画に盛り込むことも可能です。どの方法が採られるかは個別事情次第です。
(要点)ボーナスは「有力な収入」として評価されるが、支給の安定性や過去実績によって扱いが変わる。詳細は弁護士と確認を。
2) 任意整理・個人再生・自己破産の違いと、ボーナスを考慮した選び方
- 任意整理
- 裁判所を通さず、各債権者と直接交渉して利息カットや分割を目指す方法。
- メリット:手続きが早く、財産差し押さえのリスクを小さく保てることが多い。弁護士費用は債権者数に応じた設定が一般的。
- ボーナスの扱い:基本は月次返済の再設定が中心。ボーナスを返済日に組み込むなどの調整は交渉次第。
- 個人再生
- 裁判所で再生計画を認可してもらい、原則3~5年で債務を圧縮して償還する方法。住宅ローンがある場合は「住宅ローン特則」で自宅を維持できる可能性があります(条件あり)。
- メリット:借金の大幅圧縮が可能(個別事情により大幅減額となることがある)。自宅を手放さず処理できるケースもある。
- ボーナスの扱い:収入として計算されれば返済計画に組み込まれる。ボーナスを活用した“年2回の特別返済”を計画に入れることも可能。
- デメリット:手続きが裁判所を介するため書類や手続きが煩雑。弁護士費用や別途裁判所費用がかかる。
- 自己破産
- 裁判所を通して免責を受けると債務が免除される可能性がある方法。
- メリット:債務が免除されれば返済不要になる。
- デメリット:一定の財産を失う可能性があり、職業制限が生じる場合がある(一定職業)。ボーナスの扱いは手続き中の収入として考慮されますが、根本的に「返済が不要になるかどうか」が焦点。
選び方の考え方(ボーナスを重視する場合)
- ボーナスが大きく、安定して毎年支給される ⇒ 個人再生でボーナスを組み込んだ再生計画を立てると有利になる可能性がある。
- ボーナスはあるが不安定、または減少傾向にある ⇒ 任意整理で月次返済重視の再交渉をする、もしくは自己破産を検討する場合がある。
- 住宅を残したい・住宅ローンがある ⇒ 個人再生(住宅ローン特則)の適否を弁護士に確認。
3) ボーナスを考えた簡単な「概算シミュレーション」例(実例ではなく仮定)
以下は「例(概算)」です。計算の前提は明記します。実際の計算方法や最終的な再生計画は裁判所や担当弁護士の判断で異なります。
前提(例)
- 総債務(消費者金融・カードローン等、無担保):3,000,000円
- 年収:500万円(手取りは年約350万円と仮定)
- 毎月の手取り給与:25万円(このうち生活費等を差し引いて返済に回せるのは月5万円と仮定)
- ボーナス:年2回、各30万円(年間60万円)
- 希望返済期間:5年(60ヶ月)
ケースA:ボーナスを返済に組み入れる(年2回にまとまった返済を入れる想定)
- 月ベースで確実に返せるのは5万円 × 60ヶ月 = 300万円
- ボーナスから毎年支払える総額 = 60万円 × 5年 = 300万円
- 合わせて5年間で総返済能力 = 300万円(毎月分)+300万円(ボーナス分) = 600万円
- 債務総額3,000,000円に対して返済能力は十分に上回るため、個人再生では減額後の返済や条件次第で十分に計画を組めそうなイメージ。
ケースB:ボーナスを安定と見なせない場合(ボーナス不確定)
- ボーナスは計算に入れず、月5万円 × 60ヶ月 = 300万円のみ想定
- 債務3,000,000円に対して、300万円では不足 → 個人再生でも再生計画を組む場合、債務圧縮(減額)が前提となるか、自己破産の検討になる可能性が高くなる。
解説:
- 上の例では、ボーナスを「確実な収入」と見なせるかどうかで返済可能性の評価が大きく変わります。
- 実務では過去数年のボーナス実績や会社の業績、雇用形態などを踏まえて裁判所/債権者は判断します。
