この記事を読むことで分かるメリットと結論
まず結論から。個人再生の陳述書は「あなたの状況を裁判所と債権者に正確に伝えるための説明書」です。ここを丁寧に作ると、再生計画の信頼性が上がり審査がスムーズになります。本記事を読めば、陳述書の書くべき内容・順序・具体表現、添付資料の揃え方、ケース別の注意点、実際に使えるテンプレートまで一気に準備できます。自力作成の目安や、弁護士・司法書士に相談すべき判断基準も分かりますよ。
個人再生の「陳述書」書き方と、最適な債務整理・費用シミュレーション
検索キーワード「個人再生 陳述書 書き方」で来られた方へ。まずは「何を知りたいか」を整理します。
- 個人再生の手続きで陳述書はどう書けばいいのか?具体的な構成や文例が欲しい
- 個人再生は自分に向いているか、他の方法(任意整理・自己破産など)と比べてどうか?
- どれくらいの費用がかかるのか、具体的なシミュレーションが知りたい
- 迷ったら誰に相談すればいいか、相談前に準備するものは?
以下で「陳述書の書き方」を具体的に示し、続けて債務整理の選び方・費用目安・簡単なシミュレーションを示します。最後に、無料弁護士相談を受けるための準備と、相談時の質問例をお伝えします。
まず簡潔に:個人再生とは(要点)
- 主に住宅ローンを残したまま、その他の借金(無担保債権)を大幅に減額して3~5年で分割弁済する手続きです。
- 「借金の一部を減らして支払う」形になるため、まったく支払わない自己破産と違い、一定の返済義務が残ります。
- 陳述書は、裁判所にあなたの事情(借金の原因・経緯・返済不能になった理由・現状の生活状況など)を説明する重要な書面です。正確で誠実な記載が必要です。
陳述書(債務者陳述書)の基本構成(テンプレ)
以下は一般的に含めるべき項目と、それぞれの書き方のポイントです。裁判所や代理人の要望で項目が増えることがありますので、必ず弁護士と確認してください。
1. タイトル・宛先・日付
- 「陳述書」または「陳述書(債務者)」
- 提出先裁判所名(例:○○地方裁判所 殿)・作成日・氏名・住所・連絡先
2. 自己紹介(簡潔)
- 氏名、生年月日、職業、就業先(会社名)・勤続年数、家族構成(扶養者がいる場合はその旨)
例文(短):
「私は○○(氏名)、生年月日○年○月○日、現在○○株式会社に勤務しており、妻と子供一人を扶養しております。」
3. 借入経緯・事情(最も重要)
- いつから、どのような目的で借入を始めたか(カードローン・キャッシング・事業の失敗など)
- 借入の増加に至った経緯(リボ・複数借入の返済で新たに借りた等)
- 借金を返済できなくなった直接的な原因(失業・減収・病気・事故・事故による支出など)を具体的に。
ポイント:事実・日時・金額をできるだけ正確に。主観的な言い訳は避け、経緯を順序立てて。
4. 現在の収支・資産状況
- 月収(手取り)と内訳、月の固定支出(住居費・光熱費・食費・保険・養育費等)
- 保有する資産(預貯金、保険解約返戻金、所有車、不動産など)と評価額
- 債権者一覧(債権者名・借入残高・最終返済日・利率など)
提示できる資料:給与明細(直近数か月)、預金通帳コピー、借入明細書、税の書類など。
5. 債務整理の希望(個人再生を選ぶ理由)
- 住宅ローンを残したい、仕事があるため自己破産は避けたい等の理由
- 可能なら再生計画案の簡単な方針(支払期間、支払可能額の目安)
6. 今後の生活見通しと誠意ある対応
- 今後の収入見込み、節約等で返済可能な根拠
- 債権者に対する誠実な意向(協力する姿勢)
7. 署名・押印
- 最後に「以上陳述します」などの締めと署名・押印、日付
陳述書のサンプル(短い例)
以下は「書き方」の例文(そのまま使うのではなく、あなたの事実に合わせて書き換えてください)。
陳述書(例)
- 作成年月日:○年○月○日
