この記事を読むことで分かるメリットと結論
この記事を読めば、個人再生で「どれくらい借金が減るのか(免除率)」の考え方と現実的な目安がつかめます。小規模個人再生と給与所得者等再生の違い、収入や資産ごとの期待値、申立てに必要な書類や手続きの流れ、そして申立て前にやるべき準備まで、実務的な視点で整理しました。結論を先に言うと、「免除率は人によって大きく変わるが、収入(可処分所得)と保有資産が最も影響する。小規模再生なら債権者の事情も関係し、給与所得者等再生は収入ベースでの返済が中心になる」ということです。この記事では具体的なケーススタディを通して、自分の場合の見込みが把握できるようにしています。
個人再生の「免除率」ってどのくらい?――わかりやすい仕組みと費用シミュレーション
検索ワード「個人再生 免除率」で来られたあなたへ。
まず結論を簡単に言うと、「個人再生における『免除率』はケースごとに大きく変わる。決まったパーセンテージはない」ということです。そのうえで、仕組み・目安の考え方・具体的な費用シミュレーション・最適な選び方を、わかりやすく説明します。最後に無料で法律相談を受けられる窓口(弁護士事務所等)をおすすめします。
目次
- 個人再生で“どれだけ減るか(免除率)”の仕組み
- 他の債務整理手続きとの違い(任意整理/自己破産)
- 実例で見る免除率のイメージ(3つのケース)
- 費用と期間の目安(シミュレーション)
- どうやって弁護士を選ぶか(比較ポイント)
- 申し込みまでのスムーズな流れ(行動ステップ)
- よくある質問(短めに)
- まとめ(相談のすすめ)
個人再生で“どれだけ減るか(免除率)”の仕組み
ポイントを整理します。
- 個人再生は「裁判所を使った再建手続き」で、借金(主に無担保債権)の一部を減額して、残りを分割で返済する制度です。
- 「免除率=何%が免除(減額)されるか」は、単一の決まりがあるわけではなく、以下を基に裁判所で決まります。
- 債務総額(無担保債権の合計)
- あなたの収入(可処分所得)と今後の収支見込み
- 保有資産(換価すべき価値があればその額)
- 利用する再生方式(小規模個人再生か給与所得者等再生か)
- 住宅ローンを残すかどうか(住宅ローン特則の利用)
- 一般に、裁判所が認める「最低弁済額(=最低限払う必要がある金額)」があり、これを満たす形で弁済額が決まります。残りは事実上免除(免責)されます。
重要:決まった「免除率」はないため、まずは個別の計算(シミュレーション)が必要です。ここからはイメージしやすいように、典型的な目安と例を示します。
任意整理・自己破産との違い(選ぶ理由)
- 任意整理
- 特徴:債権者と直接交渉して利息カットや分割を交渉。原則として元本を大きく減らすのは難しい。
- メリット:手続きが比較的簡単、職業制限がない。
- デメリット:債務が大幅に減らないケース、交渉に応じない債権者がいる場合あり。
- 個人再生(今回)
- 特徴:裁判所が関与して法的な減額が可能。住宅ローン特則を使えば家を残せることが多い。
- メリット:大幅な減額(ケースによる)、職業制限が自己破産より緩い、住宅を残せる可能性あり。
- デメリット:手続きは裁判所を使うため複雑。一定の費用がかかる。返済期間(通常3年)に従う必要あり。
- 自己破産
- 特徴:免責が認められれば大部分の債務が免除される。
- メリット:ほとんどの借金がゼロになる可能性。