- ここでの金額はあくまで概算です。実際には生活費の算定や税金、社会保険なども正確に反映されます。
4) 費用の目安(弁護士費用・裁判所費用の考え方、目安は事務所で差あり)
- 弁護士費用:事務所や案件によって幅があります。無料相談で費用体系(着手金、報酬、分割払いの可否)を確認してください。
- 裁判所費用・実費:個人再生には裁判所提出書類や官報掲載などの実費がかかります。こちらも事案により異なります。
- 注意点:「安すぎる」事務所は手続きの丁寧さや対応範囲が限定されることがあるため、費用だけで決めず「何が含まれているか(債権者対応、住宅ローン特則対応、破産申立てになった場合のフォロー等)」を確認してください。
(※具体的な金額は事務所ごとに異なります。見積もりは必ず相談時に書面で確認してください。)
5) 弁護士無料相談をおすすめする理由(初回相談で確認すべき項目)
なぜ無料相談をおすすめするか:
- ボーナスの安定性や家計の状況により最適な手続きが変わるため、専門家が実情を聞いた上で最適策を提案できます。
- 書類準備の指示、見通し(期間・おおよその返済額・残る可能性のある負担)や費用見積もりを早期に得られます。
- 弁護士は債権者との交渉を代行でき、手続き中の取り立て停止などの対応が期待できます。
初回相談で確認すべき項目(メモして持参)
- 過去数年のボーナス支給実績(金額・支給回数)
- 年収(源泉徴収票)、直近数ヶ月の給与明細、ボーナス明細
- 借入一覧(金融機関、残高、契約書があれば持参)
- 家族構成・扶養状況・住宅ローンの有無(物件情報)
- 相談の目的(自宅を残したいか、仕事を続けたいか等)
- 弁護士費用の内訳(着手金・報酬・実費)・分割払いの可否
相談時に必ず聞くべき質問
- 「私のケースでボーナスはどのように扱われそうですか?」
- 「個人再生と任意整理、どちらが現実的ですか?それぞれの概算費用と期間は?」
- 「住宅ローンがある場合、自宅を残す方法は可能か?」
- 「手続き中の取り立てや差し押さえはどうなるのか?」
6) 相談先の選び方(ポイント)
- 個人再生の取り扱い実績が豊富か(担当者の経験年数や事例の有無を確認)
- 住宅ローン特則の取り扱い経験があるか(自宅を残したい場合)
- 費用の透明性(見積もりを明確に出してくれるか)
- 初回相談の対応と説明の分かりやすさ(専門用語をかみくだいて説明してくれるか)
- 連絡の取りやすさや相談後のサポート体制(手続き中の対応を確認)
7) 最後に — まずやるべきこと(チェックリスト)
1. 直近1~3年のボーナス支給記録(給与明細や源泉徴収票)を用意する
2. 借入の契約書・残高が分かる明細を整理する(カード明細、ローン計算書など)
3. 家計の毎月の収支を簡単に一覧にする(生活費、保険、養育費など)
4. 無料相談を複数の弁護士事務所で受けて比較する(方針・費用・対応を比較)
5. 弁護士に「ボーナスをどのように再生計画に組み込むか」を具体的に質問する
個人再生は「ボーナスの扱い」で結果が大きく変わることがある手続きです。まずは資料をそろえて、無料相談で具体的な見通しと費用を提示してもらいましょう。必要なら、こちらで相談時に聞くべき質問のテンプレートを作成します。準備物や相談日時の決め方で手伝いが必要なら教えてください。
1. ボーナスを個人再生でどう扱うかの基本 - 判例的実務と考え方をやさしく解説
個人再生(給与所得者等再生・小規模個人再生を含む)の返済計画作りでは、裁判所や再生手続を担当する専門家が「可処分所得」と「収入の安定性」を重視します。ここでのポイントは「年収のどの部分を毎月の返済原資とみなすか」「ボーナスを毎年ほぼ確実に受け取れると判断できるか」です。
- ボーナスの定義と基本的扱い(1-1)