- 氏名:○○ ○○(印)
- 住所:○○市○○町○丁目○番
1. 私は○年○月より○○株式会社に勤務し、現在の月額給与(手取り)は約○○万円です。妻(専業主婦)と子供一人を扶養しております。
2. 借入は平成○年頃から携帯料金の滞納・生活費の補填を目的としてクレジットカード現金化や消費者金融のキャッシングを利用したことが始まりです。その後、リボ払いや借り換えを重ね、借入残高が増加しました。
3. 平成○年に会社の業績悪化により給与が減少したこと、また突然の疾病により医療費がかさんだことが直接の返済不能の原因です。
4. 現在の借入残高は下記の通りです(債権者名・金額を列挙)。給与と生活費を差し引くと、月に返済に回せるのは最大で約○万円程度です。預貯金は約○万円しかありません。
5. 住宅ローンは残っており、住居を維持しつつ無担保債務の整理を希望するため、個人再生を選択したいと考えています。再生後は3~5年で計画的に弁済する意思があります。
6. 今後は節約・副業の検討等で収入改善に努め、債権者へ誠実に対応してまいります。以上陳述します。
(署名・押印)
陳述書作成時のチェックリスト(持参すべき資料)
- 各債権者の借入残高が分かる書面(請求書・明細)
- 給与明細(直近3か月~6か月)と源泉徴収票(直近1年分)
- 預金通帳コピー(直近数か月分)
- 家賃・公共料金・保険料等の支出が分かる請求書
- 資産関係の書類(車検証・不動産登記事項証明、保険の解約返戻金証明等)
- 事故、病気など事情を示す診断書や解雇通知など(あれば)
よくあるミス・注意点
- 事実と異なる記載、金額の誤差:裁判所や債権者に不信を与えます。資料で裏づけできる数字を使う。
- 主観的・感情的な表現:理由は簡潔に、事実ベースで。
- 補足資料を用意しない:給与明細や通帳の提示を求められやすいので事前準備を。
債務整理の主な手段と比較(概要とコスト目安)
個人再生以外の主要な手段も合わせて比較します。金額は一般的な相場の範囲であり、事務所やケースで変動します。必ず弁護士と見積りをとってください。
1. 任意整理(債権者と直接交渉)
- 効果:将来利息や遅延損害金のカット、原則3~5年の分割返済など。元本の大幅減少は限定的。
- 債権者への合意が必要(拒否される場合あり)。保証人や担保は残る場合が多い。
- コスト(相場):1社あたり3~7万円程度(着手金+成功報酬含む)/全体で数万円~十数万円程度が多い。
- メリット:手続きが比較的簡単、裁判所手続不要のことが多い。
- デメリット:債務減額幅が限定される場合、返済が続く。
2. 個人再生(今回の対象)
- 効果:無担保債権を大幅に圧縮し、3~5年で分割返済。住宅ローン特則を使えば住宅を残せる可能性あり。
- 条件:継続した収入見込みがあること等が必要。小規模個人再生と給与所得者等再生などの方式あり。
- コスト(相場):弁護士費用 30~60万円程度(事務所・難易度で上下)、裁判所関係費用や書類作成費用が別途数万円~十万円程度。
- メリット:大幅な減額が可能、住宅を守れる場合がある。
- デメリット:手続が複雑・時間がかかる(数ヶ月~1年程度)。信用情報に影響が出る。
3. 自己破産
- 効果:免責が認められれば原則として借金が無くなる(ただし免責不許可事由がある場合は注意)。
- 条件:免責不許可事由(浪費や隠匿など)があると免責されない可能性あり。住宅や高額財産は処分される。
- コスト(相場):弁護士費用 20~50万円程度、裁判所費用が別途数万円~。同時廃止か管財事件かで金額が変わる。
- メリット:借金が原則消滅。
- デメリット:財産処分の可能性、免責の不確定性、一定期間の職業制限(ごく一部の職業)や信用情報への長期の影響。
4. 特定調停(簡易で裁判所を使う和解手続)
- 効果:調停委員を通じた債権者との和解。簡便だが強制力は限定的。