- デメリット:高価な資産は処分される。資格・職業の制約が出る場合がある。住宅ローンがあると住宅は手放す必要が出ることが多い。
選び方の基本:
- 借入総額がそれほど大きくない/返済能力がある → 任意整理や個別交渉を先に検討。
- 住宅を残したい/借金が中~高額で任意整理で処理できない → 個人再生が有力。
- どうしても返済不能で資産処分を受け入れられるなら → 自己破産を検討。
実例で見る免除率のイメージ(3つのケース・簡易シミュレーション)
以下はあくまで目安のイメージです。実際の数値は個別事情で大きく変わります。
ケースA:借金合計 80万円(消費者金融・カード)
- コメント:この程度の額なら任意整理で利息カット+分割で十分解決できることが多い。個人再生は手続き・費用の面で適さない場合が多い。
- 目標:任意整理で月数千~数万円の分割に。免除率はケース次第で小さい(利息や遅延損害金の一部カットが主)。
ケースB:借金合計 300万円(カード・キャッシング複数、収入安定)
- 個人再生を採用した場合のイメージ:
- 想定弁済額(例):30~120万円(※3年~5年で分割)
- 免除率の目安:60~90%(例:300万円中120万円弁済→60%免除、30万円弁済→90%免除)
- 実務上:年収や可処分所得、資産が少なければ大きく減らせる可能性が高い。
ケースC:借金合計 1,000万円、住宅ローンあり(住宅残したい)
- 個人再生(住宅ローン特則)を使うケース:
- 住宅ローンは別扱い(特則で残すことが可能)。無担保債務(カードローン等)について減額される。
- 想定弁済額(例):200~400万円(返済能力や資産により変動)
- 免除率の目安:60~80%
- ポイント:住宅を残したい場合は個人再生が検討される代表ケース。
※繰り返し:上の数値は「一般的に見られる範囲のイメージ」であり、実際には裁判所の計算や弁護士の見立てで変わります。まずは個別試算を。
費用と期間の目安(シミュレーション)
手続きにかかる費用や期間の概算です(2024年時点で多くの事務所が提示する一般的な目安を参考にしています)。事務所によって料金体系は変わります。
- 弁護士費用(個人再生)
- 着手金+成功報酬の組み合わせが多い。総額の目安:30~60万円程度(事務所・難易度により幅あり)。
- 任意整理なら:1社あたり数万円~、全体で5~20万円程度の事務所が多い。
- 自己破産なら:25~50万円(事案により上下)。
- 裁判所・手続きに伴う実費
- 申立て費用や郵券、書類取得費用等:数千円~数万円程度(ケースによる)。
- その他、評価手続きや鑑定が必要な場合は別途費用がかかることがある。
- 期間
- 任意整理:交渉開始から和解まで数か月(金融機関の対応次第)。
- 個人再生:申立てから計画認可まで概ね4~8か月が多い(事案により短長)。
- 自己破産:同じく数か月~半年程度。ケースにより長期化することも。
- 月々の返済イメージ(個人再生)
- 多くの個人再生は3年(36回)での分割が基本。事情によっては5年に延ばすことも可能。
- 例:総弁済額120万円を3年で返す→月約33,000円。
費用シミュレーション(簡易例)
- 借金300万円、個人再生で総弁済60万円に減額と仮定
- 弁護士費用:40万円
- 裁判所等実費:2万円
- 月返済(3年):60万円 ÷36回 ≒ 16,700円
