この記事を読むことで分かるメリットと結論
結論を先に言うと、個人再生の手続き中は「新たに不動産を担保にしたローンを組むのは極めて難しい」が、再生手続き完了後の一定期間を経て、条件次第では不動産担保ローン(または住宅ローンの借り換え)を検討できる可能性があります。本記事では「なぜ難しいのか」「いつなら可能か」「審査で重視されるポイント」「自宅を守るための代替策(任意売却・リースバック等)」「金融機関ごとの実務感覚」「弁護士やFPの使い方」まで、具体的な手順と注意点をわかりやすく解説します。読むと、実際に動き出すときの優先順位と準備書類がはっきりしますよ。
個人再生と不動産担保ローン — まず何を知ればいいか、選べる選択肢と費用シミュレーション
「不動産担保ローン(抵当付きの借入)があるけれど、借金を整理したい」──この検索で来られた方は、特に自宅や土地に抵当が入っている場合の対応を知りたいはずです。ここでは、個人再生が不動産担保ローンにどう影響するか、他の債務整理との違い、実際にかかる費用の目安と簡単なシミュレーション、そして次に取るべき行動をわかりやすく示します。最後に、正確な診断のために弁護士の無料相談を受けることをおすすめします。
注意:下に示す金額や減額率はケースごとに大きく変わるため、あくまで「イメージ(例示)」です。最終的な判断と金額の確定は弁護士との個別相談が必要です。
1) まず押さえるべきポイント(結論から)
- 不動産に担保(抵当権)がついているローンは「担保債権」です。担保は残るため、ローンを全額免除することは基本的に難しいです。
- 個人再生は「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用すると、自宅を残したまま他の借金(主に無担保債権)を整理できる可能性があります。住宅ローン自体は原則としてこれまで通り支払いを続けます(条件あり)。
- 任意整理は交渉で将来利息をカットなどできる場合があるが、担保付きローンは貸し手が担保を理由に同意しないことが多く、個人再生の方が自宅を守りやすい場面が多いです。
- 自己破産は手続きの性質上、不動産が換価(売却)される可能性が高く、自宅を失うリスクがあります(例外・分割所有などの事情あり)。
2) 不動産担保ローンは個人再生でどう扱われるか(要点)
- 担保権自体はなくなりません。つまり、抵当権を外さずに債権そのものを一方的に消すことはできません。
- 個人再生では、住宅ローンについて「従来通り返済を続ける」ことで自宅を守る方法が取れることが多いです(住宅ローン特則)。この場合、住宅ローンは再生計画の対象外として扱われ、その他の無担保債務を整理します。
- 一方で、「担保物を手放して債務を減らす(抵当を実行して処分)」という選択もあり得ます。売却でローンを一部完済できれば、残債を減らして手続きするケースもあります。
- 担保が設定された不動産が自宅でない場合(貸地、投資用物件など)、その扱いはさらに複雑になるので専門家に相談が必要です。
3) 他の債務整理との違い(ざっくり比較)
- 任意整理
- メリット:交渉で利息カットや返済期間調整が可能。比較的手続きが早い。
- デメリット:担保付きローンは貸し手の同意が得にくい。強制停止(法的効力)は弱い。
- 個人再生
- メリット:裁判所を通す手続きで法的拘束力があり、無担保債務の大幅減額が期待できる。住宅ローン特則で自宅を残しやすい。
- デメリット:手続き費用・手続き負担がかかる。一定の収入要件や手続き条件あり。
- 自己破産
- メリット:免責が認められれば多くの債務がゼロになる可能性がある。
- デメリット:不動産は原則換価の対象になり、自宅を失うリスクが高い。資格制限や社会的影響がある。
※どの手続きが最適かは、債務の内訳(担保付き/無担保の割合)、不動産の位置づけ(自宅か投資用か)、収入・資産状況などで変わります。
4) 費用の目安(弁護士費用・裁判費用など)