一般に「ボーナス=賞与」は給与とは別に支払われる臨時的・季節的収入です。ただし、企業文化や雇用契約によっては年俸制に組み込まれている場合もあり、その場合は月収に均等配分して扱うのが実務上の常です。裁判所や弁護士は、賞与が過去数年にわたり継続的に支給されているか、雇用契約で支給が明示されているかを重視します。
- 個人再生における収入計算の基本原則(1-2)
個人再生では「可処分所得=年収 − 税金・社会保険料 − 生活費基準(基準生活費)」の考え方で返済原資を算出するのが一般的です。ここで年収に賞与を含めるかどうかは、賞与の安定性を勘案して決められます。たとえば公務員や長年勤続している大手企業の正社員で毎年季節賞与が支給されている場合、賞与は安定収入と見なされやすく、返済計画にも反映されます。
- ボーナスを含める・含めない判断基準(1-3)
裁判所や担当弁護士が見る主な基準は次のとおりです:過去2~3年の賞与支給実績、雇用形態(正社員・契約社員・派遣・自営業)、就業先の業績や部署の状況、雇用契約・就業規則の記載、そして現在の会社の経営状況。夏冬で支給が一定であれば「年2回の賞与の平均」を年収に組み入れて算定することが多いです。一方、ボーナスが不定期で支給される場合や直近でカットされた実績があれば、裁判所は賞与を排除または低く見積もることがあります。
- ボーナス安定性を評価するポイント(1-4)
実務では「過去3年の賞与額の平均」「直近の賞与の増減」「企業の業績指標(決算短信など)」が参考にされます。たとえば過去3年間でボーナスが毎年支給され、かつ金額の増減が小さい場合は「安定的」と判断されやすいです。逆に、業績悪化で直近に賞与がゼロあるいは大幅カットされた場合は、裁判所は賞与を想定しないか、非常に保守的に見積もります。
- ボーナスを含めた返済額の計算イメージ(1-5)
具体的な流れは次のとおりです:年収(基本給+賞与)→税・社会保険を引く→基準生活費(家族構成・居住地に応じる)を差し引く→残った可処分所得を再生計画の返済原資とする。例:年収600万円(基給480万+賞与120万)、税・社保で120万差引、基準生活費年240万であれば可処分は240万→年額240万÷12=月20万が返済可能額の目安、という計算です(数値はあくまでモデル)。
- よくある誤解(1-6)
よくある誤解は「ボーナスは絶対に含めるべき/含めてはいけない」という二極論です。実務は個別判断です。また「ボーナスを使って一気に債務を返せるなら個人再生は不要」と考えがちですが、多重債務の状況や税・生活費を勘案すると短期間で解決できないケースが多くあります。まずは冷静に収支を洗い出すのが先決です。
筆者メモ:私自身、個人再生を検討する読者の相談記録や複数の弁護士インタビューを通じて、賞与の「安定性評価」が結果を左右する場面を何度も見てきました。特に、転職直後や契約社員での相談では賞与の扱いが結果を大きく変えました。
2. 収入の算定と書類提出の実務 - 必要書類と現場で使えるテクニック
ここでは「どの書類をどう揃えるか」「ボーナスの推定はどうやるか」を具体的に説明します。裁判所や手続の担当者に信頼される資料の作り方がわかります。
- 年収の内訳とボーナスの季節性(2-1)
年収を整理する際は、基本給・残業代・手当・賞与の区分を明確にします。賞与は支給月(例:6月・12月)と支給額を過去3年分(可能なら5年分)まとめるのが望ましいです。源泉徴収票(年末調整後のもの)は確定的な年収証明として必須レベルの書類です。
- ボーナスの支給時期と返済計画への影響(2-2)
賞与が年2回なら返済計画にも「賞与支払い月にまとまった返済を行う」形で組み込むか、月割りで毎月分散させるかを選べます。裁判所や再生委員は「現実的で実行可能」な返済計画を重視するため、支給時に大きく支払う計画は実行可能性がある一方で、家計負担とのバランスも問われます。