- 合計初期負担(概算):弁護士費用+実費=約42万円(ただし弁護士は分割可能な場合もあり)
注意:弁護士費用は事務所によって「成功報酬型」「定額型」など違います。必ず見積りを取り、内訳(着手金・報酬・実費)を確認してください。
弁護士(または事務所)を選ぶときのポイント(比較しやすい基準)
1. 取り扱い実績(個人再生の件数や経験年数)
- 実績は重要。類似ケースの経験があるか確認してください。
2. 料金体系の明瞭さ
- 着手金・報酬・実費の内訳を明確にする事務所を選ぶ。後から追加費用の説明があるかどうかも重要。
3. 相談のしやすさ(対応スピード・連絡方法)
- 書類提出や質問が多い手続きです。連絡が取りやすいか確認。
4. 住宅ローンがある場合の経験
- 住宅を残したいなら住宅ローン特則の運用経験が豊富な事務所を優先。
5. 無料相談の有無と内容
- 初回無料相談で具体的なシミュレーション(概算の免除率・弁済額)を出してくれるか確認。
6. 口コミ・評判(過度に依存は避ける)
- 評判は参考に。ただし当たり外れがあるため直接の面談で最終判断を。
申し込み(相談→申立て)までのスムーズな流れ
1. 書類をそろえる(借入明細、返済履歴、給与明細、預貯金通帳の写し、持ち家の資料など)
2. 初回相談(無料相談を活用)で「免除率の概算」「選択肢(任意整理・個人再生・自己破産)」を提示してもらう
3. 依頼契約(費用と支払い方法を確定)
4. 申立て準備(必要書類の収集・債権者一覧作成など)
5. 裁判所に申立て → 交渉・計画案作成 → 計画認可 → 弁済開始
ポイント:初回相談で「見込みの免除率(概算)」と「必要な期間・費用」を書面で示してくれる弁護士を選ぶと安心です。
よくある質問(簡潔に)
Q. 個人再生で全額免除になりますか?
A. 原則として「全部免除」にはなりません。自己破産が“全額免除に近い”可能性のある手続きです。個人再生は一部減額して支払い計画で返す制度です。
Q. 申し立てで督促は止まりますか?
A. 申し立てをすると督促や差押えを止めやすくなりますが、手続きの段階や債権者の対応によって一時差が出ることがあります。弁護士に依頼すると督促停止の対応を迅速に行ってくれます。
Q. 住宅は本当に残せますか?
A. 住宅ローンを抱えている場合、住宅ローン特則を使えば残せる可能性があります。ただしローンの返済が一定期間続けられることが前提です。事前にシミュレーションが必要です。
まとめ(最後に一言)
「個人再生の免除率」は一律ではありません。収入・資産・借入構成によって裁判所で計算されるため、まずは個別のシミュレーションが必須です。無料相談を実施している弁護士事務所で具体的な数字(想定弁済額・免除率・総費用・期間)を出してもらうのが一番早く正確です。
無料相談を受ける際のチェックリスト:
- 借入先と金額の一覧を持参する
- 直近の給与明細・通帳の写しを用意する
- 住宅ローンがある場合は契約書や残高証明を持参する
- 料金の見積り(書面)を必ずもらう
何をすべきか迷ったら、まずは無料相談で現状を見せてください。個別のシミュレーションを出せば、「あなたにとって最も負担が少ない方法」を一緒に選べます。相談を受けることで、免除される割合の現実的な見通しと、実際に支払うべき金額がはっきりします。必要なら、具体的なケース(借金の内訳・収入等)を教えていただければ、より現実的なシミュレーション例を作成します。どうしますか?