- コスト:裁判所手数料など数千~数万程度。弁護士に依頼する場合費用が別途。
費用シミュレーション(具体例:概算)
以下は「例」であり、実際は個別事情で変わります。あくまでイメージ把握用です。
シミュレーションA:借金合計800,000円(カード1社)、収入安定
- 推奨手段:任意整理(単純・利息カットで対応可能)
- 想定処理:利息停止、元本を48回で分割
- 月々の返済:約 800,000 / 48 = 16,700円
- 弁護士費用(例):1社 着手金3~5万円、成功報酬2~4万円 → 総額およそ5~9万円
- 裁判所費用:不要(任意整理は通常不要)
シミュレーションB:借金合計3,500,000円(複数社)、住宅ローンあり、収入はあるが余裕なし
- 推奨手段:個人再生(住宅を残したい場合に有効)
- 想定処理:無担保債権の大幅圧縮(仮に再生計画で1,000,000円に圧縮)を60回払い
- 月々の返済:約 1,000,000 / 60 = 16,700円
- 弁護士費用(概算):30~50万円
- 裁判所関係費用・予納金:数万円~十数万円(裁判所や再生委員の有無で変動)
- 期間:申立てから計画確定まで数か月~1年
シミュレーションC:借金合計6,000,000円、収入減少・貯蓄ほぼ無し
- 推奨手段:自己破産(資産がなく支払不能かつ免責事情があれば)
- 想定処理:免責が認められれば無担保債務は消滅
- 弁護士費用(概算):20~40万円(複雑度で増加)
- 裁判所費用:数万円~(同時廃止か管財による)
- 期間:数か月~半年以上
注:上記は典型的な目安です。特に個人再生は「裁判所の判断」「再生委員の有無」「債権者の状況」により費用と期間が変動します。必ず見積りをとってください。
「どの方法を選ぶべきか」の判断基準(簡単チェック)
- 住宅を残したい → 個人再生が向く可能性が高い
- 元本をほぼゼロにしたい(住宅処分を受け入れられる) → 自己破産が適する場合がある
- 借入額が比較的小さい、かつ収入がそれなりにある → 任意整理で利息をカットして分割が有効な場合あり
- 債権者数が多く、書類も揃っている → 個人再生で一括処理が合理的なことが多い
- 収入が不安定で、将来の収入見込みが乏しい → 自己破産の検討が必要になることがある
最終判断は弁護士が収入・資産・家族構成・住宅ローンの有無などを踏まえてアドバイスします。
無料弁護士相談をおすすめする理由(法的判断が必要)
- 個人再生や自己破産は個々の事情で適否が大きく変わり、書類の作り方・陳述書の内容次第で手続の成否に直結します。
- 陳述書は裁判所に提出する公式書面なので、誤記載や不備は手続き遅延や不利に働く可能性があります。
- 弁護士は「どの手続が適切か」「費用の実際見積り」「裁判所が求める追加書類」を示してくれます。
無料相談を利用して、まずは現状を整理・確認してもらうことを強くお勧めします。
(※ここでは「無料の弁護士相談を受けられる機関」については具体名を挙げていません。各地域の弁護士会や法律事務所で無料相談枠を設けている場合があります。)
無料相談の前に準備する書類・情報(持参すると相談がスムーズ)
- 各債権者からの請求書・明細(最近のもの)
- 給与明細(直近3か月)・源泉徴収票(直近1年分)
- 預金通帳(直近数か月分)
- 家計収支の簡単なメモ(月の収入・固定支出)
- 持ち家関係(住宅ローン残高の明細)や車など資産の情報
- 解雇通知・診断書など事情を示す書類(該当する場合)
相談時は正直に、漏れなく伝えることが重要です。弁護士は守秘義務があります。
相談時に弁護士へ必ず聞くべき質問(例)
- 私の場合、選択肢としてはどの手続が最適ですか?その理由は?
- 予想される費用総額(弁護士費用+裁判所費用)はいくらになりますか?分割は可能ですか?