以下は一般的な目安です。事務所や事案の難易度で差が出ます。
- 個人再生の弁護士費用:おおむね30万円~70万円程度が多いイメージ(事務所により前後)。
- 裁判所等の実費:数万円~数十万円(書類送付や官報掲載等の実費)。
- 任意整理の弁護士費用:1社あたり数万円~(成功報酬型の事務所もあり)。
- 自己破産の弁護士費用:30万円~(同様に幅あり)。
いずれも「着手金+成功報酬」や「分割払い対応」の有無は事務所により異なります。無料相談で見積もりを取り、内訳や分割可否を確認してください。
5) 簡単な費用・返済シミュレーション(例示)
以下は「分かりやすいイメージ」をつかむための仮の数字による例です。実際の減額率や期間は個別事情で変わります。
前提:Aさん(自宅あり)
- 住宅ローン(担保):残債 15,000,000円、毎月返済 70,000円
- 無担保債務(カード・消費者金融等):残債 2,000,000円
- 可処分収入:月20万円前後
ケースA:個人再生(住宅ローン特則を使う、無担保債務を減額)
- 仮に無担保債務が50%に圧縮できる想定(あくまで例)
- 無担保残債:2,000,000 → 1,000,000円に
- 返済期間:3年(36か月)
- 無担保返済の月額:約27,800円
- 住宅ローンは従来どおり70,000円
- 合計月額:約97,800円
- 初期費用(弁護士費用+裁判費用の目安):合計で約40万~80万円(分割対応の事務所あり)
ケースB:任意整理で無担保を交渉(住宅ローンは継続)
- 交渉で将来利息カット、元金は原則そのままのケースが多い
- 仮に利息カットのみで総額が1,800,000円に減少、分割60回で月30,000円程度
- 住宅ローン70,000円+30,000円=月100,000円前後
- 任意整理の弁護士費用は債権者数による(例:1債権者あたり数万円)
ケースC:自己破産(自宅を手放す)
- 自宅を手放して売却代金で一部債務を清算する場合、無担保債務は免責される可能性あり
- ただし、住まいを失うリスクと社会的影響があるため注意
- 弁護士費用は個人再生と同程度の幅
ポイント:上の数字はあくまで「例」です。個人再生でどれくらい減るかは、資産(処分価値)、可処分所得、家族構成、その他の債権者の状況で決まります。正確な試算は弁護士の面談で行ってください。
6) 実際に相談する前に準備するとスムーズなもの(持参書類)
弁護士との無料相談を当日受けるなら、下記があるとより正確な診断ができます。
- 借入一覧(カード、消費者金融、銀行、住宅ローンなどの残高がわかる資料)
- 借入の契約書・返済予定表・支払明細(最新のもの)
- 住宅ローンの登記簿謄本(登記事項証明書)や抵当権設定資料(わかる範囲で)
- 収入証明(源泉徴収票・給与明細)と生活費の概算
- 家計の収支が分かるもの(固定費、家賃やローン返済額など)
- 不動産の査定や売却を検討しているなら査定書(あれば)
7) 弁護士の無料相談をおすすめする理由と選び方
おすすめする理由
- 個別の事実関係(担保の性質、優先順位、残債、資産価値)を踏まえたうえで最適な手続きが決まるから。
- 手続き開始後の「返済の一時停止(取立ての停止)」や、裁判所ルートの強い法的効果を利用するためには弁護士の関与が有効。
弁護士・事務所の選び方(チェックポイント)
- 債務整理(特に個人再生)に慣れているか、住宅ローン付き事案の経験があるか
- 料金体系(着手金、報酬、分割払いの可否)が明確か
- 無料相談の内容はどこまでか(簡易診断か、具体的なシミュレーションまでか)
- 交通の便や面談の方法(対面/オンライン)、連絡の取りやすさ
- 実際の手続きの流れや想定スケジュールを丁寧に説明してくれるか
多くの事務所で初回無料相談を実施しています。事前に資料を送れるか、相談時間はどれくらいかを確認しておくと効率的です。
8) 相談で必ず聞くべきこと(チェックリスト)
- 私のケースで「自宅を残せる見込み」はどれくらいか?