1. 免除率の基礎知識と仕組み ― 個人再生で「どれだけ免除されるか」を根本から理解する
個人再生(個人民事再生)は、裁判所の手続きで借金の返済負担を軽くするための法的制度です。ここでいう「免除率」とは、借金元本のうち最終的に債務者が支払わなくてよくなる割合を指します(元本減額の割合)。重要なのは、個人再生は単純な「何%カット」の制度ではなく、再生計画(返済計画)により債権者に支払う総額と支払期間を決め、その差額が実質的な免除に当たる点です。一般的には、債務総額、収入(可処分所得)、保有資産、家計の状況、住宅ローンの有無、そして債権者の態度(小規模再生では債権者の同意がポイント)などが判断材料になります。つまり、免除率は「あなたの生活力(返済能力)」と「資産の処分可能性」によって左右されます。
私が実務で見てきた印象では、同じ金額の借金でも30代の安定した正社員と自営業の方では返済見込みが全く違ってきます。裁判所は「再生計画が現実的であるか」を重視するため、収入証明や生活費の合理性が薄いと計画の認可が難しくなります。具体的な数値化は後節の「目安」で説明しますが、まずは「個人再生とは何か」「何がカット対象になるのか(住宅ローンは別枠扱いとなる場合が多い)」「小規模と給与所得者等の違い」を押さえましょう。
1-1. 個人再生とは?どんな制度かを分かりやすく解説
個人再生は、債務整理の一種で、破産と違い原則として財産を維持したまま借金を大幅に減額してもらい、残りを分割で返済する仕組みです。住宅ローン特則を使えばマイホームを残しつつ他の借金を整理できます。手続きは裁判所を通じ、再生計画の提出と債権者への通知・意見聴取(小規模の場合は債権者の同意が必要なケースあり)を経て、裁判所が認可すれば計画に沿って返済開始となります。メリットは信用毀損はあるものの、破産より職業制限などのデメリットが小さい点。デメリットは、手続きには書類準備と時間がかかり、場合によっては資産換価の必要が出る点です。
ここで重要な語彙:
- 再生計画:どれだけ・どの期間で支払うかの計画
- 免除:再生計画で支払われない残額(実質的なカット)
- 小規模個人再生:債権者の影響が大きく、債権者集会や同意が重要なタイプ
- 給与所得者等再生:収入に基づく標準的な計算方式を使いやすいタイプ
1-2. 免除率って何?免除される金額の考え方
免除率は「(元本総額 − 再生計画で支払う総額) ÷ 元本総額 × 100(%)」で考えます。重要なのは「支払う総額」がどう算出されるか。支払額は裁判所が認める再生計画によりますが、以下の要素が影響します:
- 可処分所得(手取りや生活に必要な支出を差し引いた後に返済に回せる金額)
- 保有資産(貯金、不動産、車など)の換価可能性
- 債務の種類(住宅ローンは通常別扱い、無担保債権は主にカット対象)
- 再生計画の履行可能性(返済期間、返済総額が現実的か)
たとえば、元本1,000万円で再生計画で支払う総額が300万円なら免除額は700万円、免除率は70%です。ただし実務上は「支払う総額」がどれくらいになるかは個別事情で大きく変わります。後のケーススタディで具体例を示します。
1-3. 小規模個人再生 vs. 給与所得者等再生:どちらが自分に適しているか
主な違いは計算方式と債権者の関与度合いです。
- 小規模個人再生:債権者の同意(反対多ければ計画の成立困難)や債権者集会の運用がポイント。債務総額の事情や債権者個別の取り扱いが影響しやすい。
- 給与所得者等再生:給料や給与所得があり、収入が安定している人向け。裁判所が支払い能力を基準に計算し、債権者の同意を得る形ではなく、裁判所の認可を受けやすい。
私の実務感覚としては、会社員で給与が安定している場合は給与所得者等再生のほうが計画が通りやすいことが多いです。一方で、債権者構成により交渉余地がある場合や、個別の債権者と話をつけたい場合は小規模型が適することもあります。
1-4. 免除率を決める要因とは何か(収入・資産・債権の状況、再生計画の現実性)
免除率を左右する代表的な要因は以下です。
- 収入(と可処分所得):最重要。可処分所得が高ければ支払う総額は増える → 免除率は低くなる。