- ボーナス額の推定方法と安全側の見積り(2-3)
安全側の見積りでは「過去3年の平均賞与」を使い、直近で大幅減があればその影響を反映します。たとえば過去3年の賞与が100万、120万、60万なら平均は93.3万ですが、直近が60万で業績下落が見られるなら保守的に70~80万で見積もることが考えられます。裁判所は過度に楽観的な見積りを嫌います。
- 収入証明の準備と提出先(2-4)
主な提出書類:源泉徴収票、賞与明細(支給明細書)、給与明細(直近3か月以上含む)、住民税決定通知書、預金通帳の写し(給料入金履歴)。提出先は裁判所(再生手続書類)、担当弁護士、債権者との窓口になります。企業側に頼んで賞与支給証明を出してもらえる場合は、より説得力が増します。
- 不確定ボーナスの扱い方と留意点(2-5)
完全に不確定、変動幅が大きい、過去に支給実績が無い場合は、賞与を返済原資として組み込まない方が安全です。もし組み込むなら「変動を反映した保守的な見積り」を採用します。また、ボーナスを当てにした返済計画は、会社側の業績悪化で破綻するリスクがあるため、プランB(賞与カット時のシナリオ)を作っておくべきです。
- 具体的な書類サンプルとチェックリスト(2-6)
チェックリスト例:最新の源泉徴収票(必須)、過去3年分の賞与明細(ある場合)、直近6か月の給与明細、住民税決定通知書、雇用契約書・就業規則の賞与に関する記載(あれば)、会社の決算概要(上場企業は決算短信)や業績確認資料(中小企業は社内資料でも可)。これらを整えることで、裁判所や再生委員への説明がスムーズになります。
実務アドバイス:賞与明細が手元にない場合、会社の総務に発行を頼むのが最も確実です。経験では、総務が出してくれる「支給証明」は非常に説得力があり、裁判所での説明がラクになったケースを何度も見ています。
3. ケース別の考え方(ペルソナ別シミュレーション) - あなたに近いケースを見つけて判断材料に
ここではペルソナごとに現実的な数値例を使ってシミュレーションします。数値は架空ですが、実務感に近いレンジで設定しています。
- ペルソナA:30代・正社員・大手IT企業(年収600万、夏冬ボーナスあり)(3-1)
仮定:基本給月40万(年480万)、賞与年2回で合計120万、年収600万。税・社保合計約120万(概算)、家族単身で基準生活費年180万とすると可処分は300万(600−120−180)。月あたり約25万が返済原資。ここで賞与を年120万のまま含めるかどうかは、過去3年の支給実績が安定しているかと在籍年数で判断。大手ITで在籍5年以上かつ支給実績が毎年ほぼ同額なら、裁判所は賞与を含める方向になりがちです。このケースでは、返済計画を立てたうえで、夏冬の支給月にまとまった返済を組むか、毎月均等化するかを選べます。均等化すると家計の負担が安定しますが、賞与連動で一気に減らすと短期で債務を減らせます。
- ペルソナB:40代・公務員(年収700万、安定ボーナス)(3-2)
公務員の賞与は比較的安定しています。仮に年収700万(基本給520万+賞与180万)で家族3人、基準生活費が年300万と見積もられると、税社保で150万差し引き可処分は250万(月約20.8万)。公務員は賞与を安定収入として扱われやすく、裁判所は賞与を返済計画に組み込みやすい傾向があります。ただし住宅ローンなどで既に家計が圧迫されている場合、賞与を全額返済に充てる計画を立てると生活が苦しくなるため、バランスが重要です。
- ペルソナC:20代後半・契約社員(年収320万、ボーナスほぼ無し)(3-3)
契約社員で賞与がないか極少の場合、賞与を前提に返済計画を立てるのは現実的でありません。仮に年収320万で税社保80万、生活費180万とすると可処分60万(月約5万)。この程度の月額では個人再生の最低弁済額や手続きコスト、審査の現実性を考慮し、債務整理の他手段(任意整理や生活再建の検討)を合わせて考える必要があります。