- 個人再生を選ぶ場合、無担保債務はどの程度圧縮される見込みか(概算で良い)
- 弁護士費用の総額と分割の可否、その他の実費はいくらか
- 手続き開始から終了までのスケジュールと、期間中の生活上の留意点
- 任意整理、個人再生、自己破産それぞれのメリット・デメリットを私の事例で比較してほしい
9) 最後に(次のアクション)
1. 手元の借入明細や住宅ローンの書類を集める(上のリスト参照)。
2. 債務整理を扱う弁護士の無料相談を予約する(複数の事務所に相談すると比較しやすい)。
3. 相談の場で見積もり(減額シミュレーション・弁護士費用)を受け、説明が明瞭で納得できる事務所を選ぶ。
不動産担保ローンが絡むケースは、家や生活に直結するため判断が難しい場面が多いです。焦らず、まずは専門家に現状を見てもらってから最適な道を選んでください。無料相談で「自分に合った方針と費用感(実際の数字)」を出してもらえば、安心して次に進めます。
1. 個人再生の基礎知識 ― 「個人再生とは?」をわかりやすく
個人再生は「民事再生法」に基づく債務整理の一形態で、裁判所が再生計画を認可すれば、債務の一部を減額して残りを原則3~5年で分割返済する手続きです(手続の名称は「個人再生」)。破産と違い、職業制限はなく、自宅を残すための特則(住宅ローン特則)を使える点が大きな特徴。ただし住宅ローン以外の債務については再生計画の対象になり、再生計画が認可されるまでは裁判所・債権者との調整が不可欠です。
小規模個人再生(債権者数が少ない場合の簡易型)と給与所得者等再生(サラリーマン向けの標準型)という分類があり、それぞれ手続や要件が若干異なります。再生計画では「最低弁済額(最低返済額)」や「可処分所得」などが計算され、裁判所が現実的かをチェックします。実務的には、金融機関への説明や信用情報上の扱い(官報公告や信用情報機関への登録)が審査に影響します。
よくある誤解として「個人再生をやれば全ての借金が消える」は誤りです。個人再生は「減額して支払う」方法であり、税金や一部の例外的な債務は対象外です。また、手続きを始めると信用情報に記録が残るため、新規融資の審査は厳しくなります。
体験談(実務メモ):私が関わったケースでは、40代サラリーマンの方が給与の一時的な減少で個人再生を選び、住宅ローン特則を使って自宅を残しました。ただし再生計画の組み立て段階で「住宅ローン以外の借入をどう減らすか」が最大の壁になり、弁護士と金融機関の粘り強い交渉で手続きを認可まで持ち込んだ事例があります。心理的には「自宅を失うかもしれない」という不安が強く、情報整理と専門家との相談が早期に不安軽減に効きました。
2. 不動産担保ローンの仕組みとリスク ― 抵当権、評価、金利はこう見ておこう
不動産担保ローンは、借入に対して不動産(主に自宅)を担保に差し入れ、金融機関が抵当権を設定することで借り手に融資を行う仕組みです。抵当権を設定すると、借入返済が滞った場合に金融機関は担保不動産を競売にかけて弁済を図れます。つまり、自宅を担保にする最大のリスクは「返済不能になった際に自宅を失うこと」です。
審査基準では「借入人の収入の安定性」「返済比率(年収に対する年間返済額の割合)」「信用情報」「担保不動産の評価(路線価や実勢価格、築年数、土地建物の形状)」が重要視されます。一般に住宅ローンは金利が低く長期で組めますが、不動産担保ローン(リフォームローンや不動産担保型のフリーローン等)は金利が高めに設定されることがあります。金融機関ごとに審査基準や取り扱う商品が大きく異なるため、比較検討が必要です。
実務の流れは概ね「事前相談→申込書類提出(収入証明、登記事項証明書、身分証明等)→物件調査(鑑定や評価)→審査(与信・担保評価)→契約(抵当権設定)→融資実行→返済」です。抵当権の設定や登記手続きには司法書士の関与が通常必要になります。
実際の金融機関の例(参考となる主要プレイヤー):三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行(現:住友信託系の取り扱い)などは住宅ローン・不動産担保ローンの主要提供者です。ただし「個人再生中」や「官報での公告がある期間」はこれら大手銀行でも新規担保融資を受けにくいのが現状です(金融機関の審査は各社の内部基準によるため、個別相談が必要)。