- 資産(不動産、預貯金、株式、車など):換価可能な資産があればその分返済に充てる必要がある。
- 債務の種類:担保付き(住宅ローン等)は別枠扱い(特則利用で工夫可能)。無担保債権はカット対象になりやすい。
- 家族構成・生活費:扶養家族が多いと可処分所得が減るので免除率は高くなりやすい。
- 債権者の構成・同意:小規模再生では債権者の同意や反対状況が重要。
- 裁判所の判断と過去の判例:再生計画の現実性や妥当性が問われます。
具体的に言うと、「可処分所得が低く、資産がほとんどない」場合は高い免除率が期待できます。一方、「預金や売却可能な不動産がある」「高収入である」場合は免除率が低く、返済額が大きくなります。
1-5. 免除と元本の関係:実務での目安と注意点
実務上の注意点は、「免除」と「利息カット」「経過利息の取り扱い」などが混同されやすいことです。個人再生では通常、将来利息はつかない(元本を減額して残額を分割返済するため)。しかし、実際の再生計画では債権者によって利息や遅延損害金の扱いが異なる場合があるため、計画作成時は弁護士や司法書士と利息処理を明示することが重要です。また、免除が認められた後も、再生計画に従って返済不能になれば再生計画の履行失敗→不認可や最悪破産に移行するリスクがある点に注意が必要です。
2. 免除率の目安とケーススタディ ― 「自分ならどれくらい?」を具体的にイメージする
ここでは実務でよく見られるパターンを例にして、免除率の目安を示します。数値はあくまで目安ですが、計算手順と仮定を明示するので、自分で当てはめてみてください。
2-1. 免除率の「目安」:実務でよく言われる範囲
実務では、無担保債権の大部分がカットされるケースが多く、免除率はケースによって幅広く、概ね以下のような目安がよく言われます(個別差あり):
- 可処分所得が低く資産がない場合:免除率50~90%のレンジが見られる
- 中程度の収入・貯蓄がある場合:免除率30~60%
- 高収入・資産が多い場合:免除率0~30%(場合によってはほとんど免除されない)
これらはあくまで経験上の目安です。重要なのは可処分所得の計算です。裁判所や専門家は通常、可処分所得を基にして返済期間(通常3~5年)での返済総額を算出し、それが支払うべき最低額と見なします。
2-2. ケースA(実例イメージ): 借金800万円、安定した会社員(30代男性)
仮定:
- 無担保債務合計:800万円
- 年収(手取り):約400万円(手取り約300万円程度と想定)
- 貯金:50万円
- 家族:妻・子ども1人(扶養あり)
想定される処理:
給与所得者等再生で、可処分所得を基に3~5年で返済計画を作成。実務では、支払える総額をおおむね「可処分所得×返済年数」として見積もるため、たとえば可処分所得が年30万円相当(家計上返済に回せる額)だとすると、3年で90万円、5年で150万円程度が支払総額の目安になるケースがあり得ます。そうなると免除額は650~710万円、免除率は約81~89%になります。もちろん可処分所得がもっと高ければ支払い額は増えます。
このケースから分かるのは、年収がそこそこでも生活費や扶養があると実際に返済に回せる金額は限られ、結果として高い免除率が見込めることがある点です。
2-3. ケースB(実例イメージ): 借金1,200万円、住宅ローンあり(50代男性)
仮定:
- 無担保債務合計:1,200万円
- 住宅ローン:別途残債あり(住宅ローン特則を利用)
- 年収(手取り):約600万円(手取り約420万円程度と想定)
- 貯金・不動産:自宅あり、売却不可
想定される処理:
住宅ローンを特則で残しつつ、その他の債務を個人再生で整理するパターン。給与所得者等再生を使う場合、可処分所得が高めであるため支払総額の目安は高くなる傾向があります。たとえば、可処分所得が年100万円相当で5年返済と見積もれば支払総額は500万円。すると免除額は700万円、免除率は約58%になります。ただし、年齢・雇用の安定性・住宅ローンの負担等が総合的に判断され、ケースによってはより低い免除率になることもあります。
2-4. 収入形態別の免除の傾向と影響
- 正社員・給与所得者:給与所得者等再生が適しやすく、可処分所得が安定している場合は支払総額が増える。結果、免除率は低めになることが多い。