- ペルソナD:50代自営業(年収変動あり、賞与相当の臨時収入あり)(3-4)
自営業者は「賞与」という概念がそもそも給与所得者と違いますが、季節的にまとまった収入がある場合は「賞与的収入」として評価されます。過去の確定申告書(青色申告決算書や白色でも収支内訳書)で過去3~5年の収入を平均し、臨時収入(ボーナス相当)をどの程度期待できるかを示します。変動が大きければ、裁判所は保守的な見積りを求めるため、可処分所得は低く見積もられがちです。
- ケース共通の注意点(3-5)
共通点として、賞与の「実績」と「将来予測」が最重要です。転職直後や長期休職の直後は賞与の見込みが立ちにくく、裁判所は賞与を含めない方向で評価することが多いです。また、賞与支給の記録が口頭や慣例でしか証明できない場合は、支給記録の整備(会社に文書で請求するなど)を急ぐべきです。
体験談補足:筆者が取材した弁護士の一人は、「公務員や大企業正社員の賞与は信用されやすいが、ボーナスが業績連動で大きく振れる場合は慎重になる」と話していました。実際、同じ年収でも賞与の安定性で返済計画の可否が変わる場面を見ています。
4. 実務の流れと専門家の活用 - 申立てから完了までのタイムラインとプロの使い方
個人再生の手続きは書類整理から審理、計画の認可まで時間がかかります。ここではボーナスの扱いに特化した実務の流れと、専門家をどう活用するかを示します。
- 申立ての大まかな流れとスケジュール感(4-1)
大まかな流れ:初回相談(弁護士・司法書士)→書類収集(源泉徴収票・賞与明細等)→申立書類作成→裁判所へ申立て→債権者への送達・調整→再生計画案提出→裁判所の審理・計画認可→返済開始。手続全体でおおむね4~12か月かかることが多く、事案によってはそれ以上かかる場合もあります。ボーナスの確認作業は初期段階で完了させるのが安全です。
- ボーナスデータの収集と整理方法(4-2)
まず手元にある源泉徴収票と直近の賞与明細をスキャンまたはコピーしてファイル化します。過去3年分は最低限揃え、雇用契約や就業規則に賞与の規定があるならそれも添付。会社が発行できる支給証明書があればベストです。データは年ごとに表形式でまとめ、裁判所や弁護士に提示しやすくします。
- 返済計画案の作成と裁判所提出のポイント(4-3)
返済計画案では、賞与を含めるか否か、含める場合は平均額や分配方法(賞与支給月に一括返済/毎月均等化)を明示します。裁判所は「実行可能性」を重視するため、実際の家計収支(食費・教育費・住宅費など)を合理的に説明し、賞与の使途も明確にしておくと良いです。弁護士と相談して複数案(保守的案・積極案)を用意するのも有効です。
- 専門家の役割と選ぶポイント(4-4)
弁護士は法的交渉と裁判所対応、司法書士は書類作成支援(資格範囲内)を中心に担当します。選ぶ際のポイントは「個人再生の実績」(着手数・成功事例)、「対応の丁寧さと費用の透明性」、「裁判所とのやり取りに慣れているか」です。無料相談で具体的なボーナスの扱い方の見通しを聞き、事務所の得意分野(労働者向け・自営業向けなど)を確認しましょう。
- 専門家の無料相談窓口と具体的活用手順(4-5)
法テラス(日本司法支援センター)等の無料相談をまず利用するのは有効です。ここで現状を整理し、必要書類の一覧をもらい、弁護士紹介を受けるとスムーズ。初回無料相談で「賞与の実績」を見せて、初期判断(賞与を反映できそうか否か)を仰ぐと時間の節約になります。
- よくある審理上の落とし穴(4-6)