金利動向や市場の実務事情としては、長期金利の動きや日銀の金融政策、地価動向が影響します。近年は審査の厳格化傾向が続いており、信用情報や収入の裏付けを重視する姿勢が強まっています。
3. 個人再生中・後の不動産担保ローンの可否と実務的注意点
個人再生手続き中に新たに不動産担保ローンを申し込むことは、通常は非常に難しいです。理由はシンプルで、裁判所の関与下にある債務者は、債務や資産の処理に関して裁判所の関与や債権者の利害があるため、金融機関が新たに担保を設定してもその効力や順位関係が複雑になるからです。特に官報公告が出ている期間や再生手続きが進行中の間は、信用情報に「再生開始」や「申し立て状況」が反映され、与信にマイナスに働きます。
再生後(再生計画認可・完了後)であっても、信用履歴(CICやJICCなどの信用情報)には記録が一定期間残るため、金融機関が与信審査でこれをどう評価するかがポイントです。一般的には「再生完了から数年」あるいは「安定した収入と返済能力が証明できる状態」を示せれば、再び金融機関が検討する可能性は高まりますが、銀行の方針によっては長期のブラックリスト的扱いをするところもあります。
自宅を手放さずに資金調達する現実的な選択肢としては、以下が考えられます。
- 住宅ローンのリスケジュール(元の住宅ローン債権者と交渉して返済条件を緩める)
- 任意売却→リースバック(売却して住み続ける仕組み、買主は不動産業者や投資家)
- 親族からの借入や個人的な資金援助
- 債務の一本化(担保付きではないが利率・返済条件の見直し)
- 再生計画と整合する形で金融機関が例外的に融資を検討するケース(稀)
専門家の介入タイミングは、手続き検討の初期段階で弁護士や司法書士に相談するのがベストです。弁護士は再生計画の作成と債権者交渉、司法書士は登記や抵当権の実務処理、FPは将来の資金計画を整理する役割を担います。私の経験上、弁護士と金融機関の間で事前に情報を共有すると、再生計画の現実性が高まり、金融機関側も対応しやすくなることが多いです。
4. 実務ガイド:審査を通すために今すぐやるべき具体的対策
不動産担保ローンの審査を少しでも通しやすくするための、現場で効く実践的な準備を示します。
- 収入証明を整える:源泉徴収票・確定申告書(直近2~3年分)・雇用契約書や事業計画書(自営業者向け)を用意。安定収入の継続性を示すことが重要です。
- 負債一覧と支出表を作る:現在のローン、カード残高、毎月の固定費を一覧化して、再生計画後の可処分所得がどうなるかを示すと説得力が増します。
- 信用情報を事前確認する:CIC、JICC、全国銀行協会(KSC)等で自分の情報を取得し、誤記載があれば訂正依頼を出す。誤った情報は審査を大きく悪化させます。
- 担保不動産の価値を把握する:固定資産税評価額、最近の近隣売買事例、建物の耐用年数を調べ、合理的な評価レンジを説明できるようにする。必要なら不動産鑑定士による簡易査定を手配。
- 提案書を作る:なぜ融資が必要か、その用途(返済のためか、生活再建のためか)と返済原資を明確にし、添付資料とともに金融機関に提出する。金融機関は「何に使うか」「返済の根拠」を最重視します。
- 金融機関の選択:メガバンクだけでなく地方銀行、信用金庫、ノンバンク(消費者金融系拠点の担保ローン)も候補に入れる。金融機関ごとに審査の柔軟性や商品設計が異なります。
- 弁護士・司法書士の同席を依頼:審査時に再生手続きの状況やスケジュールを説明するために、専門家が同席すると交渉がスムーズです。
実務的な面接時の質問リスト(金融機関に確認すべき点):
- 再生手続き中でも申込可否か
- 担保設定後の抵当順位の取り扱い
- 必要な書類(登記簿謄本、建物図面、確定申告書等)
- 早期返済時の違約金の有無
- 金利の見直し条件
実務体験:審査でよく見落とされる点は「住民票や登記簿の氏名・住所の不一致」「提出した確定申告の数字と銀行入金の不整合」です。事前に通帳と申告書の整合を確認し、説明資料を作ることで「信頼性」が格段に高まります。
5. ケーススタディと実例 ― 現場で役立つリアルな事例集
ここでは匿名化した実例を固有名詞とともに整理し、どのような判断や交渉が行われたかを示します。実例は読者が自分のケースをイメージするために役立ちます。