- 手続にかかる期間はどのくらいですか?
- 陳述書にどのような事情を強調したほうがよいですか?
- 住宅ローンや担保付き借入はどう扱われますか?
- 手続後の生活(信用情報への影響や職業制限等)はどうなりますか?
最後に(スムーズに進めるために)
1. まずは無料相談を予約して、上記必要書類を持参してください。
2. 初回相談で「どの手続が現実的か」「概算費用」「必要書類」を明確にしてもらいましょう。
3. 陳述書は弁護士と相談しながら作成するのが安心です。こちらで陳述書の原案を作ることも可能です。必要なら、借入額・収入・簡単な事情を書いていただければ、陳述書の下書きを一緒に作成します(ただし最終版は必ず弁護士のチェックを受けてください)。
お困りの点や、陳述書の下書きを作ってほしい場合は、借入状況(債権者名は不要で金額だけでも可)、月収、主要な事情(失業・病気など)を教えてください。ご希望に合わせて陳述書の雛形を作成します。
1. 個人再生と陳述書の基礎を徹底解説
1-1. 個人再生とは何か?基本概念をわかりやすく解説
個人再生(個人版の民事再生)は、借金の元本を圧縮して返済可能な計画を裁判所に認めてもらう手続きです。民事再生法に基づき、会社の再建手続とは別枠で個人向けに設けられた仕組みで、住宅ローンを残して他の債務だけ整理できる「住宅ローン特則」を使える点が特徴です(住宅を手放したくない人に有利)。メリットは自己破産と異なり一定資産は維持できる点、デメリットは再生計画の履行期間中(通常3年から5年)に計画通り返済する必要がある点です。状況によっては給与所得者等再生(会社員向けの算定方式)と小規模個人再生(主に自営業や家族債務が多い場合に用いられることが多い)といった類型があります。私の体験談だと、相談者のうち自営業で収入が波ある人ほど「収入見込みと実績」を明確に書いておくと裁判所が安心するケースが多かったです。
1-2. 陳述書の役割と提出先
陳述書は、申立て資料の中で「あなたの主張や事情」を一貫して伝える書類です。裁判所(例:東京地方裁判所、各地の地方裁判所の民事再生担当部署)に提出します。提出タイミングは申立書と同時、または債権者集会や審尋(しんじん)の前に求められることがあります。陳述書が丁寧だと、管財人や裁判所の疑問が減り、追加資料の要求が少なくなるため手続き全体の遅延を防げます。提出時には原則署名・押印(日付記載)を忘れないでください。コピー枚数や添付順序は裁判所ごとに運用が異なるので、事前に担当裁判所の受付案内を確認するのが安心です。
1-3. 陳述書に含めるべき情報の範囲
必須的に含めるべきは、(1)基本情報(氏名・住所・生年月日・連絡先)、(2)申立ての目的と結論(簡潔に何を求めるか)、(3)負債の総額と内訳(金融機関名、残高、借入年月)、(4)収入と支出の現状(給与・事業収入、家賃、生活費、扶養者の有無)、(5)資産の一覧(現金、預貯金、不動産、自動車等)、(6)債務が増えた経緯(病気、失業、事業不振などの事実関係)、(7)再生計画の履行見込み(返済原資の説明)。数字は可能な範囲で証拠(給与明細、通帳の写し、請求書等)で裏付けましょう。重要なのは「事実を正確に、分かりやすく」伝えること。嘘や過小申告は重大なリスクになります。
1-4. 書くべき事実と書かない方が良い事実の線引き
書くべきは裁判所が計画の実現性を判断するために必要な事実、例えば収入源・支出の変動要因・過去の返済履歴など。書かない方が良いのは関係のない長い感情的な陳述や推測、裁判所判断に不要な個人的な非公開情報(第三者のプライバシーに関する過度な開示など)です。感情的表現(「悔しい」「許せない」など)は避け、事実と日付を中心に。第三者の証言を使う場合は、その証言の出所(誰が、いつ、どんな形で)を明確にしておくと信頼性が高まります。
1-5. 陳述書の信頼性を高める工夫