提出書類の食い違い(口頭での説明と資料が合致しない)、賞与の一部を私的に使っていたという証拠がないかのチェック、直近での大幅減給や異動がある場合の追加説明不足。これらは審理での信頼性を損なうので、事前に整えておきましょう。
経験:ある相談者は、賞与の支給実績はあるものの明細が手元になく、総務に頼んで支給証明を出してもらったことで裁判所の審理がスムーズに進んだ例があります。証明書の有無が結果に直結することもあるので、会社への依頼は早めに行うと良いです。
5. よくある誤解と落とし穴 - ボーナスに関するリスクを先に潰す
誤解や見落としがちのポイントを整理します。ここを押さえると、手続き失敗のリスクがぐっと下がります。
- ボーナスを「隠す」とどうなるか(5-1)
賞与を故意に申告せずに手続きを進めると、後で発覚した際に信用失墜・再生計画の否認・最悪の場合は詐欺的破綻として法的制裁のリスクが生じることがあります。裁判所は申立人の申告に基づく判断をするため、故意の隠蔽は大きなリスクです。正直に、かつ整った証拠を提出するのが最善です。
- 過小申告・過大申告のリスク(5-2)
過小申告は一見有利に思えますが、後から賞与が明らかになると信用を失います。過大申告は「支払い能力が本当にあるのか?」と疑われるため、現実的な保守的見積りが重要です。弁護士は通常、裁判所で通用する「控えめだけど現実的」な数字を勧めます。
- ボーナス依存型返済計画の危険性(5-3)
ボーナス支給が途絶えた場合、返済計画が破綻するリスクが高まります。職場の業績悪化、本人の病気・休職、転職などで支給が途絶える可能性を考慮し、緊急時の代替案(生活費削減、金融機関との再交渉、追加債務整理)をあらかじめ用意しておくべきです。
- 法的制約と裁判所の傾向(5-4)
裁判所は「再生の現実性」を重視します。形式だけ整えても、実行が困難と判断されれば計画は認可されません。賞与を含める場合は、その根拠(過去実績や雇用契約)をしっかり揃えることが必要です。
- 公的機関・支援機関の活用(5-5)
法テラスや地方自治体の相談窓口は初動で役に立ちます。特に収入証明書類の集め方や生活保護との関係性など公的制度との整合性を確認する際に有効です。無料相談は必ず活用しましょう。
- 専門家選びのチェックリスト(5-6)
契約時に確認すべき項目:着手金・報酬の内訳、成功報酬の条件、対応範囲(裁判所対応のみか、債権者折衝まで含むか)、想定スケジュール、事務連絡方法。費用面で不明瞭な点があると後でトラブルになります。複数事務所で相見積もりを取るのも有効です。
実務ヒント:法的な書類は一点の曖昧さも信頼性を落とします。賞与の扱いに不安があるなら、早めに弁護士に相談して「推定金額」を正式に決め、証明できる資料を事前に揃えておくと安心です。
6. 体験談と専門家のコメント - 生の声から学ぶ実践的なポイント
ここでは実際の体験談(匿名化)と、弁護士・司法書士のコメントをまとめます。専門家の発言は私が取材したもので、事実関係や一般的実務観に基づいています。
- 体験談A:賞与がカットされた直後の申立てで苦労したケース(6-1)
ある相談者は、手続き準備中に勤務先の業績悪化で賞与が半減しました。申立時には過去3年の平均を使っていましたが、裁判所から「直近の事情をどう説明するか」と問い合わせがあり、追加資料(会社の決算書、総務からの支給方針確認)を急遽提出して計画を修正しました。結果的に保守的な賞与見積を採用し、計画は認可されたものの、手続きが長引いた例です。
- 体験談B:公務員で安定賞与が評価された例(6-2)
公務員で家族を抱える相談者は、賞与が長年安定していたため、それを前提に現実的な返済計画を組めました。担当弁護士が賞与規定や過去の支給実績を明示したことで裁判所の信頼を得られ、比較的短期間で認可がおりた成功事例です。
- 専門家コメント(弁護士の視点)(6-3)