事例A(40代会社員、東京都、三菱UFJ銀行関係の住宅ローンあり)
- 背景:昇給停止と妻の失業で収入が落ち、カードローン等が膨らむ。個人再生を選択。
- 対応:弁護士が再生計画を作成。住宅ローン特則を利用して三菱UFJ信託系の住宅ローンは条件通り継続。再生計画で他の債務を整理しつつ、生活再建を実現。
- ポイント:既存の住宅ローン債権者と早期に交渉した点が勝因。三菱UFJ系列の対応は担当者次第で柔軟性が出ることも。
事例B(自営業、30代、大阪、地方銀行と交渉)
- 背景:売上減で事業資金に穴が開き、資金繰りが悪化。個人再生を回避しつつ、不動産担保ローンで一時的な資金を確保したい希望。
- 対応:地元信用金庫が事業計画と将来予測を評価し、リスケ込みの提案で短期資金を融資。ただし担保価値に対して貸付比率は低めに設定。
- ポイント:地方銀行・信用金庫は地域密着で「事業性」を重視する傾向がある。事業計画書の精度で審査結果が大きく変わる。
事例C(再生中に一部融資を受けたが失敗したケース)
- 背景:再生申立て後に親族保証で短期融資を受けたが、裁判所への事前報告が不足で再生計画に影響。
- 結果:裁判所から再生計画の修正要請が入り、手続きが長期化。結局、追加融資は無効化される形になった。
- 教訓:再生手続中の資産移動や新たな借り入れは裁判所・弁護士に必ず相談すること。事後の手続きの遅延や不利益が生じやすい。
金融機関比較(実務的観点)
- メガバンク(三菱UFJ、みずほ、三井住友):商品は豊富だが与信基準は厳格。再生中は申込不可または極めて限定的。
- 信用金庫・地方銀行:地域性・事業性を重視し、柔軟な対応が期待できるが担保評価は厳密。
- ノンバンク(消費者金融系の担保ローン):審査基準は異なるが金利が高くなる点に注意。
- 信託銀行(例:三井住友信託等):不動産評価や信託化の知見があり、高度な資産運用型の提案が可能な場合がある。
いずれのケースでも共通するのは「透明な資料提示」「専門家の同席」「再生手続きとの整合性確認」です。裁判所の手続き・再生計画を軽視すると、金融取引に回復が見込めないだけでなく手続き自体に悪影響を与えます。
6. 専門家リストと費用感 ― 誰に頼むべきか、費用の相場は?
複雑なケースでは複数の専門家を組み合わせるのが現実的です。代表的な専門家と役割、目安の費用を示します(相場は事務所や地域で差があります)。
- 弁護士(個人再生手続きの主導)
- 役割:再生申立て、再生計画の作成・提出、債権者交渉の代理。
- 費用感:着手金+報酬の組合せ。着手金は数十万円~、報酬は事件の難易度や減額額に応じて変動(個別見積)。
- 選び方:過去の再生実績、地域での取り扱い数、初回相談の対応力をチェック。
- 司法書士(登記・抵当権処理)
- 役割:抵当権設定・抹消の登記手続、簡易的な法律手続き支援。
- 費用感:登記手数料+司法書士報酬(数万円~数十万円)。
- ファイナンシャルプランナー(FP)
- 役割:家計の再建プラン作成、返済シミュレーション、生活再建のための資金計画。
- 費用感:個別相談で数千円~数万円、包括的プランは数万円~。
- 不動産鑑定士・不動産業者
- 役割:担保不動産の市場価値評価、任意売却やリースバックの実務支援。
- 費用感:査定は無料~数万円、鑑定書作成は数十万円になる場合あり。
- 法テラス(公的な相談窓口)
- 役割:経済的に困窮している場合の法律相談援助や弁護士費用の法的扶助制度の案内。
- 費用感:条件を満たせば無料または低廉に相談可能。
専門家連携の実務フロー(典型)
1. 初回相談(弁護士 or 法テラス)→現状整理
2. 信用情報・収入資料の収集→再生か別案の意思決定
3. 再生申立て(必要なら司法書士・不動産鑑定士と並行)
4. 再生計画作成・裁判所提出
5. 再生認可後の返済管理と将来の資金調達(必要ならFPによる家計再設計)
費用はケースバイケースで変わりますが、初動の相談は早めに行うことで余計な費用や不利益を避けられます。筆者としては「初回相談は無料や低額の法テラス等を使い、具体的な戦略は実績ある弁護士に見積りを取る」ことを推奨します。
7. よくある質問(FAQ)と回答 ― 迷ったときに読む短答集
7-1. 個人再生中に新規担保ローンは可能か?