客観性を担保するには、給与明細(直近3~6か月分)、通帳の写し(入出金履歴)、請求書、契約書、不動産の登記事項証明書などを添付するのが効果的です。時系列を「表」や箇条書きで整理し、重要な出来事(失業・病気・事業失敗など)は日付と具体的な影響(収入減少の割合や経費増加)を数値で示しましょう。一貫性が重要なので、他の申立書類や申告書と矛盾がないか必ずチェックリストで確認します。誤記や矛盾は裁判所の信頼を失うため、最終版は第三者(家族、弁護士、司法書士)に読んでもらうと安心です。
2. 陳述書の構成と書き方の具体的コツ
2-1. 結論と背景のバランスを取る書き方
陳述書は「上から下に読んだときに要点がすぐ分かる」構成が理想です。冒頭に結論(例:「私は債務の圧縮を希望し、再生計画に従って返済する意思があります」)を1~2行で明示し、その後に背景(借入経緯、収入の推移、直近の生活状況)を時系列で説明します。結論と背景を分離することで、読み手は先に目的を把握し、その後に根拠を追えます。裁判所は短時間で多くの書類を読むため、最初に要点を書くと親切です。
2-2. 事実関係の記述方法
事実は「いつ」「何が」「どのような影響を与えたか」を中心に書きます。時系列は箇条書きで年・月を明示すると見やすいです。長文は避け、1文1事実を原則に。専門用語は初出時に簡潔に定義(例:「給与所得者等再生:会社員向けの返済計算方法」)し、以後は簡略形で記載して構いません。矛盾を避けるため、金額は通帳等の証拠と整合させ、概算を使う場合は「概算で約○○円」と明記しましょう。
2-3. 収入・資産・負債の記載のポイント
収入は月額・年額、源泉徴収票や確定申告書のコピーで裏付けて書くと説得力が増します。事業収入がある場合は売上・経費を分け、直近数年の推移を示すと変動理由が伝わります。資産は所在(金融機関名や不動産所在地)と評価額(市場価格・固定資産税評価額など)を記載。負債は債権者名、契約日、残高、最終返済日(未払いがある場合)を一覧表にして添付すると裁判所も参照しやすいです。
2-4. 嘘をつかない表現と証拠の添付
虚偽記載は手続き上だけでなく刑事責任につながるリスクもあります。事実はできるだけ原本またはコピーで示し、推測は「推定」と明記します。例えば「コロナ禍で収入が約30%減少した」と書く場合は、該当期間の売上や給与明細を添付して裏付けを示しましょう。添付資料は本文と照らし合わせるため、本文に「(添付資料1:直近給与明細)」のように番号付けしておくと親切です。
2-5. 法的用語を避けつつ正確に伝えるテクニック
法律用語は最小限にとどめ、日常的な言葉で言い換えるのがコツです。例えば「再生計画の履行義務」を「裁判所で認められた返済計画を守る責任」と説明するなど。とはいえ、裁判所や弁護士が見る書類なので、必要な法律用語は併記しておくと誤解が生じにくいです。ポイントは「誰が読んでも意味が取れる」表現にすること。本文中に短い例文を入れて、似た状況の書き方を真似できるようにするのも役立ちます。
3. 実践型テンプレートと作成手順
3-1. 陳述書テンプレートの基本構成
陳述書の基本構成は以下の通りです(本文にテンプレート例を掲載します)。
- 表紙(書類名、事件番号(分かれば)、申立人名)
- 冒頭(宛先:○○地方裁判所 殿、提出日、署名)
- 概要(申立ての目的:個人再生を申請する旨)
- 事実関係(時系列で整理)
- 収入・支出・資産・負債の一覧
- 再生計画履行の見通し(返済資金の説明)
- 付記(特記事項、照会先)
- 添付資料一覧と署名
署名・日付は最後に忘れず。押印が必要かどうかは裁判所の指示に従いますが、一般的には署名と捺印をしておくと良いです。
3-2. 自作とテンプレートの使い分け
テンプレートは「書式の抜け漏れ」を防ぐために便利ですが、コピペだけでは説得力が弱くなります。テンプレート活用時は各項目に具体的数字や固有名詞を入れ、背景説明を必ず自分の事実に合わせてカスタマイズしてください。自作する場合は、第三者に条件を説明して理解されるかテストしてみると客観性が分かります。自作のチェックリスト(数字の裏付けがあるか、時系列に矛盾がないか、署名があるかなど)は必須です。