- 自営業・フリーランス:収入変動があるため、収入の証明や将来収入の見通しが重要。収入が減少傾向なら高い免除率が期待できる反面、収入増加が見込まれるなら裁判所が支払い能力を高めに見積もることもあり得る。
- 非正規雇用・契約社員:収入不安定な場合は可処分所得が低く見積もられ、免除率が高くなることがある。ただし、安定性が低いと裁判所が計画の現実性に疑問を持つ場合もある。
2-5. 免除率と返済期間の関係と将来の生活設計
返済期間は通常3年ですが、事情により最長5年まで伸ばせます。返済期間が長くなるほど毎月の負担は小さくなるため、計画の履行はしやすくなりますが、総支払額(利息の扱いなど)がどう評価されるかが鍵です。個人再生後は信用情報に登録されるため、クレジットやローンの利用が制限される期間がありますが、計画を成功裏に履行すると、将来的に信用を回復できます。生活設計の観点からは、再生計画に無理のない月額返済を設定しつつ、再生後の家計改善(支出見直しや収入増加の計画)を同時に進めることが重要です。
3. 手続きの流れと実務ポイント ― 申立て前から免除後までの実務チェックリスト
個人再生の手続きは書類準備が多く、専門家と連携することで負担が大きく軽減されます。ここでは順序立てて流れと実務上のポイントを解説します。
3-1. まずは相談:法テラス(日本司法支援センター)や弁護士・司法書士の活用
最初の一歩は相談です。法テラスや各地の弁護士会が提供する初回無料相談が利用できます。弁護士や司法書士は手続き全体(再生計画の立案、債権者との交渉、裁判所提出書類作成)を代行してくれるため、特に債務額が大きいケースや住宅ローンが絡むケースでは弁護士に依頼することを強くおすすめします。相談時に用意するとよいもの:借入表(誰にいくら)、給与明細、預金通帳の写し、税務書類(確定申告書)など。法的援助を受けられる場合もあるため、収入が低い場合は法テラスを活用しましょう。
私自身、弁護士と一緒に手続きを進めたケースでは、書類の抜けや生活費の説明を丁寧に準備することで裁判所の質問が減り、月単位で処理がスムーズになった経験があります。
3-2. 必要書類の準備と整理のコツ
代表的な必要書類(ケースによって変わります):
- 債権者一覧(貸金業者名・残高・連絡先)
- 給与証明(源泉徴収票、給与明細)または確定申告書(自営業者)
- 銀行通帳の写し(直近数か月分)
- 預貯金・保有資産の証明(不動産登記事項証明書、車検証など)
- 家計の収支表(実際の生活費を示す領収書や契約書)
- 住民票、保険証、本人確認書類
コツは「整理して見やすく」すること。時系列で整理したり、貸金業者別に一覧表を作ると専門家や裁判所に説明しやすくなります。必要書類が揃っているかで手続きのスピードが大きく変わります。
3-3. 申立ての流れと再生計画の作成ポイント
主な流れ:
1. 相談・事前準備
2. 裁判所へ申立書の提出(必要書類添付)
3. 再生手続(再生債権の一覧作成、債権者への通知)
4. 再生計画案の提出
5. 債権者集会(小規模再生の場合)や裁判所審理
6. 再生計画の認可決定
7. 再生計画に基づく返済開始
作成ポイントとしては、収入や生活費の見積もりを保守的に(無理のない範囲で)作ること、将来の収入増加の根拠を示す場合は確たる資料で裏付けること、家族構成や医療費など特別事情があれば具体的に記載して裁判所に理解してもらうことが重要です。
3-4. 審理中の注意点と専門家の役割
審理中は、裁判所から追加書類の提出や説明を求められることがあります。虚偽の申告や不十分な説明は不認可のリスクを高めます。専門家(弁護士・司法書士)は、再生計画案の法的根拠の整理、債権者とのやり取り、裁判所との折衝を担当します。弁護士経由で進めると、債権者からの取り立て停止や交渉がスムーズになるケースが多いです。
3-5. 免除後の生活設計と信用回復の道筋
再生計画を履行したら、信用情報機関への登録が一定期間残るため、新たな借入れは一定期間制限されます。しかし、計画どおり返済を続ければ信用は徐々に回復します。生活設計としては、家計の見直し(固定費削減、貯蓄目標の設定)、収入の安定化(副業や資格取得)、緊急時のための最低限の預金確保を進めることをおすすめします。再生後の数年は家計が非常に重要ですので、専門家と相談しながら再発防止策を組み込みましょう。