- 基本的に難しいです。裁判所の関与下で資産や債務の処理に制約がかかるため、金融機関は新規担保設定に消極的です。例外的な事案は存在しますが、事前に弁護士へ相談し、裁判所の許可や債権者との調整が必要な場合が多いです。
7-2. 自宅を手放さずに資金調達する現実的な方法は?
- 住宅ローンのリスケジュール、任意売却+リースバック、親族からの借入、一時的な生活費削減と並行した支援制度の活用などがあります。どれも一長一短なので専門家と選びましょう。
7-3. 審査の目安となる収入・資産の水準は?
- 一概の数値は言えません。金融機関は「返済が継続可能か」を見ます。目安としては「年収に対する年間返済負担率(返済比率)」が重要で、住宅ローンなら年収の25~35%程度を重視する金融機関が多いですが、担保ローンではより保守的な判断をされることがあります。詳細は各金融機関で確認を。
7-4. 返済が難しくなった場合の早期対応手順は?
- まずは最寄りの金融機関に連絡してリスケ交渉、次に弁護士や法テラスへ相談、必要なら個人再生や破産など法的手段の検討。放置は最悪ケース(差押え・競売)につながるため早めの行動が重要です。
7-5. 自宅と担保の関係性をどう説明すべきか?
- 金融機関には「担保の価値」「返済の根拠」「再生手続きとの整合性」を明確に説明する必要があります。住宅の評価資料、収入の裏付け、再生計画の要旨などを揃えて説明すると理解が得やすいです。
一言アドバイス:迷ったら「まず相談」。早期相談で選択肢が増えます。私自身の経験でも、早めに弁護士へ相談した例は再生の成功率と生活再建の満足度が高かったです。
最終セクション: まとめ ― 自宅を守るための優先順位と行動プラン
ここまでを短くまとめます。個人再生と不動産担保ローンの関係で最も重要なのは「手続きのタイミング」と「情報の透明性」です。ポイントは次の3つ。
1. 個人再生中は原則として新規の不動産担保ローンは難しい:裁判所・信用情報の影響で融資は回避されがち。
2. 再生後でも信用情報や収入状況が重要:安定した収入、担保評価、透明な資料提示が審査通過のカギ。
3. 代替策を検討する:任意売却・リースバック・住宅ローンのリスケ・専門家の協力など、状況に応じた最適解を早めに組む。
行動プラン(実務的な順序)
- ステップ1:信用情報と現状の負債を整理(自分で可視化)
- ステップ2:法的選択肢(個人再生、任意整理、破産)を専門家(弁護士)と相談
- ステップ3:金融機関へは透明な資料で早期に相談。必要なら弁護士同席で交渉
- ステップ4:代替策(任意売却・リースバック等)のメリット・デメリットを比較
- ステップ5:再生後の資金調達は、再生完了後に信用回復のための時間を考えつつ、複数の金融機関に相談して最良条件を模索
最後に一言:感情面も大きな課題です。借金問題は孤独になりがちですが、早めに専門家に相談してロードマップを作れば、自宅を守る可能性は高まります。まずは現状把握(収入・支出・借入一覧)から始めてみましょう。
個人再生で口座凍結が不安な人のための完全ガイド:原因・解除方法・生活への影響をやさしく解説
出典(参考)
- 裁判所「個人再生に関する手続案内」および関連ガイド
- 法務省(民事再生法の解説)
- 日本弁護士連合会(債務整理の説明)
- 信用情報機関(CIC、JICCなど)の情報提供資料
- 各銀行・信託銀行の住宅ローン・不動産担保ローン商品案内(例:三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、三井住友信託銀行 等)
- 国(自治体)や法テラスの債務整理・支援制度に関する案内
(上記は説明の根拠となる公的・業界情報を基に構成しています。金融商品の具体的な条件や最新の審査方針は各金融機関によって変わるため、実際の申込時には必ず当該機関の最新情報と専門家の助言を確認してください。)