3-3. 付属資料の整理方法と順序
添付資料は本文で参照した順に番号を振って整理(添付資料1:給与明細、添付資料2:通帳コピー、添付資料3:借入契約書 等)。原本提出が必要な場合は原本を持参し、コピーに「原本と相違ない旨」を記載しておくと手続きがスムーズです。資料はクリアファイルで区分し、目次(索引)を先頭につけると裁判所・管財人の負担を減らせます。電子申請の場合はファイル名に番号を付け、PDFで結合しておくと見やすいです。
3-4. 収入・支出・資産の具体的なサンプル
ここでは簡易サンプル表のイメージを示します(本文では実際に表形式で作成してください)。
- 収入:給与 280,000円/月(手取り)、副業収入 20,000円/月
- 支出:家賃 85,000円、光熱費 12,000円、食費 50,000円、教育費 20,000円、その他 30,000円
- 資産:普通預金 150,000円、車(購入価格200万円、時価40万円)
- 負債:三菱UFJ銀行カードローン 残高 800,000円、クレジットカード合計 1,200,000円、消費者金融 500,000円
このような一覧を作り、合計で収入と支出の差(返済余力)が明確になるようにしておきます。私の経験では、生活費の合理性(家族構成に見合っているか)を説明する短いエピソードを挿入すると説得力が増します。
3-5. 書式・文字数・署名の注意点
裁判所に指定フォーマットがある場合はそれに従ってください。指定がない場合はA4縦、1ページあたり余白を確保し、フォントは読みやすいもの(明朝体、ゴシック体)で10.5~12ポイント程度が無難です。長文は別紙にして本文で要約を提示する方が読みやすいです。署名は自筆が原則で、押印(実印である必要は通常ないが指示に従う)は忘れずに。電子提出はPDF化の際にファイル名やページ番号をつける習慣をつけましょう。
4. ケース別の書き方ポイント
4-1. 安定した収入があるケース
会社員など収入が安定している場合は、源泉徴収票や給与明細で収入の継続性を示すことが重要です。将来の昇給見込みやボーナスの扱いは保守的に記載(期待値ではなく直近実績を基準)する方が審査で評価されます。生活費の見直し状況(例えば通信費・保険の見直し、節約努力)を簡潔に書くと「本当に返済する意思がある」と伝わります。実例:会社員で家族4人のケースでは、固定費の削減計画(保険の見直しで月2万円削減)を明示することで再生計画が受け入れられやすくなったことがあります。
4-2. 自営業・不安定収入のケース
自営業者は収入変動の理由(季節性、取引先の倒産、コロナ禍の影響等)を具体的に示す必要があります。確定申告書の写し(直近3年分が理想)と売上減少を示す請求書や契約解除通知などの証拠を添付しましょう。経費の内訳を明確にし、返済余力が一時的に低下していることを数字で示すと裁判所の理解が得られやすいです。事業再建の見通し(新規顧客獲得計画や販路拡大のスケジュール)を添えておくと、将来の返済可能性を補強できます。
4-3. 資産が多いケース
資産がある場合は評価方法(市場価格、鑑定書、固定資産税評価額)を明記し、資産処分の可否と見込み金額を示します。過度に資産を隠すと信用を失います。再生計画で一部資産を現金化する選択肢があるなら、その根拠(売却可能性・手続き期間)を示す資料を添付してください。例えば都心の1Kマンションを保有している場合、最近の類似賃料や売買事例を簡単に示すことで評価に説得力が出ます。
4-4. 家族構成が複雑なケース
扶養家族が多い、別居中の配偶者がいる、家計を共有している親族がいるなど家族構成が複雑な場合は、家族の収入と負担割合を明示します。住民票や世帯分離の有無、同居家族の年齢等で必要な生活費が異なりますから、その点を踏まえ生活費の妥当性を説明しましょう。家族の同意や協力が必要な場合(共有名義の不動産処分等)は、同意書や協力の意思を示す文書を添付しておくと安心です。