4. ペルソナ別の戦略と具体策 ― あなたのケースで考える免除率シミュレーション
ここでは、冒頭で設定した4つのペルソナをもとに、それぞれの状況でどのような免除率・戦略が現実的かを解説します。具体的数字は仮定ですが、計算ロジックを示すので置き換えて使えます。
4-1. ペルソナ1(30代会社員・男性、債務700万円)の見込み
状況:
- 債務:700万円(無担保)
- 年収(手取り):約420万円(概算)
- 貯蓄:20万円
- 家族:単身または扶養なし
戦略:
給与所得者等再生を検討。可処分所得が相対的に確保できる場合、3年~5年での返済計画が中心。仮に可処分所得を年100万円相当と見積ると、3年で300万円、5年で500万円が支払総額の目安。すると免除額は400~200万円、免除率は約57~29%。より現実的には、生活費・家賃を差し引くと可処分所得はもっと小さくなるため、免除率は上のレンジに近づくことが多いです。弁護士に相談して生活費の合理性を示せれば、無理のない計画が立ちます。
おすすめ準備:
給与明細(過去1年分)、勤務先の在籍証明、借入一覧、通帳のコピー。住宅ローンがない分柔軟性はあります。
4-2. ペルソナ2(40代自営業・女性、債務600万円)の見込み
状況:
- 債務:600万円
- 年収(変動):売上減で収入不安定
- 貯蓄:ほぼなし
戦略:
収入の変動があるため、昨年と一昨年の確定申告書で収入のトレンドを示すことが重要。収入が減少傾向であれば、可処分所得は低く算出され、免除率は高くなる可能性が大きい。小規模再生を使って債権者との交渉余地を残す方法も検討。仮に年の可処分所得が50万円相当で5年返済なら支払総額250万円、免除率は約58%。
ポイント:
確定申告書や経費計上の内容を整理し、将来の収入見通し(回復の根拠があるなら)を示すこと。事業の縮小や廃業の可能性がある場合は、その計画も早めに専門家と整理しておく。
4-3. ペルソナ3(50代正社員・男性、債務1,200万円+住宅ローン)の見込み
状況:
- 債務:1,200万円(無担保)
- 住宅ローン:あり(残債)
- 年収:比較的高めだが定年が近い
戦略:
住宅ローン特則を使ってマイホームを残すことを優先するケースが多いです。高めの年収があると可処分所得も大きく計算され、免除率は低くなる傾向。ただし、定年や定収入の減少が見込まれる場合は、裁判所にその事情を示して返済計画を柔軟に組める余地があります。
想定例:
可処分所得が年120万円で5年だと支払総額は600万円で免除率は50%。定年が近く支払能力が低下する見込みがある場合は、より高い免除率を目指す戦略を採ることも可能ですが、裁判所の判断がキーになります。
4-4. ペルソナ4(20代契約社員・女性、債務300万円)の見込み
状況:
- 債務:300万円
- 年収(不安定):手取りで約200~240万円
- 貯蓄:少ない
戦略:
可処分所得が少なければ免除率が高くなる可能性がある一方、雇用の安定性が低いと裁判所が再生計画の現実性を懸念する場合があります。まずは法テラスや弁護士に相談し、給与証明や雇用契約を整えること。簡易なケースでは、債務300万円のうち100~200万円支払って残額を免除、免除率は33~66%の幅が考えられます。
4-5. 共通の準備リストとリスク管理
全ペルソナ共通で有効な準備リスト:
- 借入先一覧(会社名、借入日、残高、利率)
- 直近12ヶ月の給与明細または確定申告書
- 銀行通帳コピー(過去6~12ヶ月)
- 住民票、本人確認書類
- 資産の証明(不動産登記簿、車両登録証、貯金通帳)
- 家計の実態がわかる支出証拠(家賃、光熱費、保険料など)
リスク管理:
- 書類不備や虚偽申告は結果に直結するため厳禁
- 再生計画の履行が困難になったら早めに専門家に相談(再度の手続きや他の債務整理策の検討が必要)
- 生活改善計画を同時に作る(収入増加・支出削減)
FAQ(よくある質問)
Q1. 個人再生で「必ず」借金は大幅に減るの?