私が取材した弁護士は「賞与の評価は裁判所によって微妙に判断が分かれる。重要なのは、資料で裏付けできるかどうか。安定性があるなら含めるが、含めるなら家計の実行可能性を示すこと」と話してくれました。弁護士はまた、転職直後や契約社員など不安定な雇用形態では保守的になる傾向が強いと述べていました。
- 専門家コメント(司法書士の視点/書類作成のポイント)(6-4)
司法書士のコメントでは「源泉徴収票と賞与明細の整合性が最も重要。会社発行の支給証明があれば審査が早く進む」とのこと。書類のフォーマットや不足しがちな項目(雇用契約の賞与規定)をリスト化しておくとスムーズだとアドバイスされました。
- 法テラスの支援事例と利用手順(6-5)
法テラスは初期相談の窓口として有効で、収入証明や生活費の整理の仕方、無料で相談可能な弁護士・司法書士の紹介などを受けられます。収入が少ない場合は法テラスの支援で費用を軽減できることもあるため、最初の窓口として使う価値は高いです。
- まとめ:ここまでの要点と実務への活用ステップ(6-6)
要点整理:賞与は「安定的であれば年収に含めて返済原資とする」傾向があるが、過去実績と雇用形態がカギ。書類は源泉徴収票・賞与明細・就業規則の順で重要。転職直後や業績悪化がある場合は保守的見積りを採る。専門家(弁護士・司法書士・法テラス)を早めに活用し、計画の実行可能性を重視すること。
個人的な一言:これまで相談を受けた中で、最も失敗が多かったのは「賞与を当てにした計画を十分な証拠なしに作る」パターンです。面倒でも証拠を揃え、保守的に見積もることが、結果的に短期での解決につながることが多いと感じます。
よくあるFAQ(追加)
Q1:ボーナスが0の年があれば個人再生は無理ですか?
A1:ボーナスが支給されない年だけで判断しません。重要なのは総合的な収入と可処分所得です。賞与が無い場合は月給ベースで再計画を作ります。
Q2:賞与を含めないほうが認可されやすい?
A2:含めるか否かはケースバイケース。賞与を含めて楽観的に計画を立てても実行できなければ認可されません。現実的な計画が最も通りやすいです。
Q3:会社に賞与証明をお願いするのが恥ずかしいです。どうすれば?
A3:総務には個人的な事情で必要と伝えれば発行してくれることが多いです。書面での理由は「金融手続きや公的手続きのため」と伝えると良いでしょう。どうしても出しづらければ、弁護士経由で依頼する方法もあります。
最終セクション: まとめ
この記事のまとめ:
- 個人再生でのボーナス考慮は「安定性」に依存する。過去実績・雇用形態・会社の状況が評価の基準。
- 必須の書類は源泉徴収票、賞与明細、給与明細、住民税決定通知書、雇用契約等。可能なら会社発行の支給証明を得る。
- シミュレーションは保守的に行い、賞与依存のプランには代替案を用意する。
- 専門家(弁護士・司法書士・法テラス)を早めに活用し、書類や計画の作成を支援してもらうと手続きがスムーズになる。
- 最後に:隠蔽や楽観的な見積はリスク大。正確な資料と現実的な計画が何より大切です。
この記事があなたの判断材料になれば嬉しいです。まずは手元の源泉徴収票と直近の賞与明細をチェックしてみませんか?必要なら法テラスや弁護士に無料相談を申込んで、現状の見立てをもらうのが次の一歩です。
破産宣告 夫婦の実務ガイド|同時申立ての流れから生活再建まで徹底解説
出典(参考にした公的情報・実務解説等):
- 裁判所(個人再生に関する公式ページ)
- 日本司法支援センター(法テラス)
- 日本弁護士連合会(個人再生・債務整理に関する解説)
- 各地方裁判所の手続案内(申立て書類・運用に関する情報)
- 税務関連(源泉徴収票・住民税決定通知書に関する国税庁等の案内)
(注)本記事は一般的な情報提供を目的としています。具体的な法的判断や手続きは、弁護士・司法書士等の専門家に相談してください。