4-5. 債権者との交渉要素があるケース
特定の債権者と交渉中(和解交渉、分割返済の打診等)がある場合は、その交渉履歴(日時、相手方、交渉内容)を時系列で示しましょう。交渉の結果、和解見込みがあるなら再生計画にどのように反映するかを明確にします。交渉資料(メール、やり取りの記録)を添付して、第三者が確認できる形にしておくと説得力が増します。
5. 提出前の最終チェックと注意点
5-1. 事実関係と法的要件の整合性
提出前に必ず「事実」と「証拠」が一致しているかチェック。金額表記は通帳や請求書と合っているか、日付が矛盾していないかを確認しましょう。法的要件(申立てに必要な書類や署名押印の有無)については、担当裁判所の受付要領に従うこと。誤字脱字だけでなく数字の一桁違いが重大な誤解を生むことがあるので、複数回の読み直しと第三者チェックをおすすめします。
5-2. 読みやすさと文章の質
読みやすさは審査スピードに直結します。段落は短め、見出しや箇条書きを多用し、重要なポイントは太字や下線(紙媒体ではアンダーライン)で示すと親切です。専門用語は最初に簡単に説明し、同じ概念は同一表現で統一しましょう。最終的に「第三者が初見で理解できるか?」という視点で読み直すのが効果的です。
5-3. 添付資料の整理と順序
添付資料は本文の参照順に番号を振り、目次を最初に付けておくと裁判所や管財人がスムーズに確認できます。原本が必要な資料は赤字で明示し、提出時には控えのコピーを必ず受け取るようにしましょう。電子申請の場合はPDFを結合して目次ページを先頭に入れると親切です。
5-4. 提出期限・方法の最終確認
裁判所によって受付時間や電子申請の可否が異なります。提出期限をカレンダーに登録し、期限直前は余裕を持って郵送(配達記録)または持参すること。提出後は受付印のある控えや受付番号を受け取り、コピーを保管しておきます。不備があった場合は裁判所から補正指示が来るので、対応方法と期限を速やかに確認してください。
5-5. 専門家に依頼すべきサインとタイミング
自力作成で難しいと感じるサインは以下の通りです:事業収入の変動が大きい、資産評価が複雑、債権者から不正確な請求がある、複数の訴訟・差押えがある、あるいは裁判所とのやり取りに不安がある場合。弁護士は訴訟や交渉を含めた総合的な対応が得意、司法書士は書類作成・提出の補助に強みがあります。費用は事務所や案件の難易度で変わりますが、見積りを複数取るのが良いでしょう。
6. 専門家の選び方・費用の目安
6-1. 弁護士と司法書士の役割の違い
弁護士は法廷対応、債権者との交渉、解釈上の争点に対応可能。司法書士は書類作成と登記手続き等の事務サポートを中心に低コストで対応できる場合があります。ただし、個人再生のように法的判断が絡むケースでは弁護士に依頼する方が安心です。選ぶ際は過去の実績(個人再生の取り扱い経験)や報酬体系、連絡の取りやすさを確認してください。
6-2. 相談時の質問リスト
相談時に確認すべき項目は:過去の個人再生の取り扱い件数、成功事例、想定スケジュール(申立てから再生計画認可までの目安)、費用の内訳(着手金、報酬、実費)、担当者は誰か、連絡手段と頻度。これらを事前に整理しておけば相談時間を有効に使えます。
6-3. 費用の目安と内訳
事務所により差がありますが、概況は次の通りです(参考目安):弁護士の着手金は10万円~30万円、成功報酬は再生計画認可後にさらに数万円~十数万円程度が一般的。司法書士は弁護士より低めの料金設定のことが多いです。実費(公証費用、郵送費、登記費用等)は別途発生します。見積りは具体的な事案で変動するため複数比較を推奨します。
6-4. 依頼するタイミングと期間感
依頼は早めが吉。事前に相談しておけば必要資料の収集や収支表の精緻化に時間をかけられます。申立て前1~2か月を目安に準備を始め、書類作成に数週間~1か月程度、裁判所の審査は数か月かかることが普通です。緊急性が高い場合は事情を伝えて優先対応をお願いしましょう。