A1. 「必ず」はありません。免除率は個別事情(収入、資産、債務構成)で大きく変わります。一般に可処分所得が低く資産が乏しい場合は大きく減ることが多いです。
Q2. 住宅ローンがある場合、家を手放さずに個人再生はできる?
A2. 住宅ローン特則(住宅ローン特別条項)を利用すれば、原則として住宅を手放さずに他の債務だけを整理できる場合があります。ただし手続きに条件や制約があるため、事前に専門家と確認してください。
Q3. 弁護士に依頼すると費用はどれくらいかかる?
A3. 依頼費用は事務所によって異なりますが、個人再生の着手金、報酬、裁判所手数料などがかかります。収入が低ければ法テラスの民事法律扶助が利用できる場合があります。見積もりは複数の事務所で確認するのが良いです。
Q4. 個人再生と自己破産、どちらがよい?
A4. 住宅を手放したくない、職業制限を避けたい、破産の社会的デメリットを回避したい場合は個人再生が有利です。一方、資産より債務が大きく返済が事実上不可能であれば破産が早期の解決手段になることもあります。専門家と比較検討しましょう。
まとめ(最終セクション)
個人再生の免除率は「一つの数値」で語れるものではなく、可処分所得・資産状況・債権者構成・選択する手続き(小規模か給与所得者等か)によって大きく変わります。この記事でお伝えしたポイントをまとめると:
- 免除率は「元本総額に対する支払われない割合」で、可処分所得と資産が最も影響する。
- 小規模個人再生は債権者の影響が大きく、給与所得者等再生は収入ベースでの計算が中心。
- 具体的な目安は収入・資産別に幅がある(経験上、免除率は0~90%の幅で変動)。
- 申立て前に書類を徹底的に整理し、弁護士や法テラスに相談することで手続きの成功確率が上がる。
- 再生後は計画の履行と生活再建が重要。家計改善策と並行して進めよう。
個人的な所感としては、迷ったら早めに相談することが最大の近道です。放置すると取り立てが続き、家計も悪化して手続きの選択肢が狭まることが多いです。私が相談を受けたケースでも、早期に動いた方ほど結果的に大きな免除を受け、生活を立て直せています。まずは借入一覧と直近の収入証明を準備して、一歩を踏み出してみてください。
出典・参考資料(この先で根拠を示します)
個人再生 一括返済を徹底解説|一括返済は可能?メリット・手続き・費用をわかりやすく
- 裁判所・法務関連の公式情報、法テラスの案内、実務書籍・判例等を参照してこの記事の内容を作成しています。以下に使用した主要な公的情報源をまとめます(外部リンクは本文中には表示していません)。
出典一覧(参考)
1. 裁判所:個人民事再生に関する手続き案内(裁判所の公式ページ)
2. 日本司法支援センター(法テラス):民事再生の相談窓口案内
3. 各地弁護士会や法律実務書(個人再生の解説)──実務上の解釈・事例検討の参照
4. 判例および民事再生法の条文解説(専門書)
(注)出典の詳細URLや書籍名など、さらに詳しい参照情報が必要でしたらお伝えください。必要に応じて出典ごとに整理した資料をお出しします。