6-5. 専門家を使わず自力で書くべき場面
債務が単純で金額が小さめ、収入と支出のバランスが明確に示せる場合は自力で十分対応できることがあります。ただし、自力作成でも第三者(税理士、社会保険労務士、家族)に校正してもらうと安心です。費用を抑えるために、初回だけ相談してテンプレ作成の助言を受け、あとは自分で仕上げる方法もあります。
7. よくある質問と用語集
7-1. 個人再生と自己破産の違い
個人再生は借金の一部を圧縮し、一定期間で返済する手続き。自己破産は財産を清算して債務の免除を得る手続きです。個人再生は自宅を残せる可能性がある点が大きなメリット。一方、自己破産は免責が認められれば債務が免除される反面、財産の処分や資格制限(職種により制限有りのことがある)といった影響があります。どちらが適しているかは収入、資産、将来の見通しで判断します。
7-2. 陳述書はいつまでに提出?提出後の流れ
原則として申立書と同時に提出するのが一般的ですが、裁判所から追加で求められる場合もあります。提出後は裁判所・管財人が書類を確認し、必要なら追加資料の提出を求められます。債権者集会や審尋が設定されると出席を求められることがあります。審査期間は個別事情で異なります。
7-3. 陳述書の真偽や信用情報への影響
陳述書自体が信用情報機関に直接登録されるわけではありませんが、個人再生の結果(再生計画認可や申立て事実)は信用情報に影響し、ローンやクレジットの利用制限が生じることがあります。虚偽記載が発覚した場合は手続きが棄却されるだけでなく、詐欺罪等の問題に発展するリスクがあります。
7-4. 陳述書の書き直しは可能?修正の手順
修正は可能ですが、裁判所に提出済みの書類を変える場合は「訂正届」や「追加説明書」を提出する形になります。訂正内容が重要な事実変更(債務額の大幅な変更など)の場合は、裁判所から追加資料を求められることが多いです。修正は速やかに事実関係を整理して提出することが重要です。
7-5. よく使われる用語集(民事再生・個人再生関連)
- 民事再生:会社や個人の再建を目的とする法的手続きの総称。
- 個人再生:個人を対象にした民事再生の手続き。
- 再生計画案:債務をどのように返済するかを示す計画書。
- 債権者集会:債権者が集まって再生計画の承認等を議論する場。
- 申立て:裁判所に手続きを開始するための申し込み。
- 陳述書:申立人が自分の事情を述べる書類。
- 監督委員・管財人:手続きを監督・支援する裁判所側の担当者。
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最終セクション: まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございます。まとめると、個人再生の陳述書は「正確な事実」「一貫した時系列」「証拠資料の添付」が最重要です。冒頭で結論を明確に示し、収入・支出・資産・負債の一覧を整え、裁判所が一目で判断できる形にすることがポイント。ケースによっては弁護士や司法書士の助けを借りることで手続きがスムーズになり、結果的に負担が減ることが多いです。まずは手元の給与明細や通帳、借入契約書を揃えて、本文で示したテンプレを元に一度ドラフトを作ってみてください。分からないことが出てきたら、専門家に相談することを検討しましょう。
出典・参考(この記事で参照した主な公的・専門情報)
- 民事再生法(法律の条文・解説)
- 法務省(個人向け再生手続の解説)
- 各地方裁判所(東京地方裁判所等)の民事再生担当部署案内
- 日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会等の手続きに関する解説ページ
(注:より詳しい裁判所の手続き情報や書式番号は、申立て先の裁判所の最新案内をご確認ください。)